輪廻・廻向
夏油様術式持ち昔、俺と愛子には兄貴のような人がいた
白山真魁了、白い髪に赤い目
伝書桜が言っていた白山家の特徴と同じ
アイツは両面宿儺を信仰していた
今思うと、アイツに出会ってから不自然な程までに俺の境遇は悪くなっていった
師匠が死んだのもアイツと久々に会った翌日だった。
俺の術式は“両面宿儺の周辺の音を夏油様を解放してくださいに変換する”もの
明らかに可笑しい術式だ
まるで相伝術式かのような複雑さ
今までは意味不明な術式だとしか思っていなかった
けどもしかしたら、俺の一族は…
もし、この偶然が偶然でないなら
俺は確かめないといけない
俺の一族の因縁と宿命を