踊るさんま御殿〜星野家出演〜 オファー受諾編

踊るさんま御殿〜星野家出演〜 オファー受諾編


それはいきなりだった。

ルビーが僕たちの炎上を収めるために出演した深掘れ☆ワンチャンの影響は凄まじく、今までの炎上騒ぎはどこへやら。

僕たちの復帰を飾る番組を是非とも!

と売り込みが激しくなっていた。

事務所の一角で

役者は休業状態だがマネージャーとしては絶賛営業中な僕と

社長に就任したミヤコさん、

社長を退任してスーパーアドバイザーとなったお義父さんの3人で企画を考案し、来たオファーを吟味している。

そんな昼下がりだった。

「はい、苺プロダクションでございます…え、ええ⁈し、少々お待ちください…し、社長ー!!ミヤコ社長ー!!」

「どうしたの?今アイとヒカルの復帰早めるための企画と売り込み考えているところなんだけど…」

「うるせーぞ、生駒。ルビーがやってくれたおかげでオファーが山のように来てるが、星野家としてのが8、B小町が2な本末転倒な状況になってっから今吟味したり交渉の算段つけてる状況だぞ」

電話番をしてくれていたタレント部門所属、生駒さん(声優志望)が息を切らしながら駆け込んできた。

「すいません!けどこの電話出たらわかりますって!!」

はい!と電話メモをミヤコさんに渡す生駒さん。電話メモの内容を見た彼女は顔色がサッと変わって斉藤SAに見せた。

「!マジかよ…⁈こいつは凄いぞ!!み、ミヤコ!早く出ろ!!」

「え、ええ…はい、苺プロダクション社長斉藤ミヤコです。はい。はい…弊社のカミキとアイ、アクア、ルビーをですか⁈

またとないお話です!是非とも大変前向きに考えさせてください!!回答期限は…4日後ですね。承知致しました。

期日までに連絡させていただきます!

ありがとうございました!」

やけに畏まった様子で電話を切ったので気になり尋ねてみた。

「僕たち4人揃ってのオファーはありがたいですが、社長達が驚いていたり畏っていたのは何故ですか?まさかとんでもない方からのオファーだったり?」

「「「………」」」

「あの、生駒さん、社長、SB…?無言はやめてくれませんか?」

何も言わずにじっと見つめてくる3人。

何もまずい事は言っていない筈なんだけど…

ミヤコさんが確かめるように聞いて来た。

「ヒカル、あなたはお笑い界のビッグ3は知ってるわよね?」

ビッグ3…ビート○けしさん、明石家さ○まさん、タ○リさんですね。まさか…」

「ああ。おまえら4人にあの明石家さん○が平日ゴールデンのバラエティ番組に出て休業から復帰しないか?、ていう誘いだ!

やったぞヒカル!!あの、『踊る○んま御殿』だ!」

「本当ですか⁈僕は乗りたいですね。

アイ呼んできます!彼女は今頃レッスンスタジオでルビー達にダンスと歌のトレーニングさせているでしょうから!!」

☆☆

「はーい、柔軟終わったら続けて腕立て10回3セット、腹筋10回3セット、スクワット10回2セットの後はバランスボールに座って1分間維持ねー

みんなどんどんパフォーマンス良くなってるけど体幹と筋肉は適度に鍛え続けないとダンスと踊りの維持なんてできないよー?」

「「ひー!」」

「はい!あの、アイさん。一通り終えたら振り付けで相談したいことが…良いですか?」

「良いよ!熱心なのは大歓迎だから!!

ルビー、バランス保たないとダメ。

疲れていても笑顔を保ってバテを見せないのがアイドルなんだから」

先輩は私達家族の秘密を日本全国に明かしてからはレッスンや練習への取り組み方が今までが全然だったというわけではないけど、それまで以上に真剣になった。

今日も女優業休業中な代わりに私達の専属トレーナーになったママにパフォーマンスの魅せ方について相談を熱心に行っている。

元社長が言った

「俺は有馬かなに賭けている」という言葉が大きかったみたいだ。

「かなちゃん、熱心なのは良いけど熱心過ぎて一挙動に力が入り過ぎ。練習段階で癖つくと本番に出るよ?」

「すいません!じゃあもう一回だけ見てください!」

熱心にママに教えを乞う姿はこちらも負けられない、という思いにさせられる。

「かなちゃんの熱心さにはこちらも負けてられない、てなるよねー」

「本当そうだよね。先輩がママにする質問の中身とかかなり緻密だし、凄く分析してるんだなー、てなるから」

私とMEMちょはママから課されたメニューを終えて休憩中。

ママの先輩に対する指導風景を見学中だ。

(…ダンスやパフォーマンスは自信あるけどうかうかしてられないなぁこれは。頑張らなきゃ私も)

コンコン 

「はーい、どうぞー」

「アイ!、ルビー!僕たち家族にさんま御殿へのオファーが来た!!」

「「「「ええ⁈!!」」」

先輩に負けないように頑張ろう、同時に超大御所様からの招待についても頑張らなきゃ行けなくなってしまった。

おまけ アクア編

「義瑠さん、こんにちは。子ども食堂開設おめでとうございます」

雑貨屋 巴比倫弐屋を営む義瑠さんがついに念願の子ども食堂を開設した、と聞き手土産を持って訪ねた時だった。

俺が来ることをわかっていたのか店主の義瑠さんは俺を出迎えるも開口1番に帰るように言ってきた。

「来たか。せっかく来たのに悪いが、早く事務所に行け。大きな仕事が来るからな」

「せっかく訪ねたのですから珍しいお菓子とか購入させてくださいよ。

…大きな仕事、て何ですか?」

「今かかって来る電話に出たら分かる。

しかし手土産に免じて500円off券を4枚渡してやろう。ではな」

義瑠さんから券をもらった直後に父さんから電話が来た。

「もしもし?」

「アクア、落ちついて聞いてくれ」

「…何が起きたの?」

「さんま御殿、僕たち家族4人にオファーが来た。今から事務所来れない?自宅でオフ楽しんでいたのに悪いね」

さんま御殿…秋刀魚…さんま…明石家、さんま…

踊るさんま御殿⁉︎

雨宮吾郎時代からやっていたあの番組に⁈

「…………………」

「もしもし?アクア?」

「ごめん、脳が混乱してた…分かった。今から行くよ。じゃあ…」

…デカ過ぎない?お笑いBIG3じゃないか。

やっぱり深掘れ ワンチャンの影響か?

壱護さんが業界ウケも良いし、注目されてる、て言ってたもんな。

…義瑠さん言った通りになったな。

「アクアよ。サービスに完熟してしまったパイナップルを格安で売ろう。事務所にいる人間達と分けるが良い。

2個あるから充分であろう」

「義瑠さんが言った通りになりましたね…今から事務所に戻ります。また来ますね」

「次はヒカルやアイ、ルビーも連れて来い。祝いの席になるだろうからな」

相変わらず不思議な御仁だが、いただいたパイナップル2個を持って事務所に向かうことにした。

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