超寄生鉄甲サラ丸
触手生物の外殻となり果てた戦車の中で二人の少女が悶えていた。
万魔殿の秘蔵っ子だった少女と、評議員だった彼女。
陥落目前となった万魔殿から少女だけでも逃がそうとした行いは、
弾が切れ、履帯が触手たちに足を取られて動けなくなり、
やがては砲口を始めとする穴が触手たちが侵入してきた事で無意味に潰えた。
彼女に出来たのは目の前で自身とともに触手たちの慰み者と化した少女が
与えられる快楽を貪欲に貪って“雌”として咲き誇っていくのを絶望と共に見る事だけ。
元々有能ではあれど覇気に欠けた彼女の心を折るにはそれは十分だった。
しかし、彼女と少女にとってこれでさえもまだ絶望の底ではなかったのだ。
嬌声をあげる少女の腹からぶりゅりと引きずり出されるのは
少女の腹の中でたっぷりと愛液と神秘を吸って増殖した触手だ。
それが砲口に押し込められ、触手たちの膂力で無理やり外へと弾き出される。
発射機構が壊れているが故、本来に比べれば発射速度は大したものではない。
だが放たれた触手砲弾は神秘をまとった身体そのものだ。
神秘そのものが激突する威力は本来の砲撃を大幅に凌駕しているだろう。
先程“砲弾”を引きずり出されて皮の弛んだ自身の腹が再び盛り上がって行くのと
それと共に身体中から何かを吸われていくような脱力感に犯されながら彼女はそう思考する。
今の彼女たちはこの触手生物の“弾薬庫”。
せっせと弾となる触手を産み落とし、外にいるだろう生き残りを同じ境遇へ引きずり落とす為の肉袋。
だがそれももうどうでもいい、もう自分も少女も人として終わってしまったのだ。
だから……
「お゛ぉっ♡」
腹と尻から引きずり出されるこの快楽だけが、今は愛おしい。
超寄生鉄甲サラ丸の中にいるのはサラダちゃんは一応一体のみ。
疑似出産で産み落とされているとイロハが思っているのは
サラダちゃんにとっては爪や髪のようなものという事で
南斗人間砲弾して死ぬサラダちゃんはいない。