赤鬼のお嫁さんにされた雪女が絆されてイチャラブエッチする話

赤鬼のお嫁さんにされた雪女が絆されてイチャラブエッチする話


 ──《氷の魔妖-雪女》にとって、《赤鬼》の第一印象は控えめに言っても最悪だった。


 雪女は名の通り雪国や寒い地域を好んで住処とする。よって季節が変われば寒冷と雪を求めて移動するが、時には先客が居座っていることもある。

 心地よい環境を求めて雪女がやって来た雪山は、既に屈強な赤鬼が縄張りとしていた。そうと知らずに雪山に腰を据えてしまった雪女は今更後に引くこともできず、数日後には食料を巡って当然のように諍いが起きたのだ。

 もちろんどちらも生存のために引き下がれない。まして雪女はこれまで邪魔者はすべて自慢の氷に閉ざしてきた自負があり、相手が巨躯の鬼だろうと同じことをするだけと楽観視していたのだが……


「そんな……この私が、負けた?」


 結果は敗北。強固な氷は赤鬼の雄々しい肉体と金棒によって粉々にされ、身体を鈍らせる強烈な寒気はかの鬼の発する強烈な体温を前に一切通用しなかった。茫然自失と呟いた言葉は雪のように呆気なく掻き消され、これまで拠り所としていた強さを根本から否定された雪女は、失意のまま赤鬼の住処である洞窟にまで連れて行かれたのだ。

 赤鬼の生態なぞ雪女は知らない、興味もない。ただ野蛮な見た目をしていることからどうせ食べられるのだろうと思っていたし、いざとなれば余計な痛みを受ける前に自害しようとさえ考えていた。


 なのだが、しかし。雪女は赤鬼から思いもよらない言葉を受けてしまう。


「……は? 私をあなたの花嫁にするですって? 何を言っているのかしら、冗談はお止めなさい」


 求婚。これまで恋愛などしたことも無い雪女にとって慮外もいいところな言葉だった。概念としては知っているし、かつては心許せる番に憧れた時期もあるが、力づくで自分を連れ帰った鬼風情を伴侶として認めるなど論外だ。自分が負かした相手を妻として連れ帰る風習が赤鬼の一族にはあると言われても、はいそうですかと頷けるわけがない。

 当たり前に突っぱねた雪女を前に、赤鬼はそれ以上の言葉は紡がなかった。暴力を振るうでも改めて説得するでもなく、洞窟の奥の方に消えてしまう。雪女は今の内に逃げ出そうとしたが、この雪山は赤鬼の方が遥かに詳しいことを思い出してやめた。


 すぐに戻って来た赤鬼の両手には意外と綺麗な器が二つ、湯気を立てて乗っていて。

 差し出された存外美味な汁物を啜りながら、雪女にとって最悪の共同生活が始まったのだった。



 諦めてひとまず赤鬼の言葉に従う振りをした雪女は、赤鬼の為人を観察しつつ脱走の機会を窺っていた。


 まず気付いたこととして、赤鬼は外見に反してさほど狂暴ではない。むしろかなり穏やかな性格であるらしく、無為な争いは好まないし雪女のあからさまな敵意にも怒らない。最初は歯牙にもかけない余裕かと内心激怒したものだが、寝込みを暗殺しようとしても変わらないものだから、それが赤鬼の気性なのだと渋々納得した。ちなみに暗殺は簡単に防がれた、横になっても警戒は緩めず守備意識が高いようだ。

 加えて綺麗好きかつマメでもあって、住居の洞窟は几帳面に整えられているし、水浴びも欠かさないようで悪臭なども一切ない。粗末な腰布もしっかり洗っているところを雪女は何度か目撃している。


 極めつけにこの赤鬼、料理が上手い。塩や胡椒といった調味料をしっかり使いこなし、具材の調和を取る手段を知っていた。あの太い指が小さな小さな袋から塩を摘まんでいる姿など悪い夢かと思ったほどだ。最初に出された汁物も美味しかったし、認めたくないが雪女より家庭的な赤鬼だった。


「…………思ったより、しっかりしているのね」


 もっと根っこから蛮族で言葉の通じない存在だとみなしていた。しかし近くで観察した赤鬼は無口だが穏やかな性格で、荒々しい巨躯からは考えられないほど平和的な趣味を持っている。雪女を無理やり連れて来たことを除けば非常に常識的な性格だ。

 いつの間にか雪女はこの赤鬼が作る料理が楽しみになっていた。彼との短い会話で髪の毛の手入れ方法を変えてみたら、自慢の白い髪はさらに輝くようになった。あるいは油断させてから無理やり強姦して孕み袋にする気かと身構えたが、本人の口から合意のない性交はしないと断言されてしまう。


「はぁ、なんで私、自分を無理やり嫁にしようとする相手に絆されてるのかしら」


 いつしか雪女は赤鬼の事を憎く思えなくなっていた。出会いこそ最悪だったが、それ以降悪く感じたことは一度もない。雪女のことを良く気遣ってくれて、本当に伴侶にするつもりで大事にしているのが伝わってくるから。好きになるなど絶対あり得ないはずなのに、気付けば彼のことを想うだけで胸の鼓動が早くなる。

 もしこれが全部赤鬼の作戦通りなら大したものだ。しかし絆されてしまったものは仕方なく、今更逃げる気にもなれないくらい日数を重ねてしまったから。


「しょうがないわね、私があなたのお嫁さんになってあげるわよ」


 ついに雪女の方が折れて求婚を受け入れたとき、赤鬼は屈託の無い笑みを浮かべたのだった。



 洞窟の奥。他者の目は絶対に届かず、逆に主たちの声は絶対外に漏れないような深さにて。

 かがり火に照らされた壁面は洞窟ながら綺麗に磨かれていて、草の葉と布を使った大きな寝台は即席とは思えない寝心地の良さを誇る。これも己と、何より伴侶の身体に負荷をかけないよう作り抜いた赤鬼の傑作だった。


 その赤鬼は寝台に仰向けになったまま、そそり勃った肉棒へ奉仕する雪女の頭をゆったりと撫でていた。


「んちゅ……ふぅっ……♡ ぷはぁ……♡ 頭を撫でてくれるの、好きよ」


 美しい白髪を撫でられると雪女は嬉しそうな声を出す。特に口淫中に優しくされるのが好きなようで、怜悧な美貌も青く輝く瞳も、全て蕩け切ってしまう。かつて赤鬼を憎んでいた頃と比べればとても穏やかで、相手を信頼しきった表情だ。

 舌で剛直の裏筋を舐め上げ、亀頭を口に含んで鈴口へキスを落とし、丁寧に唾液を塗して奉仕する。身体が大きいだけあって一物の大きさも規格外だ。雪女の腕の太さに匹敵するそれを受け入れるには、しっかり濡らしておく必要があった。


「んっ、気持ちいい? ……そう、なら良かった」


 雪女の指は名の通り雪のように冷たい。しかし赤鬼の体温は燃えるように熱く、雪女が触れれば溶けてしまいそうなほどだ。しかしこの差が互いにとって心地よくもあるようで、白い細指でつうとカリ首を撫でられるだけで赤鬼は声が漏れてしまう。鋼のように硬い肉槍がビクビクと震えて先走り汁を零す。

 スリスリ、ペロペロ、ぐちゅぐちゅ。様々な音を響かせながら一物への懸命な奉仕は続いた。気付けば雪女の片手は秘部に添えられていて、口淫を続けながら自分を慰めている。今の内に蜜壺も濡らしておかないと大変だと、何度か交わった末に学んだ成果だった。


 もちろん、それらすべてを視界に収める赤鬼の興奮は留まるところを知らない。いっそう高まった伴侶への愛情と共にむくむくと射精欲が湧き上がり、ビクビク震えた陰茎が限界を訴える。


「もう射精しそうなんだ。外と中のどっちが──中、ね。即答だなんてまったく、分かったわよ」


 呆れたように呟いた雪女は片手で髪をかきあげてから、大きく口を開くと根本まで肉棒を呑み込んだ。太さも長さもある一物を収めるには喉まで受け入れる必要がある。当然苦しいし気持ち悪さも感じていたが、気にせず雪女は微笑んだ。好きに射精して、と。


 びゅくっ! びゅるるるっ! びゅーっ……!


「んぐっ! ん゛~~っ、おぐっ……ごきゅ、ごくん♡」


 体内まで冷たい雪女にしてみれば、氷に焼き鏝を当てるようなものだ。火傷しそうなほど熱い一物を呑み込み、同じくらい熱い精液の奔流が余さず体内へと注ぎ込まれる。吐き出すことを許さない強姦じみた射精を彼女は嬉しそうに受け入れ、腹の中に愛しい鬼の熱が灯っていく悦びに浸っていた。


「はぁ、はぁ……窒息死するところだった。本当に、もう少し射精量を減らしてもらえないかしらね」


 口の端から精液を零し、荒く息をしながら雪女は愛おしそうにお腹を擦っていた。文句こそ言っているが、この口内射精も元は雪女から受け入れたことだ。赤鬼はいつもそこまでしなくていい、吐き出して構わないと告げているのだが、本人がこれで乗り気だから仕方ない。氷のように冷たく落ち着いた性格だが、一度火が灯れば情熱的な性格だった。

 これで一度目の射精が終わったが、鬼の性欲が一回切りで終わるわけがない。むしろ最初は慣らしというか、完全体では雪女の膣内に入れるのに大きすぎるから抜いておく必要があるのだ。


「さてと、これで準備完了……って、ちょっと、急に持ち上げないで──はぅっ♡」


 赤鬼の逞しい両腕が雪女の腰を掴むと、いとも簡単に彼女の体躯を持ち上げた。そのまま白の着物がはだけられ、割れ目が赤鬼の眼前に晒される姿勢になってしまう。吹きかけられた熱い呼気に雪女が喘いだのもつかの間、先ほどのお返しとばかりに赤鬼の舌がベロリと割れ目をなぞり上げた。


「あっ、あ~~~ぁぁっ♡ それ、強いから止めてって、言ったのにぃ……♡」


 口淫中の自慰によってすっかり陰部は潤んでいるが、さらに赤鬼の唾液が追加されて妖しく輝いた。持ち上げられて抵抗できない体勢で一番弱いところを責められる。強すぎる刺激から逃げることもできず、泉のようにこんこんと愛液が溢れては舐めとられ、湧き水のようにじゅるじゅると啜られる。

 赤鬼による女体責めは今後の行為に対する慣らしと気遣いが多分に含まれているが、そのせいで徹底的でもあった。ツンと自己主張する陰核から始まり、鮮やかな赤色をした膣口も、会陰部も、さらに肛門までも徹底的に舌で刺激する。絶え間なく性感帯を虐められる雪女はこの時点で息も絶え絶えといった様子で、ぷしゃりと潮を吹いて赤鬼の顔にかけてしまう。頭を押しやろうとする細腕にはちっとも力が入ってない。


「あっ♡ ああっ♡ っ、く~~っ♡♡」


 何度目かの絶頂を雪女が迎えたところで、ようやく赤鬼は彼女を開放した。すっかり濡れそぼった膣内へ慎重に指を──当然雪女の指の何倍も太い──潜らせる。よく湿った内部はきゅうきゅうと指を締め付けており、抵抗感は微塵もない。早く熱くて硬くて太いあれを挿入してくれとねだっているようだ。

 傷つけないよう慎重に雪女の身体を下ろし、背面座位の姿勢で抱きかかえる。体格差のある二人が交わる方法はいくつかあるが、今回は穏やかな交わり方を選んだらしい。これが後背位や駅弁であれば雪女は成すすべなく快楽に翻弄されることになる。


 凶悪な一物の切っ先を雪女の膣に合わせる。彼女の上半身が赤鬼の胸板に寄りかかり、適度な体重とヒンヤリした心地よさが火照った身体にちょうどいい。落ち着いて身体を弛緩させた雪女の状態を見計らって、赤鬼はゆっくり彼女の身体を下ろし始めた。


「あっ……♡ 私の中に、入ってきたぁ♡」


 ズブズブと太すぎる肉の棒が小さく狭い膣内を蹂躙する。よく締まり、よくうねる内部はさすがに多少の熱はあるが、それでも赤鬼からすれば途方もなく冷たい。そこへ熱を灯すように己の分身を沈めていき──半分ほど入ったところでコツンと行き止まりにぶち当たる。亀頭が子宮口と口付けしたのだ。


「やっぱり全部は入らないか……ごめんなさい、いつも受け入れてあげられなくて」


 雪女が赤鬼の伴侶となることを選んでくれたその日の内に初夜は済ませた。そして、忌憚なく言えば大失敗した。常識的な体躯の女体と、規格外の大きさを持つ男体では噛み合わないのは仕方なく、挿入すらままならなかったのだ。

 確かに肉棒は半分ほどしか収まっておらず寂しさを覚えるが、これでも十分すぎる成果である。無理に突き込んで大事な嫁を壊すのは彼の本意ではなく、むしろ喜んで受け入れてもらえるだけ満足していた。自分の気持ちを伝えるために再び頭を撫でてあげると、やはり雪女は嬉しそうに目を細めた。


 落ち着いた頃を見計らって緩々と腰を動かし出す。巨大な肉槍がずるるるっと内部から引き抜かれ、ぐぐぐぐっとまた潜り込んでいく。細かな膣襞まで全てこそぎ落すねっとりした動きに、早くも雪女は絶頂したらしかった。


「っ、いくっ♡ い、っちゃうっ……♡」


 ぶしゅり、派手な潮吹きが寝台の布地を濡らした。だが本人に恥じ入る暇はない。始まってしまった本格的な性行為は止まらず、絶え間なく彼女へ絶大な法悦を送り続けていた。


「あっ♡ あんっ♡ あうっ♡ んむっ♡」


 肉棒が半分しか埋まらないということは、裏を返せば膣内いっぱいに満たされていると言える。だから膣内の適度に気持ちいいところも、浅いところも深いところも、突かれれば呆気なく絶頂するしかない弱点まで、まとめて刺激されるのだ。思考まで塗り潰される快楽の渦に雪女はただ嬌声をあげるしか許されない。

 段々と抜き差しの勢いが上がってからは顕著だった。魔妖の雪女としての姿はそこになく、ただただ愛しい雄にイき狂わされる雌があるだけ。愛はそのまま、都合のいい肉壺のように扱われることも一種の興奮剤となった。


「おちんちんが、膨らんで、震えてる♡ もうすぐ射精、するんだっ♡」


 ぶしゃり、ぶしゅり、先の潮吹きにも劣らない勢いでイき潮がまき散らされた。空気中に漂う雌臭い香りに赤鬼の嗜虐心が掻き立てられる。普段の外見に反した優しさをかなぐり捨て、ただ気持ちよく射精するためだけに腰を振り、そして。

 射精寸前となった瞬間、赤鬼は亀頭を子宮口へと思い切り押し付けた。ぐりぐりと掘削する動きに雪女は目を丸くしながら、膣内は本能的に肉棒を締め上げ射精をねだった。甘々射精媚び奉仕に爆発寸前の欲望が耐えられるはずもなく、


「あっ♡ 精子が、私の中に出てきてる……っ♡」


 びゅーっっ♡♡


 子宮内部を完全に白で染め上げる勢いで、欲望の塊が遠慮なく解き放たれた。べっとり粘つく精液は重く、ずっしりした感触を雪女に与えてくる。ドクドクと注がれ続ける奔流はとても小さな子袋で受け止めきれるものじゃなく、膣襞と肉棒の隙間からコプコプと精子が溢れて流れて行った。

 白い魔妖の少女を、己の欲望で内側まで白く染める悦びは何にも代えがたいもので。この瞬間だけは赤鬼も理性を忘れて本能だけで射精を楽しむ。冷たい胎内はすっかり熱を移されており、それも一種の征服欲を満たしてくれた。


「はぁ……んんっ♡ お腹の中、あなたの精液でいっぱいになっちゃった……♡」


 名残惜しくも膣内から陰茎を引き抜く。精液が数筋ほど流れたが、後は射精量に反してまったく落ちてこない。すべて子宮が飲み込み一滴も零していないことの証左だった。

 ぽっかり空いた空洞に雪女は残念そうな顔をするが、すぐに口元をいまだにそそり勃つ陰茎へと寄せた。自身の愛液と今しがたたっぷり注がれた精液で飾られた剛直を躊躇なく口にし、舌を這わせ、綺麗にお掃除していく。


「んむっ、ちゅっ♡ れろぉ……あむっ♡ はい、これで綺麗になった」


 新品同然に磨かれた肉棒に愛おしそうに手を添えながら、雪女は上目遣いで赤鬼を見やった。鬼の身体は最低でも5回は射精しなければ収まらないし、女もまた承知の上で誘っている。まだまだ夜は長く、激しい交わりは続くのだ。

 だけどその前に、雪女は頬ずりするように肉棒へと顔を寄せると、熱さを確かめるように額に当てた。


「あなたの身体、とっても熱くて私にとっては毒みたいなものなのに……どうしてこんなに、温かさが心地よく感じられるのかな♡」


 それが惚れた弱み、絆された末路だということは、二人とも承知の上で言わなかった。夫婦として、もはや言うまでもないことだった。

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