赤に惑う
・シャンクス×ベックマン
・ベックマンに女性との関係の描写アリ
・特殊なプレイはない
・イチャイチャしてる
ok?
、
、
、
、
、
、
、
「楽しかったわ♡ありがとう」
そうあどけなく笑う女は、昨夜共に過ごした娼婦だ。下着も付けずシーツだけを身に纏った姿を朝日が照らす。シーツ越しに生み出された女性特有の曲線美は芸術と言っても良い。見る者によっては天使や女神とでも勘違いするのだろうか。ぼんやりと眺めながら、煙草を蒸す。それを見ていた女は、そのまま笑みを深めてこちらに近寄り、豊満な胸を腕に押し付ける。煙草に不快感を抱かないことには安心した。そのままゆっくりと、ツヤのある唇を耳元に近づけてくる。
「また来てね」
その言葉でもう一度となる男が多数だろう。一度の夜に身も心も溺れて、最終的に何も残らないなんてよくある話だ。この手の店に来るたびに耳に入る。おれは女が言ったことに対して肯定も否定もしないよう、癖のついた女の赤毛を撫でた。
「おーおー随分お盛んなこって」
船に帰ればヤソップが軽口を叩いてくる。まあ、首から肩周辺にまで散らばるキスマークを見れば誰だって動揺する。ここから帰る時でさえ道ゆく人々に二度見された。正直、お盛ん通り越してグロテスクにも見えるだろう。昨夜、何をしていたのかを見せつけられているのだ。興味と同時に嫌悪感を持つだろう。
「お前本当に50?髪もそんな真っ白けっけになってきてるっつーのに、そっちは衰える気配なしってか」
「うるせェ、おれがいない間は何もなかったか」
「おう、と言いたいところだが……」
気まずそうに話すヤソップが、人差し指をおれの方向に指す。正確には、俺の後ろを。ああ、なるほど。どうせ酒の飲み過ぎか、何かトラブルを起こしたか、はたまたギャンブルで大負けでもしたか。ようは、なんらかを起こし、珍しく機嫌でも悪くなったのか、いくつかの可能性を考えながら振り向く。
「お頭、あんた船員に迷惑かけるんじゃ……」
「朝帰りとはいいご身分じゃないか、ベック」
小言を言おうとした声が途切れる。ヤソップと同じように軽口を言う船長、手配書のような悪い人相ではなく、陽気な笑顔をしている。しかし表情に対して、それはそれはとても重い空気を背後からは放っていた。
「ヤソップ、席外してくれ」
「言われなくてもそうするっての」
顔を顰めたヤソップが部屋の外に出るのを確認したあと、お頭と向き合う。相変わらず、宴や酒を飲んでいる時のような笑みだが、纏っている空気とは当然釣り合わない。そのあべこべさにため息が出そうになる。すると、お頭が口を開いた。
「昨日はどこ行ってたんだ?」
「女のところだ」
「何か言ってくれても良かったんじゃないか?」
「別に危ないことをするわけでもないし、第一アンタに何か言いに行ったところで、引っ付いてくるだろ」
「流石にそこまでしねェよ」
「キスマークだらけの首して、そんなに熱烈な女だったのか」
「まァな」
ケラケラ笑っている姿は年齢よりも幼い。問いと応答を繰り返し、ピリつく空気を緩和させる。そろそろ大丈夫だろうとそのまま、音を立てないようゆっくり一歩下がる。
「なァベック、お前ほどのデカい男の頸にキスできる女なんて相当デカかったんだろうなァ?」
ーーー
「わざわざ女のところに行かなくてもいいんだぞ?」
「っおれの勝手だろうが!!」
抵抗しようにも両腕は器用に片手でまとめられ、片足一つでベッドに押し込まれた。蹴り返そうにも避けられるし、当たったとしてもびくともしない。キスマークの場所は盲点だった。あれだけの数されてれば気にならないだろうに、判断が甘かった。
「あのなベック、別にお前が女を抱きに行くのは構わないんだ」
そう言って、頭を撫でられる。髪の感触を楽しむように、一房掬っては指でいじったり、髪全体に指を通したりと遊ばれる。人の身体を好き勝手しやがってと睨めば、髪を通り抜けた指が頬に触れた。
「お前もおれも男だしな、溜まるモンもある」
頬を撫でたら満足したのかスルリと手が下がり首、喉仏、胸という順番で撫でられる。
その手つきは嫌に丁寧で、服越しだろうが細胞の一つ一つまで愛撫しているような錯覚さえあった。そのままとうとう、腹に触れられる。普段は剣を扱うその節くれだった指が、鍛え上げられたおれの腹筋をなぞり、なぞりながら下腹部に掌を置いた。微かに力をかけられ、身体が強張る。そして、目の前の男が口を開いた。
「でもなベック、女だろうが男だろうがお前が抱かれに行くことだけは、おれは許さない」
「……ッ」
「というか、お前おれのこと好きなんだよな?なんでおれとセックスするの嫌なんだ」
「うるせェッ!んなこと言って何になる!!」
「じゃあわざわざ、自分の代わりの相手探されてるこっちの身にもなってくれよ」
「ゔ……」
言葉に詰まる。確かに、女を選ぶときはいつも、何かしらシャンクスを重ねていた。赤い髪や、幼さ、そして人の上に立つ支配性を毎回と言っていいほど求めていた。そしてわざわざ女性に男の役目を願うなんてイカれている。お頭が好きなのも嘘ではない。元々は忠誠心だったはずのそれは、いつのまにか愛を覚えていた。それでも
「ちがうんだ、アンタがおれを抱くのは」
「何が違うんだ?」
「海賊は自由でなきゃいけねェ」
「そうだな」
「アンタも同じだ、好き勝手に進んで、自由でないと、ただ一人の男に縛られるような奴じゃない」
「そうか、でもなベック、海賊っていうのは」
ヒュ、と喉が鳴る。陽気な笑顔をしていた男はもういない。あの明るさは息を潜め、獲物を見つけたかのような肉食獣の如く目を開く。もしかしたら覇気でも使われたのかと、勘繰ってしまうくらいの威圧感だ。そして、一気に顔を近づけられる。
「欲しいものは何がなんでも、手に入れるよなァ?」
「ッあ、やめ」
静止も虚しく、唇は容易く舌でこじ開けられ、食われた。ガチリと閉ざした歯を一本一本存在を確かめるように舌でなぞられる。世が世なので歯が欠けるなんてこともあるが、生憎おれはそんなことなかった。そんなことを気にしてるかは知らないが、歯茎と歯の間を舐められる感触がゾワゾワとして、諦めてその舌を受け入れる。その瞬間勢いよく舌が飛び込んだ。どんなに引こうにも、逃すまいとそれはもう熱烈に絡めて、吸われ、声が漏れた。
「んッ……フッ、んむ……ぅ…」
しかし人間が呼吸しないでいられるのは限度がある。触れてない場所なんかないというくらい舌を重ねられ、干からびそうなくらい唾液ごと舌を吸われて、酸素は欠如していくばかり。キスで死ぬというのは流石に馬鹿すぎて嫌なので、お頭の背中をドンドンと叩く。
「いっ!?ん、長かったか?」
「ハッ、ハァッ、ァ……窒息死でもさせる気か!?」
「そりゃァ随分な誘い文句だな」
文句もどこ吹く風で受け取ってもらえず、おれのか、お頭のかも分からない唾液で、テラテラと光る唇を開いたかと思えば、おれの黒いシャツを咥えて胸元まで捲る。
「ッオイ」
「こっちは跡つけられてないな」
隠されるものがなくなった腹には、細かい傷跡はあれど昨夜の気配は一切なかった。不意に、温いものが割れた腹の溝をなぞる感覚に身体が跳ね上がる。同時に微かな焼かれたような痛みがする。
「ッア゛!?あん、た何、やって……」
「ん〜?もしお前が他の奴とする時があってもよ、コレ見たら大体の奴は萎えるかなって」
「悪い、ヤツだなっ」
ヂュ、と焼かれでもしているような感触を繰り返され、悦ぶ自分の声を抑える。たしかに、これから抱こうとしている奴に他の男の匂いがしたら誰だって嫌だろう。ましてや、何十億もの首の男からのモノ、なんて知った日には縮こまっちまう。
「それに、こうしたらお前が服脱ぐたびに、おれのこと思い出してくれるだろ?」
熱い。焼かれた。
そう錯覚した。吸われた箇所が焼かれたように痛い、ただ吸われてただけなのに、たった一言で感覚が鋭敏になってしまったのだ。チリチリと、燻っていたはずの火が大きくなる。それが嫌で、シャンクスの頭を腹から剥がそうとする。
「もっ、いい……!どんだけ、つけ」
「おれが満足するまで」
そんなの耐えられるわけがない。風呂や、何かしらで服を脱ぐたびに、腹の赤い跡を見て思い出す。そんな想像だけで、グンッと体温が上がった。本当に気が済むまでつける気なのか、退く気配がない。きっともう十を超えたであろう跡の数を考えたくなくて、抵抗する。
「やめ、ろ!そんなっ、いらないッ」
「そうか、じゃあ」
「あッ?!あ゛ぁ!?」
「ハハ、腹にキスされただけで興奮してくれるのか」
「ぃ、やだ、触んなッ!」
昨夜、散々出し切ったはずのソコは、キスだけで再び硬さを持つ。わざわざ撫でられて興奮を自覚させられるのは、かなり羞恥心を煽られた。ズボンごと下着を脱がされれば、半分ほど勃ち上がったモノが外に晒される。
「あー…」
「!?おいバカなにすんっああ゛!!」
手淫も無しに、躊躇なく咥えられた。それも、平均以上のサイズがあることを自負しているモノをあっさりと。顎が疲れるから嫌と、多くの娼婦が顔を顰めて咥えるのを拒否するソレを、水音を立てながら丸ごと口に含まれる。
「ひゔ、や゛っあっあ゛あ゛ッ♡」
「ひもひいか?」
「そこっで♡喋る、な゛ぁ♡」
緩急のついた舌使いで竿全体を舐められ、もっともっとというように、腰が浮く。深くまで押し込んでいるだろうに、それでも口を離すつもりはないのかズルズルと吸われたりしながら、舐められる。
「だっ!?もっ、やめッでる出るからッああ゛♡♡」
ドクドクと下半身が波打ち、絶頂した。そのまま、全部飲み干すように啜られて悲鳴が喉から漏れた。満足したのか口を離されると、ぼんやりとした視界に喉仏が上下したのが目に入った。
「はっ!?なに飲んでっ!!」
「ごちそーさん」
「バカなのかっ!?あ、ぅ♡」
カパ、と悪い笑顔で開けられた口は何もない。さっきまでは、おれのを咥えて、挙句飲み干したっていうのにその痕跡がない。ただ、赤い舌が覗いているだけである。それに対してなぜか、クラリときた。
「だいぶイイ顔してきたな、指入れるぞ」
「ん♡あっしてな、ぁ♡♡」
ぐぷ、とまだ昨夜の柔らかさを残す後孔に指を入れられる。細いしなやか女性の指と違い、ゴツい太いこの男の指がゆっくりと存在を主張しながら動く。苦しさはない、浅く息を吐く。ふと、目があった。
「ベック、いつまでおれと誰かを比べるんだ?」
「あ、?」
「これから抱こうとしてる、男の前で違う奴のことを考えるなんてよっぽど余裕みたいだな」
「……ッちが、すまないお頭ッ!!おれが、おれが悪かったからッ!!!」
警鐘が頭の中で響く。お頭の地雷を踏んでいた。いや、そもそも朝帰りの時点で踏んでいたのかもしれない。余裕があるなんてとんでもない。今だってキツイというのに。
「謝るなよベック、別におれは怒ってなんかないぞ?」
「やめッ♡なんっで♡そん、なっ丁寧にィッ♡♡♡」
「ただ、お前がおれ以外じゃダメになるようにしているだけだ」
それは怒られることよりタチが悪いのでは?とよぎるが、すぐにそんな考えも飛んだ。いつのまにか、3本に増やされた指はゆっくりながらも、バラバラと動く。うねる肉壁に指を沈め、関節が曲がる。そうかと思えば、しこりを1本、2本、3本と増やしながら圧迫する。別に激しいわけじゃない、むしろ丁寧すぎる前慰だったのだ。
「やめろ、ッんん♡♡もっ、と♡はげ、しく♡ッゔ〜〜♡♡」
「流石にお前も疲れてるだろ、あんまり激しくしたら身体に障るだろうからな」
「いいっ!やさしッく、すんなぁっ♡♡ゆび、もうっゆびいらなッ♡♡♡♡」
「わかった、じゃあ」
ズルリと抜かれた指に喪失感を覚えたが、すぐに別のモノがあてがわれる。ああ、これで腹が抉られ、よがって、理性を飛ばせる。とてつもない快楽に、溺れられる。獣のような激しく、乱暴なセックスでグズグズにされる。その期待で喉が鳴った。
「挿れるぞ」
「あぁッ♡♡ぐッ、ン〜〜〜ッ」
指なんかとは比べものにならないくらい太い肉棒が肉壁を割って入ってくる。熱い、自ら熱を放つそれは凶器のようなもので、腹の中が焼けてるのかと思った。その熱すらも気持ちよくて仕方がない。ググッと奥に押し込まれ、声が漏れる。しかし
「あ……?なんで、動かな」
奥の方まで入ったと思ったが、シャンクスは一向に動く気配がなく、思わず疑問をこぼす。それより、いつもは最初から奥の方まで入れない。いつもは激しい抽送を繰り返し、互いに昂ってきたところで奥に思いっきりブチ当たる。そんな荒々しいセックスだったはずなのに
「言っただろ、おれ無しじゃダメになってもらうって」
「っえ、あ゛あっ!?やめっ♡♡♡おくっ、おくぐりぐりっでェ♡♡♡♡」
「まずはカタチを覚えてもらうモンだろ?」
言葉の意味を理解した頃にはもう遅く、最深部を強く擦り付けるような、グッグッと短く押しつけられる。違う、コレはいつもと違う。本気で内側から、自分の存在を残そうとしている。いやだ、これは、ダメだ。
「あ゛っ♡♡あっん゛あ゛っあッ♡♡♡いやッ♡♡もっとはげし、くッ♡♡」
「ん〜?」
「ひあ゛ッ♡♡」
胸板に顔を押し付けられる。さっきからずっと行動が読めない。それどころか、身体と身体の密着がひどく多い。腕も胸も腹もどこを切り取ってもこの人の温度が伝わる。自分の身体が一番熱いはずなのに、なぜかしっかりとこの人の体温を感じ取れた。
「ハハ、ベックの心臓すごく煩い」
「いっうな♡そういうっ♡♡きくな、なあ゛ッ♡♡♡」
「恥ずかしい?」
「やあ゛っ♡♡♡」
当たり前だ。だって、これじゃあこの人に抱かれてるという事実だけで興奮してるみたいで嫌だ。現に、今だって激しさは全くなく余裕そうに胸元にキスするばかり、どんだけキス好きなんだ。そう思ってれば、口にキスをされる。今度は最初から無抵抗で受け入れた。そのまま、しばらくしてやっと口を離す。キスも、舌を絡めるようなものではなくティーンがするような唇が触れ合うだけのものだった。もどかしい、足りない。
「なぁっ♡♡はげしくっ♡♡♡はげしいのッ♡♡♡たのむからッなあ♡♡♡♡」
「ダメだ、なんでそんな激しいのがいいんだ?」
「こんなっ♡♡いやだッ♡♡♡♡へんっ♡♡おかしくなッあ゛あ゛ッ♡♡♡♡」
「じゃあ、おかしくなれよ」
ピタリと、自分の嬌声が止む。耳元で聞こえたシャンクスの声を拾おうと口を閉じたのだ。一本しかない腕は、おれの手と指を絡めて、所詮恋人繋ぎをしている。そして、おれの不安を肯定した声は、ドロドロと、煮込んだジャムのような、深い、甘い声だった。
「気づいてるかベック、ずっとお前にキスしてる間、お前のナカもすごかったぜ」
「おれの離したくないって、うねらせて絡めたり、ギューって締め付けたり」
「激しいのがいいって言うくせに、こっちの方が反応がいい」
「なにより、そんな蕩けた顔、おれじゃないとできないだろ?」
「っあ゛♡♡やっいやだ♡♡♡やめろ、そんなッ♡」
「よぉく聞けよ、
___愛してるぜ、ベックマン」
ぷつり、と何かが切れた。目の奥では、白くチカチカと火花が散る。散々丁寧に触れられた挙句、愛してると言われた。それだけで、ずっと腹の底で渦巻いていた快楽が膨らみ、理性を飛ばした。
「ッ〜〜〜あ゛っ♡♡♡きもちいッ♡♡イく!イきそっ、ぐぅ〜〜〜♡♡♡」
「可愛いなァベック、ずーっとお前のビクビクして射精とまらないし、ナカだって締め付けてくるっ」
「あ゛ッはア゛ッ♡♡♡♡ん゛あ゛っあ゛っあ゛あ゛ッ♡♡♡♡」
「なァ、おれのこと好き?」
「すきっ♡♡すきだ♡♡♡シャンクスッ♡♡♡♡すきッ♡♡♡」
「ッッ!ずっるいなァお前は!!」
「!?あ゛っあ゛♡♡なんでデカく♡♡♡♡はげしっ♡♡♡」
「欲しかったんだろっ!?これがっ!!」
「ああっ!?イッた♡♡♡おれイッたばっかなのにィ♡♡♡♡♡」
「ベック、舌出せ」
「?ん、ぁーーッ?」
言われるがまま舌を出せば、三度目のキスだった。今度こそは深い、溶かし合うような舌を絡めるものをした。そのまま、シャンクスが呻く。どうやらイッたらしい。それでも止まらず、熱心におれとキスし続けた。