負けない

負けない

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「見ろ、グエル!あれが我が社の新型モビルスーツ、ディランザだ!」

「うわぁー……!デスルターも良かったけど、こっちもとても強そうでカッコいい!すごいよ父さん!」

「そうか。デスルターは負けた機体だったが……このディランザならば、必ず勝つことができる。」

「な、何言ってるんだよ父さん……デスルターは負けてなんかないだろ……みんなで自信作だって言ってたじゃないか。」

「違うなグエル。確かにデスルターは売上も性能も、現場の評価も悪くはなかった。だが結局、シェア争いではグラスレーを越えることができなかった。その時点で負けだ。」

「そんなこと言うなよ!デスルターはいい機体なんだろ?メカニックのみんなも、この前来てたパイロットのおじさんも、みんなデスルターのことを褒めてた!それに、デスルターの開発に関われて良かったって言ってたのは、父さん自身じゃないか!」

「いいかグエル、ビジネスでは結果が全てだ!いくらいい機体だったとしても、売上の数字が明白に事実を表している!あれはハイングラに負けたという事実をな!それが全てだ!」

「何だよそれ!デスルターは負けた機体なんかじゃないだろ!父さんがそんなこと言ったら、開発してきたみんなが可哀想じゃないか!……分かった、俺がデスルターで、あのディランザって機体に勝ってやる。そうすればみんなデスルターがいい機体だって分かるだろ!」

「馬鹿を言うな!ディランザが負ければディランザの評価が下がるのだぞ!それにお前はまだシミュレーターでモビルスーツを歩かせるのもままならないだろう!」

「うるさい!父さん、俺はいつか必ずデスルターが良い機体だって、負けた機体なんかじゃないって証明してやるからな!」





「言ったじゃないか父さん……デスルターは、負けた機体なんかじゃないって……っ…………なんで、なんで勝ってしまうんだ……………ッ…負けないだけで、良かったのにっ……勝ちたくなんて、なかった……!」

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