謀略Ⅳ→Ⅴ 怒りのグレアChapterⅡ

謀略Ⅳ→Ⅴ 怒りのグレアChapterⅡ

名無しの気ぶり🦊

 ジャマーエリア内に浮かぶ”イス”の取得状況を示すオブジェクトに、タイクーンとナーゴのマークが浮かぶ。


「桜井トレーナーと祢音さんはなんとかなったようね…つまり残る椅子は二つ」

「ああ。…連中のお出ましか」


それを見て現状把握した道長とクラウンの前に現れるはジャマト数体、全員弱そうだが数が揃うと厄介なのは分かりきっている。


「数はそこまで…だけど生身、私も加勢していいかしら?」

「ピークアウトしてようがしてまいがウマ娘じゃ3人ぐらいが限度だろ。…片したら傍に隠れてろ」


「我接受。そのオーダーに応えましょうか!」


こうして2人は生身でもそれなりにジャマトを退けつつ 赤い帽子の少女の捜索を再開するのだった。


「えいっ!」

「ジャア⁉︎」


同じ頃、英寿とキタサンもまた同様に生身でジャマトと悪戦苦闘中のようで。


「無茶はするなよ、キタ!」

「無理もしませんよ、トレーナーさんっ!」


とはいえ互いにやれないことはやっていないつもりだった。


「ドライバーが無ければただの一般人。ここまでだ。ギーツ」


ギロリはそれを見てほくそ笑むのだった。


「残ったイスは2つ。脱落するのはこの3人の誰かだ」


2組が広場に出たことにより、互いが遭遇。さらにウィンも遅れてやってきた。


「「「「「「「「「「ジャアア…!」」」」」」」」」」


ここでジャマトが数体現れ、3人に襲いかかってきた。


「さっきより数が多いなぁ…」


そこへ景和、祢音が駆けつける。が…


「みんな、今助ける!」

「情けなんているか!」


道長はこれを拒絶、勝ち負けにどうしても拘っていた。


「! ちょっとミッチー!」


普段は互いに認め合うクラウンも流石に苦言というか疑問をぶつける。


「なんでだよ? 困ったときこそ助け合いだろ!」

「そうです、何もこんな時に!」

「お人好しどもが…!俺たちが仲間な前にライバルってこと、分かってるのか!?」


普段助け合うことが当たり前な景和やキタサンにとって道長の拒絶は重く響いた。


「助けあったってよくない?たとえ脱落しても、生きてさえいればチャンスはあるけど、ジャマトにやられたらお終いなんだよ!」

「どれだけ時間が掛かっても生きていれば勝ち…そう僕は思います」


しかし祢音とシュヴァルの発言には道長パターン納得はいかないが、反論も無いようだ。


「時には周りを頼ってもいいんじゃないの!?1人で生きていく人間なんていないわけだし…!」

「私達、チームメイトじゃないですか!」


どうしても2人は道長に頼ってほしいようだ。まあチームカペラ同士としてはさもありなんである。


「ミッションもレースも、命あっての物種…それが分からないミッチーじゃないでしょ?」

(クリアできなきゃ願いは叶わない…そんなのは分かってるけど)


どんな戦いも生きていればこそ巡り会える。ならばそれを分かっていない道長ではないとも感じていた


「…お前らと一緒にするな」


どこか響いたのか、先程よりは発言が落ち着いている。あとひと推しと言ったところ。


「…お前らの言うとおりかもな」


「「「「「「「!」」」」」」」

ただそのタイミングで飛び出したのは英寿の発言のほうだった。


「1人でやれるって信じて、どうにもならない時もある。自分を信じすぎることが裏目にでることも。誰かの支えが無ければ人は生き残れない」


景和やキタサンのそれにどこか改めて心を打たれたようで。


「俺がまさに、今キタに助けられてるようにな」

「トレーナーさん…」


こんな状況に反して酷く落ち着いていた。


「…仕方ねえか」

「今は効率よく力を合わせましょう、ミッチー!」

「くっ…」


それがトリガーになったのか、道長も渋々だか発言を撤回。状況に合わせることにしたのだった。


『『SET』』


「へ~んしん♪」

『BEAT』


「変身」

『NINJYA』


ここからさらに時は過ぎ

その間変身した景和と祢音はジャマト達に応戦。

担当を道脇に隠れさせ、各個ジャマトを倒していく。


「オラァッ!」

「ジャア…⁉︎」


道長は腕ひしぎ逆十字をジャマトに極め倒し。


「脚技なんて初めてだらけだけど、案外基礎がしっかりしてればッ! できるものね…はあっ!」

「ジャイィ…!」


クラウンは足技でジャマトを何体か無力化に成功していた。


「トレーナーさんに近寄らないで!」

「くっ、生身じゃやっぱキツイか…」


もちろん英寿とキタサンも戦っているが、しかし苦戦。

とりわけジャマトライダーに立ち向かうのは生身では愚策としか言いようがなく互いを庇いあうしかない。


「へっ!」

それを見てウィンはほくそ笑み。


「…トレーナー」

「ああ。サマス、ジーンからのアレを」


────それを見ていた怪物のようなウマ娘は隣にいた自らの主人に出番だぞと促してみせた

そうして男が、なぜか側に控えているサマスに指示を出す。


「承知しました」


すると、先ほど英寿の前に現れ支援すると言った女が端末で何かを操作



時刻で言えばその間タイクーンが、ジャマトライダーを押さえる。


「トレーナーさん!」

「「逃げて(ください)!」」


そしてキタサン共々逃げろと促した、その瞬間。


「⁉︎ うわわッ⁉︎」


────飛来する希望があった。


「…?」

軽く吹き飛ばされたジャマトライダーは困惑し、さらにそれは英寿の手に収まる。


「こいつは…⁉︎」

『COMMAND TWINE BUCKLE!』

「…新しいバックル、なの…?」


コマンドツインバックル、どうやら新しいレイズバックルのようで。


「あと、あたしの手になぜかブーストバックル…」

「ほんとだ、でもなんでキタちゃんに?」


さらにキタサンの方にはブーストバックルが一個収まっていた。


「何故だ?あんなアイテムは実装していない!」


ちなみにこれはギロリも意図していないバックル。存在は認知していたが現在のデザイアグランプリには採用していなかった。


「…タイクーン、お前に頼みがある。10分。…いや5分でいい。 お前のドライバーを貸してくれ。そしたら俺の持ってるバックル全部くれてやる」

「浮世トレーナー…」


ここに来てようやく訪れた勝機を逃さない。

英寿は躊躇わず景和にベルトを貸してもらえるよう打診した。


「どうする気!?」

「…勝てるんですか⁉︎」


もちろん不安の声が返ってくるが。

「ああ、ジャマトに使われたドライバーを取り返す」

英寿にはそれができるだろうという確信めいた直感があった。


「────トレーナーさん!」

「ああ!」


ならば景和とダイヤからすれば力を貸すのに躊躇う理由もなく。

変身を解き、英寿にドライバーを手渡した。

今まで2度(3度)英寿には化かされたけど、それでも躊躇無く渡すのは景和がお人好しなだけではなくて、英寿を信頼しているからなのである。


『SET』

「変身!」


そうして即座に英寿は変身を遂げ

『GREAT』

『READY FIGHT』


「あれっ、トレーナーさん…⁉︎」

「えっ···顔だけ!?」


エントリーフォームにゴーグルとアンテナがついただけな変化の、仮面ライダーギーツレイジングフォームに変身完了した。


「…このバックルは…抜けない…。こんな武器は初めてだな。まずは…試し斬りだ」


次いでレイジングソードを武装。しかしハマったバックルの片割れは現段階では抜ける気配がない。

とりあえず切りまくれば何か変わるだろうと実践投入することにした。


「チャージ式なのかな…あっ、トレーナーさんこれも使ってください!」

「おお、そうだな」


すかさずキタサンもブーストを手渡し、英寿も使い道を即座に模索。


『REVOLVE ON』

『BOOST』


空いた下半身を埋めるのに最適と判断し、躊躇わずレイジングブーストフォームに武装完了してみせる。


「時間稼ぎにも全力で行かせてもらうぜ」


「────ふっ!!」

「「ジャジャッ⁉︎」」


そこからは矢継ぎ早で、英寿は電撃と超高熱を同時に纏う斬撃でジャマトを次々と倒していく。

向かってくるジャマトをバッタバッタと斬り伏せる。


「ふっ! …嘘、意外にもミッチーと距離が開いちゃった!」

(急がなきゃ! 晴家トレーナーに何か吹き込まれてなきゃいいけれど…)


その間に先程からジャマトと逃げつつ無理なく倒すを繰り返していたクラウンは道長から距離がそれなりに空いたことを自覚。

すぐに移動を始めた。


「……」

(このまま、終わるのか。俺は…)


「ドライバーを手に入れる方法ならあるぜ」

「は…?」

…そうして彼女の思惑通り、道長はウィンに誑かされそうになっていた。


この間も英寿はジャマトライダー以外のジャマトを一網打尽。

斬っていくと、刀身に何やらチャージされていってるような感じも確かに目に見えていた。


『Full charge』

「おっ抜けた!…ってことは…!!」


そしてエネルギーがチャージされたからか。


「使用できるんだ!」


コマンドツインバックルの片割れ「コマンドキャノンバックル」が解放された


『TWIN SET』


そして取り外せたバックルを、ドライバーにセット


『TAKE OFF COMPLETE JET AND CANNON』

『READY FIGHT』


ギーツコマンドフォームに変身完了である。


「凄ぇなこれ…!」


英寿はもちろん驚き。


「えっ遠目に見えたけど何あれ⁉︎ スマートさもある中に確かな力強さを感じる重厚感溢れるスーツ…悪くないデザインだわ!」

「ロボット! シンプルにトレーナーさんがカッコいい…!」


近寄りながら流し目に見るクラウンも、近くでがっつり見ていたキタサンも感嘆、それほどまでによくできたデザインだった。


さらにリボルブオン、コマンドフォーム キャノンモードに

砲撃とレイジングソードでの攻撃でジャマトライダーを圧倒


『LOCK ON』

『コマンドツインビクトリー』


「ジャアアアアッ!!!???」


強力なビーム砲で、ジャマトライダーを撃破。

ジャマトバックルごと かき消したのだった。


「まっ、喧しいし眩しいですぅ〜…⁉︎」

「大丈夫か、キタ? 確かに破壊力がありすぎだな」


ちなみにキタサンは光線の眩さに一時的に目をやられたのか、明らかに疲労していた。

そしてドライバーも当然転がり落ちた



「ありがとう。これも…?」

「浮世トレーナーに送られたものなのにいいんですか?」


まだ英寿は約束通り、借りたドライバーと手持ちのバックルを全部景和に渡していた。


「ああ。感謝するのはこっちのほうだ」

「トレーナーさんはこういうところで律儀だから気にしなくて大丈夫ですよ!」


景和は困惑しつつもそれを受け取り、その間に英寿はドライバーを取ろうと近寄るも。


そして、ジャマトに奪われていたベルトだが────道長が拾い上げた。


「!」


「このドライバーは俺のもんだ」

「ミッチー(吾妻トレーナー)⁉︎」


バッファのマークが表示され、同時に驚くキタサン&クラウン。

まさかそんなことを道長がするとは思ってもみなかったからだ。


「イス取りゲームってのは早いもん勝ちだろ?」

「晴家トレーナー…!」


入れ知恵はもちろんウィンが行った。


「勝たなきゃ意味ねえんだ。ルール違反したわけじゃなし、そうかっかすんなよキタちゃんにクラウンちゃん?」

「そうですけど…ッ、自分でやれば良かったじゃないですか!」


わざわざ道長にやらせる必要はなかった。その通りではあるが。


「…浮世トレーナーを蹴落とすのに使えるから使った、そういう認識なんでしょ?」

「そうだな」


道長が以前から英寿にライバル心を抱いていたのはもちろん知っていた。

今回はそれを利用した形である。


「不好的回味…私貴方のこと嫌いだわ、単純に」

「どうも」


なのでクラウンも勝敗自体はともかく、ウィンのことは個人的に嫌いだと判断していた


「あのアイテムを転送したのはお前か」

「ギーツのサポーターからの入れ知恵さ。それにゲームマスターがゲームの勝敗に直接介入するのは、やらせ以外の何者でもない」


ギロリはニラムと怒り気味に話している。先程コマンドツインバックルを手配したのも彼だ。

実はデザイアグランプリではギロリよりは上の役職だったりする。


「そんな事実は無い。プレイヤー同士が勝手にやっているだけだ!」

「本当に?」


そして話自体はギロリがあくまでプレイヤーに非を転嫁しており、その意味で平行線だった。


「いいから余計な手出しはするな!」


そして電話を強制的に切り、打ち止めとしたのだった。

ニラムはデザイアグランプリの運営幹部のようで、ゲームマスターと対立してるのか?


その頃赤い帽子の少女は2本のドライバーをジャマトに与え、2体のジャマトはジャマトライダーに変身していた。



「待って。今ドライバーを持ってるのは…」

「俺たち3人」

「じゃあ浮世トレーナーは…」

「祢音ちゃんたちと違って…」

「落ちるわね、このままじゃ…」


そしてこのままでは脱落するのは英寿とウィン。誰の目にも明らかだった。


「このままでは、浮世英寿様と晴家ウィン様は脱落となります」

「なんとかするならしてみせなさいよ?」

「そ、そんなあ⁉︎」


ツムリもスイープも敢えて冷静にナビゲーターとサブナビゲーターらしく振る舞う。

キタサンはもちろん事実とはいえショックを受け、そして────


「……!」

(狙い通りだ)


どうやら英寿の目はまだ死んでおらず、さらに先を見据えているようだった。打開策かは分からないが。


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