彼女は

彼女は

先代デボラさん概念




彼女の船が残っていたから嫌な予感がしたが……逃げ遅れたようだ。既に事切れているのは明らかだった。


「生存者は…」


「……残念ですが、貴方を含めてもまだ2人だけです」


海軍が生存者の捜索をしているが、見つかるのは遺体と遺品ばかり。遺体が残っていることですら幸運という有り様だ。


「では、回収は彼女が最後です」


「……そうか」


「ッ!!」


少女が走ってきた。ウタだ。


「………」


ウタは立ち尽くした。この子は賢いから目の前のものが誰かなのか、どうなったのかはもう理解“してしまった”ようだ。


「……ねェ。……起きてよ!」


(2人は友人だったのですか?)


(ああ。出会って数日だが、エレジアの中ではこの子とかなり親しかった)


「ねェってば!!」


いくら揺すっても彼女は動かない。分かっているだろうウタ。彼女は死んだ。


「お嬢ちゃん。その人はもう……」


見かねた海兵が声をかけてようやくウタは止まった。人から突きつけられたのが応えたのか、涙が溢れ出てきている。


「あああ〜〜〜!!!シャンクスのバカああああああ!!!」


「くそッ…何て奴等だ……!!こんな少女から全てを!!」


海兵はウタに共感して涙を流してくれている。だが違うんだ。その怒りを向けられるべきなのは私なんだ……!

(11年後)


新型の電伝虫という思わぬ幸運もあってウタはすっかり立ち直ってくれた。ここへ来てすぐの頃のような明るさを取り戻して元気に配信活動をしている。


……ただ、海賊の話を聞くと露骨に不機嫌になってしまう。特に“赤髪海賊団”が目や耳に入ると。


「ゴードン、何で海賊ってあんな奴等ばっかりなんだろうね。“赤髪海賊団”みたいに」


シャンクス、君が望んだ通りだ。だが私はとても見ていられない。

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