裏の貌
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女を抱くなど、簡単な事。
数時間あればお互いに満足する。
数十分あれば自分だけ。
相手は一夜の思い出を糧に生きてるけれども、自分ときたら相手を思い返すことも そう無ければ、あまり執着をしない。
別に女がとりわけ大好きで性癖というわけではないが、男が嫌いである以上は枕を共にする相手が女であっただけだ。
幸いにも、容姿の為に相手に困ったことは無い。
この自分に触れられたい女は少なくは無い。
即位前はこの美貌のせいで、実際多くの女に寝込みを襲われたことがある。
最初は背中の印を見られまいと、必死で返り討ちにしていた。
襲ってくる女など、片っ端から石にしてしまえばいい。
実際気が向かない時は石にして、一晩の安息を得ていた。
しかし、自分の中に昏い肉欲が渦巻いている時だけは、寝床に勝手に入って身体を押し付けてくる女を気まぐれに組み伏せ押し倒し、弱々しく果てた相手に身体を触れさせる事もあった。
その為、皇帝として即位するまでの間に女の悦ばせ方も身についた。
近年では蛇姫様は氷のようになってしまわれた。
そう囁かれるのも無理は無い。
即位後は気まぐれに周囲の女を抱いていたが、誰が寝所に呼ばれた、呼ばれてないなど、女達の間で諍いが絶えなくなった。
それに嫌気がさして、誰も寝所に寄せ付けなくなったためだろう。
近年は後腐れのない女で欲を満たした。
略奪した船にいた女などは丁度いいカモだ。
用済みになれば船員に下げて、その後は預かり知らないし、興味が無かったし、実際二度と顔を合わせることも無かった。
周囲の誰にも気を許さない顔をしていたが、その実、行きずりの二度と顔を合わさぬ女の肌には耽溺した。
気まぐれに抱いたり、あるいは抱かれたり。
どうしようも無い劣情に襲われた時に、皇帝たる自分が一人で惨めに慰めることは我慢ならなかった。
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九蛇の旗をみれば、船は見捨てられ、船員は恐怖にかられてボートで逃げだす。
その噂を知らぬ愚かな海賊だか商船だかを襲う。
積荷にしか興味が無いが、今日はなんとなく身体が疼いた。
あぁ、月の周期でも近いのだろうとため息をつく。
音のない林のように、かつて人だった石像が突っ立っている中、一人の女の石像が目に付いた。
九蛇の船員に命じ、略奪品を船まで運ぶ時に、一緒に船室まで運ばせた。
石化を解き、少し顔を近づけ、じっと見つめるだけで、先程まで恐怖に怯えて何かを喚いていた女は胸を高鳴らせ、頬を紅潮させて押し黙った。
恥知らず、と心の中で吐き捨てる。
この女以外の船員は皆物言わぬ石像にされ、船ごと永久に漂流することとなり、自身は恐ろしい九蛇の海賊船に訳も分からず拉致されたというのに。
目の前の女の顔がどんな容姿か覚えていない。
ただ、期待したように、薄く開いた唇から濡れた赤い舌を、いやらしく覗かせていたことを覚えている。
舌なめずりをして、頬を撫で、噛み付くように一瞬で唇を奪った。
舌を差し入れてやると、女は一瞬で身体を歓喜に跳ねさせ、赤子のように吸い付いてくる。
唇を離すと、くらりと女はその場にへたりこんだ。
椅子のようになったサロメに浅く腰掛けて、目の前の発情しきった女を見下ろす。
初めて会うのに見慣れた表情をしている。
崇拝、畏敬、激しい欲情が入り交じる、蕩けた女のかお。
女としての本能が狂ったように、女に対して発情せしめる様を見て、つまらなそうに鼻をならすが、態度とは裏腹に身体が熱を帯びて昂るのは否定できない。
足元に這い寄ってきた女の首の後ろをふくらはぎで引っ掛け、足の間に女の顔を引き寄せる。
「舐めよ。上手にできたら、抱いてやる」
要件はそれだけだった。
睥睨し、冷たい声で命じたのに、見知らぬ女は悦びに興奮し、息も荒げて伸ばした赤い舌を、熱くぬるめく肉に沈めて啜り貪った。
「っ!!……す、少しは……っ!慎みを覚えよ……っ!飢えた犬でも……あるまいにっ!」
快楽に仰け反って天を仰ぐ。
誰にも見せられない程に はしたなく熱を帯びた自分の声と、貌と、身体は、いつも見知らぬ女にしか見せられなかった。
終
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蛇姫様は世界一美しいから一般人の顔の作りに興味無さそう。
表情にしか興味無さそう。
こういう我儘蛇姫様の傲慢で薄暗くて欲望どろっとした文章は息をするように妄想して早めに書けるんだけど、🥗ルフィちゃんとの甘々百合えっちの文章の筆が死ぬほど遅いのが悩み。
🥗ルフィはインスタントに抱けない(戒め)