【閲覧注意】衒えなかった奇
「……ふう。」
ベッドに腰掛け、床までつくような長髪をした可憐な少年は小さく息を吐く。
秘密の多い恋人に、夜伽の場くらいは自分にしか見せない顔を見せて欲しい。そんな思いからエッチな本で勉強をしようと思ったのだが……結局皆が真面目に仕事をしている中、自分一人がエッチな本を読みふけるのは己の良心が許さなかったのである。
「幸せが逃げてしまいますよ?」
隣に腰掛けた少年の恋人、白髪の少女はクスリと笑う。
「……私の方から追いかけますもん。」
「ふふ……そうですか、私も嬉しいです。」
少年は唇を少し突き出して答え、少女は自分のことのように喜ぶ。その様子は二人の関係性を示していた。
「今日は私がリードしますから。」
「はい、お願いします。」
少年は宣言し、少女が返答する。もう何度かまぐわった二人ではあったが、情動に任せずこのように確認する辺りは二人の真面目さが隠しきれていない。
「では……」
少年は、少女より小さな体躯で相手を抱き寄せ。
「ん……」
二人の唇は触れ合った。
「ちゅ……じゅる……」
「ん……はぁ……」
そのまま舌を絡ませ合う二人。視線を交わし、小さく音を立てながら深いキスは続く。
「ん……ちゅ……」
「はふぅ……じゅく……」
「ちゅ……ちゅく……ふう………」
「……ん………長かった、ですね……。」
二人はようやく口を離す。間にかかった透明の橋が切れ、頬に赤みのさした少女が感想を口にする。
「それは、その……。あ、いや。いいんですそんなことは。押し倒しますからね!」
生真面目に返答しようとするが、それではいつもと変わらない。そう気づいた少年は一声かけて少女を押し倒したし、当然少女はそのいじらしさに笑っていた。
「結構強引にシます。嫌だったらその……2回たたいてください。」
「分かりました。……それにしても、何処で学んだのです?」
そんな知識を、と少女は問う。……多分あなたと同じころに、と少年は返す。
沈黙。
そして、少年はもう一度少女の唇を奪った。
また深いキスを繰り返しながら、少年のしなやかな指が少女の胸をカリカリと触れる。服の上からのもどかしい刺激に少女は声を漏らすが、それ以上の言葉は紡げない。
ちゅ、ちゅく。かり、かり。じゅ、ちゅっ。かり、かり。
ちゅ、ちゅく。かり、かり。じゅ、ちゅっ。かり、かり。
ちゅ、ちゅく。かり、かり。じゅ、ちゅっ。かり、かり。
少年の背中が軽く1度叩かれたところで、少年はようやく口を離す。
「……強引に、って言ったのに……優しすぎますよ……。」
赤くなった少女が耐えきれないように漏らす。
「ご、ごめんなさい……。」
つい謝る少年。
「……そこで謝るから、レンはレンなんです……。」
「……下の方も……お願い……します。」
少女は少年の名を呼び希った。
「ゴム付けますね……!」
二人は学生の身であり、避妊の重要性はよく知っている。この先の展開を想像して、少年は一度席を立つ。
「はい、お願いします。」
少女もそれ自体を咎めることはなかった。
「んっ……。はぁ………ふうっ……。」
しかし衣擦れの音、そして水音がする。少女が自らを慰める音ともいう。
「~~~~~っ!!」
顔を真っ赤にする少年。
「ふぅ……ふぅ……準備は、できましたか?」
「……出来ましたよ!!」
足を広げた少女に煽られ、少年は少女の上に伸し掛かった。
「ん、んんっ……はふぅ………」
「ううっ……あ、あったかい……」
少女の、サクラコの中に慣れた調子で挿入するレン。その発言とのギャップがすさまじい。
「……じゃないです、いいですね!?でもない……動きます!!」
自分でも童貞臭いと思ったのか、宣言して動き出す。両腕を伸ばし、サクラコと胸を合わさずに自らの上半身を支え、腰に重みをかけて深く突き入れる。
「あっ、はあっ……!レン、あっ……!」
どちらかと言えば控えめなサイズのそれは、しかし弱点を抉り、
また適度な締め付けのある膣内は、レンから理性を奪う。
「レン……んんっ……あっ、は、んぅっ」
「んちゅ、ちゅく、ちゅ……んっ……!」
口づけする二人。震え出すサクラコの膣中とレンの男性器。
何方ともつかない吐息と、腰を打ち付け合う音の中、サクラコはレンの背に手を回し、二人の体は密着して。
「「~~~~~~~~っ!!!」」
一度。大きく震えた。
「……はぁ………はぁ………」
「ふう……ぁ……」
余韻に浸る中、レンが先に息を整え、サクラコの上から退こうとするが抱き留められる。
「……もう少し、このままで………。」
「………はい。」
少年は自分の小柄さに感謝した。