血溜ブルーデイズ

血溜ブルーデイズ

血と光に塗れた青の話

暗い闇に塗れた森の中、呪術師たちが練り歩いている。

「おい、もう一時間だ何も手掛かりが見つからないなんて変じゃないか?」

「すまない… どうも残穢が交錯していてな」

「まあしょうがないな、なんせあの白紫山だ」

白紫山 

標高1500メートルの山であり、全く整備が追いついていないため、大量の呪霊が生まれることで有名な山だ。ある廃村も多く、中には呪詛師集団御拠点もあると呼ばれている。

彼らはその山である呪詛師を探していた

「警戒しろよ?呪霊もたくさん沸いている」

「ああわかっt」

そのうち1人が返事をしようとした瞬間、口から血をはいて倒れた

「!? おい!黒井、起きろ!加茂!生死の確に…ん…」

男はまた他の味方に指示を出そうと振り返る…が



そこには血を流して倒れている同僚たちがいた

「は…?」一瞬の困惑その瞬間にその男は意識を失った

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「また、この案件か…」

ある日本家屋の中で青年がスーツの青年と話している

青年は青い髪をわしゃわしゃとやりながら

「調査した奴らが全滅って…私にどうしろっていうんですか…」

と愚痴る

「仕方ないよ、廻さん。政も美樹もまだ未熟。他の術師に頼むには力不足

やっぱり、“実績“のある廻さんじゃないと」

スーツの青年ー坂野 武蔵は青髪の男ー坂野廻にそう答える。

ここは坂野家、由緒正しき呪術家系である。

「それに…この案件は政が関わらないほうがいいと思うんだよ」

「…やっぱり、その可能性がある以上はそうですよね」

そうやって彼らは“ある案件“について話していた


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白紫山周辺における呪術師の怪死について

最近、呪術師たちの間で恐れられている事件である…

以前、この山を根城にしていた呪詛師集団「悠久」の壊滅後から

起き始めた事件…

呪術師が怪死するなんてことは珍しくない

元々、呪霊を相手にする以上、凄惨な死は日常茶飯事だ

ただ、この事件の最も恐ろしい点

それは生存者がいないこと

そして…

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「何話してんの!武蔵!廻!」

いきなり声をかけられ2人はビクッとして振り返る

そこにはピンク髪の少女が仁王立ちしていた

「…なんだ美樹か」

「靄…あっちで遊んでなかったの?」

武蔵は呆れ顔でそう言い、廻は美樹の後ろで「アハハ…」

と笑っていた女性に話しかけた

「ごめんねー…どうしてもってきかなくて…」

「まあ、いいけどさ。…政くんも隠れてないで出てきなさい」

その廻の呼びかけに応じてひょっこりと緑が身の少年が出てくる

「見つかっちゃった」

「あんた隠れ切りなさいよ!」

「いや、もう見つかってるから無意味だよお姉ちゃん」

「根性で隠れ切りなさい!」

「まあまあ…もうすぐお昼ご飯だよ」

「やった!ご飯ご飯!」

「ちょっと政!お姉ちゃんのいうこと聞きなさい!!!」

廻と武蔵はいつものように、ワイワイガヤガヤとし始めた坂野家を見て、

「ここでこの話は血生臭いですね」

「まあ、だいたい資料の通りだから大丈夫だよ。あの案件はよろしく廻さん」

「…わかりましたよ」

そう言って2人もまた食事処へと向かった…

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夜 白紫山にて

坂野廻は

「ふー…やっぱり多いですね」

血溜まりの中に立っていた

傍には血を首から吹き出しているチンピラたちがいた

ざっと15.6人入るだろうか

このチンピラたちも準2級の呪術師レベルの能力はあるのだ。

だが、青髪の悪魔には敵わない


呪詛師専門の暗殺者 1級術師 坂野廻

かつて、妻の鹿野 靄と共に呪詛師集団「悠久」を壊滅させ

一時期話題になっていた呪詛師マッドマッダーに深傷を負わせた人物

現在、呪詛師たちの間で最も恐れられている人物である


青い髪を血で汚しながらも調査を進める

「まだ残党が多いな…」

そう言いながら流れ作業のように呪詛師を殺していく

刀で首を切り 手刀で腹を貫き、血溜まりを作りながら歩いていく


そんな流れ作業の中



急襲が行われた


「めんどくさいですね!」

後方から襲ってきた呪詛師に対して手で受ける…が変則的な動きで避けられ

腹に一撃をもらう…胃酸の酸っぱい味が口内に染み出してきた

「ングッ… (こいつ…あの案件の犯人か?)」

明らかに慣れている相手とのオス臭が始まる…

廻がすぐに太刀で切り掛かると相手はすばしっこい動きで惑わし

避けていく

さらにナイフとワイヤーのカウンター付きである

だが、そこは流石に百戦錬磨の坂野廻それらを全て切り

突っ込んでいく

「これで終わりです」

「…」

そうして、太刀で首を切ろうとした瞬間に気づく違和感







太刀がない 





致命的な隙を晒した廻に呪詛師の凶刃が迫る


(まずい!やらかした!彼ならそれができる!)








パンッ!



一発の銃声が響き、呪詛師がその場にうずくまった




「「…は?」」

呪詛師と廻の声が被った

何故ならそこに


坂野政がいたからである

「ちっ…」舌打ちをし、呪詛師は一瞬で姿を消した

残されたのは廻と政だけである

「政くん!危険だから来ちゃダメだと言いましたよね!」

廻はそう言って政を叱る

「でも…


でも廻くんが死んだら悲しいから」

「…いつもはついてこないのに?」

「武蔵兄がいってたのを聞いて…今回は危険だって」

「ちゃんと対策はしてますよ…ほら」

廻は呆れ顔で服を捲る中には呪符だの防弾チョッキだの色々

つけてあった。

どこか奇妙に見えて政は微笑む、がすぐに笑いを収めてこう聞く

「それに、もしかしたらって思って」

「…政くん、自力で気づいたんですか?」

「…いや、禅院くんの力も借りたよ 資料を見るために」

血溜まりの中 青髪の青年とと翠髪の少年は語らう

どちらの目にも光を点さずに…

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白紫山周辺における呪術師の怪死について

最近、呪術師たちの間で恐れられている事件である…

以前、この山を根城にしていた呪詛師集団「悠久」の壊滅後から

起き始めた事件…

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「「悠久」が壊滅したのは凛ヶ華先輩が自殺した1ヶ月後だ」






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呪術師が怪死するなんてことは珍しくない

元々、呪霊を相手にする以上、凄惨な死は日常茶飯事だ

ただ、この事件の最も恐ろしい点 それは生存者がいないこと

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「この事件を引き起こした呪詛師って」








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そして、武器と心臓そして所持品がなんの痕跡もなく

消えていることである

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「紫苑だよね 廻くん」


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