虚圏激震 強襲!妹と息子
紅衣・メメのスレ主見えざる帝国にてある決定がなされた。虚圏へと向かうメンバーである。
無論、ヨルダ率いる分隊による制圧が予定されていたのだが...
『兄様、私もここでただ座して待つというのはあまりよろしいこととは思いませんの』
妹君ことマグダレーナ嬢がユーハバッハに詰め寄っていた...一次侵攻の準備の最中であったが正直ハト派というべきか平和主義に近いマグダレーナをどう御するかがユーハバッハの悩みであった。
そこで白羽の矢が立ったのが息子ことヨルダである。彼は無意味な殺生はせず此度の虚圏制圧においても平和的ないし圧倒的な力を見せつけて抑圧するくらいで済むだろうと踏んだため分隊に組み入れるように命令したのだ。
誤算があるとすればその二人は相性がかなり悪いことぐらいである。実際致命的。
虚圏にてロケバスが砂漠を進んでいる...中には数人が重苦しい空気を感じながら覚悟を決めていた。約一名車酔いで吐きそうな者もいるが…
『ロロ...吐くなら一度外に放り投げるぞ』
『ウルキオラ様...!そんな殺生な!』
吐いたらこの一帯が嘔吐に巻き込まれるので必要な処置である。実際他意はない。
「しかし、滅却師か...どうやら死神のいざこざにでも巻き込まれつつあるのかねぇ...」
メメは運転しつつ既に聞き及んだ報告を諳んじる、やれハリベルがあちらに付いたとか敵は相当強力な霊圧だの...みんな顔真っ青で報告に来るものだから自分まで怖くなってくるもんである。
「他の車両は問題なくついてきてるかな、バナナイカボートちゃん?」
『ズババッとOKだよ。みんなビューンって感じ』「あらそう?じゃあこのまま進みますか」
この子はポジション0(セロ)いわばアイドルの総隊長的存在である。
さて、ここからは総力戦である。主に"戦わない"ために全力を尽くす戦いだ
マグダレーナは...疲れていた。病み上がりに砂漠を闊歩しているのだから当然であるのだが...虚圏に憩いの場などなくただ次の目的地を目指して歩くのみであった。
『エル そのアイドル街?という所まではどれほどかかる?』
『恐らく2日はかかるかと思います、ヨルダ様』
マグダレーナは絶望した。ふかふかのベットも兄様の慰めもないこの地獄が2日も続くというのだから...
『どこかにオアシスとかないのかしら...砂漠なのですし』
『そんなものあるわけがありませんねぇ』とはキルゲの言である。
すると何やら奇怪なものが目に入ってきた、妙にキラキラしたステージに雛壇のようにずらされて設置された椅子、そしてデカいカメラやマイクetc...どこかで聞いたテレビ番組のセットのようであった。
『お早いお着きで何よりです!さて、本日の特番のゲストはこの滅却師の方たちです!拍手~!』
疲労で訳の分からない白昼夢を見せられているのか...幻術の類なのか?しかし椅子に座れることは嬉しいのでいの一番に座るマグダレーナであった。
そうして放った第一声は『固いわこの椅子...あと背もたれもないわ...』である
(奴らは一体何を考えている)
ヨルダは相手の真意を読めずにいた。砂漠のど真ん中でテレビ中継のようなことをし始め滅却師であるヨルダたちを快く迎えた...どう考えてもおかしいのである。
『「何やってんだこいつら」と思っている滅却師の皆さんにご説明しましょう!...あとスタッフはお菓子とかお腹減っているようだったらスシでも渡してあげて、あとお嬢様っぽい子にはマッサージチェアにでも座らせてあげて』
『お菓子は和菓子がいいわ!』『スシかぁ...腹減ったなぁ』
外野が騒がしいがどうやらもてなしてはくれるようだ。毒の類があればすぐにでも...
『...さて、まず質問。自分たちは死神と同盟を組んでいるけどお主たちは死神とはどういう関係なの?』
「そうだな...滅却師としては死神は敵だ。僕個人は置いておいてね」
『わぁ...複雑そうですね。じゃあ自分たちとは敵な訳だ』
周りを見れば顔色が悪い音声さんやオレンジの仮面を被ったカメラマン。遠くではスシにワサビを潜影蛇手しているヤツがいる...霊圧はまちまちだが何も出来ないものは居ないだろう
『正直に言いましょう!自分たちはお主たちと戦っても勝てない!多少怪我をさせることが出来るころには全滅するだろうね。』
「ならどうする。降伏をするためにこの場を用意したのか?」
司会を務めている男は待ってましたと言わんばかりにスタッフに手で指示をする
モニターには『白熱!アイドル五番勝負!』というテロップが映し出されていた。
次回!交渉 血が流れぬための戦い
次回も見てくれよな!
※マグダレーナさんは多量の和菓子によってお腹がいっぱいになり疲労も相まって寝始めている...!
※リルトットはこの間ずっとバイオスシを食べ続けている...!