(藤丸君が)NTR特異点冬木 プロローグ後編

(藤丸君が)NTR特異点冬木 プロローグ後編


ユウイチ


「すいません! 遅れました!」


「遅いわよ! 私が呼んだならすぐに来なさいよ立夏!」


数分後、身支度を終えた立夏は慌てて中央管理室にやってきたが、遅れてやってきたことに、赤ん坊を背負った銀髪の女性……オルガマリー・F・アムニスフィアは腕を組んでタワワに実った大きな胸を持ち上げながら怒っていた。


「ふ、ふえええ…」


「あ、ごめんね〜ディリアちゃんを怒ったわけじゃないのよ〜遅れてきたパパを怒ってるだけだからね〜」


大声を出されてオルガマリーが背負っていた赤ん坊、立夏とオルガマリーの娘、ディリア・F・アムニスフィアが驚いて泣き出してしまったため、オルガマリーは慌ててディリアをあやす。


原作では亡くなっているオルガマリー、この世界では奇跡的に生存したのだった。だが、カルデアスが燃えたこと、数名のマスター候補を除くマスター候補が昏睡状態に陥ったこと、そして、レフ・ライノワールの裏切り……彼女のメンタルはボロボロになった。そんな彼女を立夏は支えたのだった。


泣きじゃくる彼女に胸を貸し、理不尽な罵倒も聞いてただ頭を撫でて彼女を受け入れた。やがて彼に依存するようになり、体を重ねることにもなる。そして、しばらくすると、妊娠していることが判明した。妊娠しても慌てることはせず、出産経験のあるサーヴァントにアドバイスをもらったり、医療スタッフや女性職員の助けもあって、妊娠中期まで仕事を続けながら何とか出産することができた。


子供を産んで強くなったのか、彼女はある程度のことでは動じなくなってきた。


人理を修復して亜種特異点も解決した後、タマモヴィッチ・コヤンスカヤとラスプーチンが率いる異星の神の軍勢による襲撃……あるマスターによって察知していた彼女はレオナルド・ダヴィンチやホームズの力を借りて被害を最小限に抑えて脱出することに成功している。


まあ、何故か地球大統領を名乗る存在を見たときはキャパオーバーしたのか、気絶していたが……


「ごめん、ちょっとシャワー浴びてたら時間かかっちゃって……」


「ふんっ! どうせ、昨日、サーヴァント達を抱きつぶしてそのまま寝ちゃったんでしょ? 女にだらしないパパですね~ディリアちゃん?」


立夏はディリアの頬を撫でながらオルガマリーの機嫌を取ろうとしたが、逆効果だったようだ。


立夏の女性関係に不満のようだが、彼女一人では絶対に耐え切れないので本心ではないようだ。


「まあまあ、オルガちゃん落ち着いてりっくんも悪気があったわけじゃないんだし」


「そうね。女にだらしなくなかったらカルデア中の女に手出さないわよ。それに一人じゃ耐えられないんだし」


「そんなの分かってるわよ……あと、オルガちゃん言うな」


不機嫌そうなオルガマリーを宥めようとする二人の女性、オレンジ色の髪の活発そうな女性……藤丸立香……立夏と同姓同名で彼のことをりっくんと呼ぶ、カルデアのマスターの一人で立夏の嫁の一人だ。同姓同名ということで、仲良くなり、最初に訪れた特異点冬木で立夏に庇われたのを切っ掛けに彼に惚れたのだ。そして、魔術回路をつなげる関係でマシュとともに立夏に処女を捧げて彼の女になったのだ。


そして、もう一人の女性……黒色の腰まで届く長い髪の女性、芥ヒナコこと、虞美人である。初代所長であるマイズビリー・アムニスフィアにスカウトされマスターとなり、48人のマスターたちの中でも優秀なチーム、Aチームのメンバーになる。原作では爆発事故で冷凍睡眠状態になったが、もう一人のマスターとともに爆発で吹き飛ばされたが、軽症で人理修復には参加できたのだ。ただ、目覚めたとき、彼女の様子は変わっていて少し、動揺しているようだった。


立夏のことは最初はチラチラと見ているだけだったが、段々とコミュニケーションを取るようになった。頬を染めながら……彼女には生前、愛する夫がいた。中国の英雄、項羽。ある世界で彼女は夫と再会するために人理の敵となり、と敵対し、カルデアに敗れた後、項羽とまた会うために座に登録されたのだ。当時は知らなかったが、気絶したときに座にいた虞美人が彼女に記憶を与えていたのだ。彼女はその記憶をカルデアの面々を支えた。


そんな彼女が立夏のことをまるで愛しの相手、項羽を見ているかのように見るようになった。何故かは彼女にしか分からないが……ある日、立夏のマイルームを訪れた。その時、立夏が全裸で立夏の巨根をガン見してしまい、発情してしまい、彼を襲ってしまい……彼の巨根に快楽堕ちしてしまい、彼と肉体関係に落ちて……後に彼の妻になったのだ。


二人には共通していることがある。それは男好みの大きな胸と尻……それにお腹がポッコリと大きくなっている……つまり妊娠しているのだ。彼女たちだけではない。この場にいるスタッフの何人かは妊娠しているのだ。他にも部屋に待機してるサーヴァントや別のところで働いているスタッフの中にも妊娠している人が何人もいる。ちなみに、立香は3人目、虞美人は15人目を妊娠中である。マシュは二人出産している。


「ふふっ所長。そろそろ話を進めないと、ダヴィンチちゃんがしびれを切らすわよ」


「っ! 分かってるわよ。ダヴィンチ。説明をお願い」


三人のやり取りを見てくすりと笑う眼帯をつけた茶髪の女性、オフェリア・F・ファムルソローネ。本来なら彼女も爆発に巻き込まれて冷凍睡眠状態になり、最終的には人理の敵、クリプターとなり、自身の異聞帯でスルトとの戦いで大令呪を使い、命を落とすはずだったが、この世界では爆発事故のとき、虞美人同様、爆発で吹き飛ばされて気絶したが軽症で、人理修復には参加できたのだ。


そして、彼女も立夏の妻である。本来ならクリプターのリーダー、キリシュタリア・ヴォーダイムに忠誠を誓うはずだったが、この世界では魔術師としては一般人から毛が生えた程度だった立夏に魔術師とは何か教えたり、特異点で一生懸命戦う戦士としての顔を見ていくうちに彼に惚れて、彼の女になったのだ。そして、彼女も立夏の子を三人産んでいる。


「了解! 今回発生した特異点について説明するよ。今回発生した特異点は特異点F、日本の冬木市だ」


「冬木市……ですか」


オルガマリー所長に促されてカルデアの技術顧問、サーヴァントのレオナルド・ダヴィンチが今回の特異点について話し始める。


立夏はその場所を聞いて過去を思い出す。


立夏たちが訪れた初めての特異点……そこから立夏たちの冒険が始まった。立香オルガマリーとともに死にかけたり、マシュがデミサーヴァントとして覚醒し、魔力回路をつなげるために立香とマシュとセックスして回路をつないだ……そこから彼は絶倫に目覚めた……特異点のボスであったアルトリア・ペンドラゴン セイバーオルタを倒してその場でハメつぶしたり……特異点から帰った後、不安になっているオルガマリーや女性職員たちを抱いたり……サーヴァントを召喚したりもした。


オルレアンでは、オフェリアとともに向かい、聖女ジャンヌ・ダルクと出会い、道中であったマリーやエリザベート、清姫達とハメあったり、それをのぞき見して発情したオフェリアとジャンヌをハメて……敵であったカーミラやマルタ、アタランテをハメつぶして寝返りさせたり、倒したジャンヌ・オルタをハメつぶして快楽堕ちさせた。


セプテムでは、虞美人が同行して、ローマ皇帝ネロ・クラウディアスと出会い、途中、出会ったステンノ、タマモキャット、荊軻、ブーティカとハメあい……倒したアステラさえもハメつぶした。最後、戦いの褒美と称してネロと朝まで交わった。そして帰還した後……ネロを召喚した時、ネロとそっくりな黒髪の女性が召喚された。どうやら、ネロと交わった時、彼女が孕んでしまい、それが座に登録されてしまったらしい。この時、オルガマリーの妊娠も発覚した。


オケアノスでは、酒に酔ったフランシス・ドレイクに逆レイプされてハメつぶしてしまった。アステリオスを失って悲しんでいるエウリュアレを慰めたり、捕虜にしたアンボニーとメアリーリードを快楽尋問したりした。ロンドンではフランケンシュタインをハメたり、モードレッドに女の快楽を教えた。そして最後に戦ったアルトリア・ランサーオルタもハメつぶした。カルデアに召喚された玉藻の前と絆をはぐくんだりした。


イ・プルーリバス・ウナムではナイチンゲールに女の快楽を教えて、スカサハを快楽堕ちさせて、メイヴを分からせた。キャメロットでは敵として現れたモードレッドが立夏を見た瞬間、絶頂して来ていた鎧を脱いで全裸土下座で降伏したり、三蔵ちゃんが二人っきりのときに、それを咎めて逆にハメつぶしたり、獅子王を立夏の性槍で屈服させた。カルデアに帰還後はランサーオルタとランサーアルトリアと3Pを楽しんだ。


バビロニアでは牛若丸に新しい遊びを教えて……眠っているときにアンに逆レイプされたり、イシュタルを分からせたり、エレシュキガルといちゃらぶエッチをしたり、ケツァルコアトルと夜のルチャリブレをしたり、ゴルゴーンを圧倒的な雄力で服従させた。そして、ティアマト神を母から雌に堕として終末特異点に……


大切な人を亡くした終末特異点……心に空いた穴を埋めようと、立香とオルガマリーとマシュ、オフェリアと虞美人、と女性職員達と大乱交して、立香とオルガマリーとマシュ、オフェリアと虞美人の五人が同時に孕んでしまって微小特異点の修復などに支障が出たため、女性マスターが妊娠するときは一人、女性マスターが妊娠しないで不測の事態に備えることが決まった。


そして始まる亜種特異点の修正。新宿ではラブホテルでジャンヌ・オルタとアルトリア・オルタをハメつぶした。アガルタではダユーを堕とし、メスガギふーやちゃんを分からせたり、ペンテシレイアに女の快楽を教え込み、屈服させてアガルタを統一して、死にたくないシェヘラザードをお仕置きックスでハメ殺した。


下総の国では武蔵ちゃんと色々なところでしたり、おたまさんや姫君と楽しんだり……後日、カルデアに召喚された千代女には男を喜ばせる術は心得ておりますと言われたが、逆に喜ばしたり、加藤段蔵にはカラクリであろうと女の喜びが味わえることを教えて、巴御前は思い人がいなくて寂しい彼女を慰めたりした。



亜種特異点の修復を終えてしばらくした後、魔術協会の査問団がカルデアに訪れた。ゴルドルフ・ムジーク新所長やコヤンスカヤ女史。聖堂協会から派遣された言峰神父をはじめとするメンバーが訪れた。立夏はコヤンスカヤ女史一人に尋問されたが、そこでハニートラップを仕掛けられて……彼女を抱きつぶして気絶させてマシュたちの元に戻り、オフェリアと虞美人以外のAチームのメンバーの話を聞いていた。尋問と審議が終わり、深刻な凍結状態であった二人を除くAチームメンバーの蘇生作業をダヴィンチちゃんを始めとする技術班メンバー、オルガマリーとゴルドルフ新所長を始めとするメンバーが立会している中、カプセルが開くと……カプセルの中身は空だった。それと同時に謎の部隊と謎のサーヴァントの襲撃にあった。本来なら大半の職員が犠牲になるはずだった。


だが、座に登録されていた虞美人の記憶を得た虞美人がこのことを予見していて、オルガマリー、ダヴィンチちゃん共に対策を練っていたのだ。それに大半の女性サーヴァントが立夏と関係を持っていたため、カルデアに残っていたため、職員を守りながらカルデアを脱出することに成功した。それでも数人の職員の犠牲は出ることになったのだが……巨大虚数潜航艇ネオシャドウボーダー、最初期に考えられていたシャドウ・ボーダーではカルデアにいる職員を全員乗せることはできないので、新たに開発された巨大な潜航艇。機能はほぼシャドウ・ボーダーと変わらない。


脱出後、カルデアにAチームのリーダー、キリシュタリア・ヴォーダイムによる宣戦布告がされたクリプターと名乗った彼らに、カルデアのメンバーは驚いた。何故ならここにいるオフェリアと虞美人がクリプターのメンバーの中にいたのだから。後に知ったことだが、異星の神がキリシュタリアがAチームのみんなと挑みたかったという願いをかなえたために作ったコピーだった。


そして、ここから漂白された地球を救う物語が始まった。ロシアの異聞帯ではアタランテ・オルタと獣のように交わって、武蔵ちゃんと再会ックスを楽しみ、ツァーリと異聞帯のアナスタシアを倒して空想樹を切除した。


北欧異聞帯では、異聞帯で出会った少女、ゲルダに汎人類史の男女の交わりを教えて、ワルキューレも量産型ワルキューレもチンコで快楽堕ちさせて、炎の館で眠っていたブリュンヒルデも快楽で目覚めさせた。その後、招かれた城で熱さに弱い女神、スカサハ=スカディを体温でドロドロにした。もう一人のオフェリアが命を懸けたおかげで何とかスルトを倒すことができた。異聞帯が消滅するとともにゲルダも消滅するはずだったが、立夏と交わった影響か、汎人類史側に行くことができた。その後、彷徨海にいるシオン・エルトナム・ソカリスと合流して新たなカルデアを作った。


中国異聞帯では、魔力補給のため哪吒と荊軻、モードレッドとセックスしたり、解毒剤が欲しければおねだりしなさいといったコヤンスカヤを分からせた。カルデアの虞美人が立夏と恋仲になっていることに対してキレたもう一人の虞美人だが、項羽は二人の関係を認め、空想樹は切除した。


インド異聞帯では滑ったラクシュミーが偶然、立夏の巨根の上に落ちてそのまま……ペペロンチーノは立夏に恋するマシュとオフェリアと虞美人を見て楽しそうにしていた。


ギリシャ異聞帯のアトランティスではシャルロットと忘れられない恋をして……オリュンポスでは負傷していて魔力の足りないカイニスに魔力を注いだり、ぽルクスと何故か女体化しているカストロに人間のすごさを教え込んだり、明日におびえるアデーレを抱いて……エウロペの協力で何とかゼウスたちを倒したり、武蔵ちゃんとの悲しい別れがあった。そして、マカリオスにアデーレを託されて、アデーレもカルデア職員として働くことになった。そして、のちにカルデアに召喚されるエウロペとデメテル、アフロディーテも抱きつぶすことになる。


ブリテン異聞帯では記憶をなくしてさまよっていたら、アルトリアキャスターをマシュと勘違いして気絶するまで抱きつぶしたり……ベリルの前でバーヴァン・シーを抱いて快楽堕ちさせて、マシュと再会してイチャイチャした。バーゲストを抱きつぶして雌犬騎士に改名させたり、つよつよドラゴンであるメリュジーヌを分からせたり、ノクナレアに愛を教え込んた。そして、モルガンをベリルの前で離縁させイチャラブックスして……モルガンを嵌めようとしたオーロラをボコボコにしたら、奈落の穴に落ちてケルヌンノスが復活してしまい大変なことになってしまったが、みんなの力を合わせて何とか倒した。コーラルと、一夜の思い出を過ごしたおかげでコーラルもカルデアにやってきた。


南米特異点では、オルタ化したプロテア、紅閻魔、エレシュキガルが魔力不足だから魔力供給してくれと、彼女たちが満足するまでしたり、汎人類史がどんな風に繁殖しているか興味を持った地球大統領とククルカンに実践してみたり……ORT戦では何度も死にそうになりながら何とか倒せた。


その後も色々な特異点を攻略しながら地球の白紙化を解決した立夏たちは、チラホラ発生する特異点を解決するためにカルデアを再編成。オルガマリーをまた所長にして、時計塔から新たな人材を補充して新生カルデアを作ったのだ。新生カルデアの誕生時、男性職員はやめ、男性サーヴァントは一部を除いて退去しており、補充された職員も女性だけだった。


……話を冬木について戻そう。以前、もう一度立夏は特異点修正で訪れていた。そこは過去一度しか行われなかった聖杯戦争が三度開催されており、四度目の聖杯戦争に彼はロードエルメロイ三世とともに参戦したのだ。……まあ、そこでも彼はセイバーのマスターと彼女と同じ姿をした聖杯の人物を犯していたのだが……


「そうだよ。今回訪れる冬木市は以前訪れた特異点と似ているね。違う点は……今回訪れる特異点は過去四回聖杯戦争が行われているみたいなんだ。そして、五回目の聖杯戦争が行われようとしている」


「なるほど……俺たちはその聖杯戦争に参加して聖杯を獲得すればいいんですね?」


「うん、そうなんだけど……今回の特異点の人理定礎値はEXって出ているんだ……」


「EX……ですか?」


立夏は人理定礎値がEXと聞いて聞き返してしまっている。人理定礎値の最高はA+++、最低値はE-。EXなんて聞いたこともなかったからだ。


「うん……私も計り間違えかと思ったんだけど、何度見ても変わらなかった。現に同行可能サーヴァントも七騎の最大値になっている。これはその特異点がそれほど危険ってことなんだと思う」


「なるほど。じゃあ、俺とオフェリア……先輩とサーヴァントのみんなと出撃すればいいですね?」


「あーそれなんだけど、特異点に行けるマスターは藤丸君だけ見たい」


「はい?」


特異点にレイシフトするときはマスターは最低でも二人一組でレイシフトするのがいつものパターンだ。だが、今回はいつもと勝手が違うようだ。


「どうやら今回レイシフト適正があるマスターは男性だけみたいなんだよ。同行サーヴァントもエクストラクラス以外の七つのクラスのサーヴァントを一騎ずつ選ぶことが条件みたい」


「なるほど……今回は色々制限があるパターンですね……なら誰を選ぼうか……」


「それについては……シオン!」


どんな特異点かは分からない。だから本来ならサーヴァント選びには慎重にならないといけないのだが……オルガマリーはアトラス院から出向してきたシオン・エルトナム・ソカリスに話を振る。


異星の神達を相手に共に戦った彼女だが、彼女も立夏の女になり、何とか上を納得させてカルデアに出向してきたのだ。


「はいはーい! 電子演算装置・トリスメギストスⅢで計算した結果、この特異点と相性がいい七騎を算出しましたので、発表します。セイバー、ネロ・ブライド! アーチャー、巴御前! ランサー、ブリュンヒルデ! ライダー、ブーティカ! キャスター、スカサハ・スカディ! アサシン、マタハリ! バーサーカー、モルガン! 藤丸君はこの七騎でこの特異点を修復してください!」


シオンに呼ばれ、七騎のサーヴァントが中央管理室に入って来た。


「うぬ! 余を選んだとは見る目があるぞ! マスター、余が敵を薙ぎ払ってやるぞマスター!」


入って来たサーヴァント、一騎目はセイバー、花嫁衣装をまとった見目麗しいローマの皇帝、ネロ・クラウディウスこと、ネロ・ブライド。


「アーチャー、巴御前。ここに推参いたしました。旦那様である我がマスターに勝利を」


次に入って来たのはアーチャーのサーヴァント、巴御前。怪力で敵を投げ飛ばし、弓矢で敵を貫く。


「ランサー、ブリュンヒルデ。この槍、あなたに捧げます」


その次にやってきたのはランサーのサーヴァント、ブリュンヒルデ、オーディンの娘にして原初のルーンを使うワルキューレの長女である。


「ライダー、ブーティカ。お姉さんに任せて、マスター!」


ライダーのサーヴァント、ブリタニアの女王であるブーティカ。守りが得意なサーヴァントだ。


「キャスター、スカサハ=スカディ。我がルーンで貴殿の力になろう」


もとは異聞帯の出身、キャスターのサーヴァント。北欧神話である女神、スカディがスカサハの特性を取り込んだ神霊と英霊が合わさったハイサーヴァントのような存在であり、スカサハとは別人の存在である。



「サーヴァント、マタハリ。戦うことは苦手だけど……マスターのため、頑張るわ」


アサシンのサーヴァント、マタハリ、戦いは苦手だが、諜報活動が得意なサーヴァントである。ブーティカと同じく運命に翻弄された悲劇のヒロインである。


「バーサーカー、モルガン。本来なら私一人で十分ですが……仕方ありませんね。出陣しましょう。我が夫」


バーサーカーのサーヴァント、モルガン、かつてはブリテン異聞帯を収める女王だったが、ブリテン異聞帯を攻略しにきた立夏に絆され、立夏のサーヴァントとなったのだ。


ちなみに、カルデアにいる女性サーヴァントの殆が立夏の奥さんである。


「うん、みんな、よろしく!」


「作戦は理解したわね。マスター藤丸立夏、そして七騎のサーヴァントは冬木市にレイシフトして、特異点を修正する。ダヴィンチとシオンで特異点を解析、出来ればオフェリアをレイシフト出来るようにしたい。オフェリアは何かあった時のために待機、ほかの女性職員は立夏のフォロー! 藤丸と虞美人は医務室で待機してなさい! レイシフトは一時間後、準備するように! いいわね!」


『了解です!』


一緒にレイシフトするサーヴァントが決まったことで、オルガマリーは今後の予定を決めた。立夏たちは準備を始める。






一時間後、準備を終えた立夏たちはレイシフトをするためにコファインの前にいる。今はレイシフトする前に仲のいい人たちやサーヴァント達と出発前のやり取りをしている。


「メイヴ、娘のことを頼んだぞ」


「任せて! スカサハの娘ならお断りだけど……スカディの娘なら大歓迎よ!」


「みんな、申し訳ないけど……娘のことをお願いね」


「分かりました! お姉さまの娘さんは私たちで見ます!」


スカディはメイヴに、ブリュンヒルデはワルキューレに子供の面倒を頼んでいる。子供がいるサーヴァントやマスターがレイシフトするときは、仲のいいサーヴァントに面倒を見てもらうか、託児所にいるアタランテたちに預けるのだ。


離れたところではネロ・ブライドが玉藻に、巴御前が望月千代女に、ブーティカはゼノビアに子供の面倒を頼んでいた。


「お、お母様! わ、私もお母様と一緒に行きます!」


子供たちのことも頼み終えたので、特異点にレイシフトしようとしたその時、赤い髪の女性……モルガンの義理の娘、妖精騎士トリスタンことバーヴァン・シーが立夏たちの前に現れる。


「……バーヴァン・シー、あなたはカルデアで待機していなさい」


「っ! な、何故ですか!」


「あなたは母親になるんですよ? そんな体で戦えるんですか?」


モルガンはバーヴァン・シーに対して厳しいことを言うが……彼女の言っていることは間違っていなかった。


バーヴァン・シーのお腹は大きく膨れており……彼女は今、立夏の子供を妊娠しているのだ。


「た、戦えます! 敵を倒してお母様の役に立てます!」


「……自惚れないことです。そんな体で俊敏に動けますか? 人質に取られたらどうします? あなたのお腹には赤ん坊がいるんです。そのことをよく考えなさい」


「ううっ……」


モルガンは冷たい目でバーヴァン・シーのことを見る。思わずバーヴァン・シーは後ろに後ずさりをしてしまう。


「バーヴァン・シー、モルガンはさ、こう言いたいんだよ。お前は母親になるから戦いのことは気にせず、赤ん坊と自分の体を大切にしなさいって」


きついことを言ってしまうモルガンをそっと近づいてきた立夏がそっとフォローする。冷酷そうに見えるモルガンだが、本当は愛にあふれている人なのだ。


「う、うるせえ! そんなことは分かってるんだよ! ……お前もお母様と一緒に無事に帰って来いよ。この子の顔を見ないで死んだら許さないからな……」


「うん。絶対みんなと一緒に帰ってくるから待っててね」


立夏のフォローを聞いてバーヴァン・シーは顔を真っ赤にして、そっぽを向くが、お腹を撫でながら立夏のことも心配している。そんな彼女を見て、立夏は微笑んでいる。


「時間ね。みんな、コファインに入ってレイシフトするわよ」


「じゃあ、行ってきます。りっちゃん、虞美人、バーヴァン・シー、子供が生まれそうなのにそばに入れずにごめん。なるべく早く戻ってくるよ」


時計を見たオルガマリーに促されて、立夏はコファインに入る前に妊娠している妻たちに声をかける。


「気にしないでりっくん、気を付けてね」


「こちらのことは私たちにお任せください。旦那様の留守中は私たちが守ります」


「絶対死ぬんじゃねえぞ雑魚マス!」


三人は立夏の頬にキスをして、立夏たちはコファインに入っていく。そして、ほかの人物は部屋を出ていく。


『レイシフトスタートまで、10、9、8、7、6、5、4、3、2、1、レイシフトスタート!』


その音声とともに立夏たちの意識は途切れ、レイシフトしていく……








『●杯戦争冬木 人理定礎値●EX』


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