葬生前夜
__ある夜の事だった
満点の星空、山の中で育っていた彼女に取ってそれを眺めることは唯一の趣味だった果てしない黒とそこに煌めく星々。
朝、昼、夕の変幻自在の雲と空の色も素晴らしいが星空は格別だ。
母親に誕生日にと買ってもらった星座の本を持って意味も良くわからず照らし合わせようとする5歳といかない子供の毎夜の趣味。
そこで出会う、出会ってしまう。
運命か?宿命か?強いて言うのならば
呪い___
それもとびきり強力な
一雫、一滴で人を殺してしまうほどの
彼女は見た闇の中に星より遥かに魅力的で蠱惑的で何より頭から爪先までをゾグリと震わせるその一閃を
そして、ソレを振るう人物が振りまく気は大気を圧し潰し彼女の息を詰まらせた。
あぁ、あぁ何て_____
目が離せない忘れられる筈がない
そうだ………オレも
彼女が塗り潰される
彼女が溶け落ちる
少女、否幼女とも言える齢の女の人生は此処で喪われた。
そう、たった一夜の
たった一人の
極まった、ただの一振りが
彼女を呪い殺したのだ_____