英雄の陥落
コビーが「何人……あなた……オカシましタ……?」って首が折れてるんじゃないかってくらい曲げて笑っている。
現地の海軍も海賊も死闘を繰り広げてる中、同僚達に、叫ぶ。
「もう戦いはやめましょうよ!!」
「だってーーアハ、命が勿体ない、じゃないですか」
コビーは幼虫と卵で膨らんだお腹をさすりながら、蟲が分泌する物質の作用により、超がつく美少年と化した容姿で、同僚達に上目遣いで問う。
「ね、だから……もっと平和で愉しいこと、しませんか♡」
◆◆◆◆⚓︎
「ヘルメッポさーん!!」「あけてつかぁさい」「みんなこっちにいますよ」「あけてつかぁさい」
「ドール中将も、ドレークさんもようやくこっちに来てくれたんです」
「ほら、ヘルメッポさんだけ仲間外れにしたくないんです」「あけてつかぁさい」「開けてください」
「爆破装置なんてあぶないですよ」「あけてつかぁさい」「ここにはみんないます」
「あけろ、」「あけろ、」「あけろ、」
「怖いことなんて何にもありませんよ」
「…、頼む、頼むからバケモノども、これで、おれと一緒に死んでくれよ……!!おれも一緒に死ぬからさァ!!」
もはや、泣きそうとか怖いなんて感情は通り越してしまった。
自爆装置に手をかけるヘルメッポの心境はいかほどか。
共鳴するように、基地を闊歩する寄生された海兵たちの極彩色の瞳孔がぐるりと宙をむいた。