【自爆したハウンズ隊員の通信ログ】
『ハンドラーへ報告、作戦区域に"先生"及び複数名の生徒の侵入を確認しました。
現在の作戦進捗度は63%。
今、対処手順に従い撤退すれば、計画に大きな支障を来たすかと』
「……お前達を失うわけにはいかない、手順に従って撤退しろ」
『お言葉ですがハンドラー。
現段階での計画遅延は最悪、計画の破綻に繋がる危険性があります』
「では、605。
残り37%のタスクをどう処理するつもりだ」
『はい、ハンドラー。
全員のロストを前提に作戦行動を行えば、確実にタスク処理が可能です』
「……いや、それでは損耗が大きい」
『発言の意図が不明ですハンドラー。
私を含めた作戦行動中のハウンズ隊員は3名、アリウス隊員が6名です。
此れら全員が"ロスト"したとしても、計画遂行と引き換えと考えた場合、必要経費であると考えます』
「……他の者たちの意思を確認したのか?」
『この通信は他隊員も聞いております。
皆、私と同じ意見のようですが、如何なさいますかハンドラー?』
「…………作戦を、続行しろ。
ただし"生存を第一に"だ。場合によっては捕虜になっても構わない。
仕事を終えて、生きて帰ってこい」
『了解しましたハンドラー』
───【通信終了】