自己肯定感マシマシ道満VS悪しき獣リンボ 後編
取り合えず地獄界曼荼羅って言うたびにエグイプロレス技掛けられてると思っといて草木も寝静まる丑三つ時
蝋燭の仄かな明かりに照らされて、二人の美男が向かい合う様に座っていた
イライラとした様子を隠そうともしない男の名は、安倍晴明。京の都で随一と言われる、天才陰陽師である。そしてその向かいで正座させられている男が、蘆屋道満。安倍晴明の向こうを張る秀才陰陽師であり、播磨の美しき肉食獣を自称する怪僧だ
二人がこうして向かい合っているのは、何か艶めかしい展開があったと言う訳ではない
端的に表せば、親友の命と魂の尊厳の危機に駆けつけた男と、自身の親友がどのような気持ちでここに来たのかを理解した上でふざけ倒した男がいると言うだけ
つまり、怪僧・蘆屋道満は目の前の親友にバチクソに怒られていると言う訳である
「いやね? 確かに私も信じていたさ。お前と言うヤツが、あんな外道にそう簡単に呑まれる訳がないと信じていたとも。だが、だがね? 世の中にはやっていい事と悪い事があるだろう?」
「はぁ……」
「”はぁ……”って君ねぇ。……いや、もうこれ以上はよそう。とにかくお前が無事で良かった」
「ンンンンンン! ご心配お掛け致しました!」
「しかし、どうやってあの外道を退けたんだ? こういうのは何だが、あの外道は今のお前よりも強かっただろうに」
「ンンンンンン! それは勿論”絆の力”、と言う奴ですぞ!」
「絆って……。まぁいい、何があったか、委細隠さず教えて貰おうか」
「畏まりました! それでは……」
「忘れもしませぬ、あれは拙僧が悪しき拙僧・リンボと対面していた頃……」
「その説明必要か?」
〇〇〇
夜も更け日付が変わろうと言う頃、道満は丁度身支度を整え、眠りにつこうとしていた頃合いだった
普段着ている装束を畳み、簡素な寝間着に着替えて床に向かう。少しうつらうつらし始めた頭で、明日行うべき事柄の整理をしていた、その時である
「……何奴」
「ンンンンンン。流石儂よ、それなりに隠密の術式は編んで来たと言うのに儂に気づくとは」
濃密な邪気を感じて呟いてみれば、そこにいるのは自身の似姿
否、自身と断ずるにはいささか邪気と狂気に塗れ過ぎている男がそこに立っていた
「キャスター・リンボ」と道満に対して名乗ったその男は、勝手知ったる何とやらと言わんばかりに堂々とした佇まいで寝室に座った
無言の圧力で対面に座らされた道満に対して、リンボが語り掛ける
「儂は見ての通り、もう一人のお主よ。お主の影、真なる我と言うヤツだ」
「はぁ……」
「遠い世界よりお前の事を見ていたのだがなァ。あまりにも哀れで来てしまったわ」
そんな言葉をとは裏腹に、ちっとも憐れみを感じさせない表情で、リンボが言う
「……お前はこのままでは一生、安倍晴明には勝てぬぞ?」
鼓膜だけではなく、脳を直接揺さぶって来る様な不思議な口調で、リンボはそう語る
”お前は一生安倍晴明には勝てない”
それはかつてリンボ自身が味わった絶望であり、これから目の前の蘆屋道満が味わう絶望であった
何をやっても勝てず、越えれず、ただただ彼がもてはやされ、褒められ、星の様に輝き続けるのを、汚らわしい泥の中から見つめる事しか出来ないと言う現実。それは如何な苦痛よりもなお痛く、如何な恐怖よりもなお恐ろしい物
如何に多種多様な術式を編もうとも、如何な防壁にてその身を守ろうとも、心が、精神が折れてしまえば、後は如何様にも出来る
そう思ったが故の先の言葉であったのだが、目の前の男、蘆屋道満はリンボの予想の斜め上を行く言葉を返した
「はぁ、そうですか。それではおやすみなさい」
「ッ!? なっ、何が”そうですか”だ! 貴様は儂の話を聞いていなかったのか!?」
「聞いておりましたよ。拙僧では晴明殿に敵わないのでしょう? はいはい、応援かたじけなしですぞ~。ふぁふ……それでは、拙僧もう眠いので」
「寝るな!!!!! き、貴様は納得出来るのか!? 儂ではなくあの晴明ばかりが重宝され、もてはやされ、奴こそが善、奴こそが正義と言わんばかりの扱いを受けているのが! 誰に聞いても晴明、晴明とほざく愚か者共を苦しめてやりたいと思った事は無いのか!?」
「ンンンンン、納得も何も、それは人それぞれの好みと言うヤツでは? なぎこ殿の枕草子が好きな者もおれば、香子殿の書く源氏物語が好きな者もおります。それらを並べて”どちらが凄い?”などと聞こうものなら、人によって答えに差が出るのは当然でしょう」
「なっ!?」
「”その者は晴明殿が好き、かの者は拙僧が好き”、どちらも同じくらい素晴らしい事じゃありませんか。そこに違いはございません。ンンンソソンン、ちなみに拙僧は源氏物語派です」
「そ、そんな下らん書物と儂のあやつに対する憎悪を同列に扱うかッ!?」
「ソソソソソ。それ、聞いた人によっては激昂モノですぞ。お気を付けなされ。では、おやすみなさい」
「ンンンンンンンンンンンンンンンンンン!!!!!!!!!!」
髪を掻き毟りながら叫ぶリンボを他所に、本格的に道満は”寝の体勢”に入って行く
もう一人の自分とは、かくも愚かな者だったのかと内心激昂しながらも、リンボは諦める事なく、道満に囁き続けた
脳髄を揺さぶる様な声が、再び部屋に響く
「ならばこう考えてみよ。貴様の名が、栄光が、生きた証が未来永劫残るとしたらどうだ? あの憎き晴明の名は消え果て、名は愚か存在すら忘れられてもなお、貴様の名は語り継がれて行く。素晴らしきことだろう!?」
「ンンンンンン……」
「このままではお主の名は消える。歴史にも、人々の記憶にすら残らん。どこぞのドブ鼠が辛うじて貴様の事を覚えているかすらも怪しいのだぞ?」
「ンンンンンン、拙僧、は…………」
「ああ、そうだ! それは嫌だろう!? 誰からも忘れられ、思い出の中に、忘却の中に消えて行くのは!」
「拙僧は、拙僧は…………」
「言え! 儂を受け入れると! この儂と共に三千世界の全てを滅ぼし、数多の骸の上で呵々大笑するのだと! 誓え!!」
このような面倒な交渉事など、本来であれば不要であった
だが、遠い世界からやって来たばかりのその身は、限りなく霊体に近い物であり、容易に現世に影響を及ぼす事は出来ない。その世界に影響を及ぼすには、その世界に合った身体が必要なのだ
だがしかし、そのような事は最早考えずとも良くなった
”今度こそ目の前の男は己の糧となる”
そう確信したリンボが笑みを深める
これより起きんとする悲劇と惨劇を脳裏に浮かべながら笑みを浮かべるリンボに対し道満は、少し悩んだ後にこう答えた
「……拙僧は思い出にはなりませぬ」
「ンンンンンンンンンンンン!!!!!!!!!!」
最早埒が明かないと悟ったのか、道満の心臓を抉り取らんとリンボの鋭い爪先が煌めく
咄嗟にその腕を掴んだところで、力の差は歴然。徐々に、徐々に道満の胸元をリンボの爪先が貫き始めていた
得意の陰陽術で切り抜けようとも、ただ寝に入るだけだった道満の手には、最低限の符しか残っていない。それに万が一潤沢に符が揃っていたとしても、リンボの背後には悍ましい怪物が一騎、否、二騎も控えている
絶対絶命、万事休すとは正にこの事。ほんの数分も経たぬうちに、道満の心臓は抉られ、その骸はリンボの傀儡と成り果てるだろう
最早揺るがぬ勝利に酔いしれたリンボが、高らかに笑う
「ハーッハッハッハッ! 最初よりこうしてしまえばよかったのよ! 下らぬ問答など不要! こうして無理矢理こやつの魂を喰らってしまえば……」
だがそれでも道満の瞳から、光が失われる事はなかった
ぶるぶると震える両腕に更に力を籠め、自らを貫かんとするリンボの腕に伸ばした
何の呪術も陰陽術も仕掛けられていない、一見無駄な足掻きにしか見えないその行動にリンボが疑問を抱くよりも早く、道満はリンボの腕を掴み、力を籠める
そして……
「喰らえぃ! 地獄界曼荼羅!!」
「グギャァァァァァァッ!!!!!!!!!!!」
リンボの肘関節を、思い切りへし折った
バギリと言う痛ましい音と同時に、リンボの体勢が崩れる
あまりの激痛にリンボは悶えるがそれも数瞬、二言、三言リンボが呪詛を吐けば、瞬きの間にリンボの腕は元通りの形に戻っていた
しかし己の自惚れが原因とは言え、格下だと思っていた道満に傷を付けられたのが相当堪えたのか、最早怒りを隠せぬと言った様子でリンボが吠える
「貴様ッ! なんだあのふざけた技は! よもや儂の腕をへし折ろうなどとッ!!」
「ンンンン。渡辺綱殿と共同開発した、刀を振るわずとも敵を無力化する技法にて」
「よりにもよって、よりにもよって”地獄界曼荼羅”の名をあんな下らん技に付けるとはッ! いいだろう、貴様に真の地獄界曼荼羅を見せてやる!」
「無駄な能書きは隙を晒すだけですぞ! もう一度喰らえぃ!!」
「チィッ!」
再び自らに伸ばされた道満の腕から逃れる様に、リンボが距離を取る
(確かに、あの道満流・地獄界曼荼羅は脅威
だが、所詮は肉弾戦。こうして距離を取り、腕を掴まれぬ様にしながら
遠距離から式神を使えば、奴には手も足も出せまい!)
しかし、そんなリンボの予想から少し逸れる様に、道満の腕は下の方へ
……具体的にはリンボの膝関節の方へ伸ばされていた
距離を取ると言っても、そう広くはない室内では限度がある
リンボが道満の狙いに気づくよりも早く、彼の丸太の様な腕がリンボの膝を掴み、逃がさんとばかりに強く握り締める
そうしてその両腕に容赦なく力を籠めながら、道満は叫んだ
「地獄界曼荼羅ッ! 二式ィ!!」
「グギャァァァァァァッ!!!!!!!!!!!」
「拙僧の地獄界曼荼羅は、百八式までございまするぞ~~~!!!!!」
本日二度目の関節が折れる音が響く。ちなみに今回は両膝が折れる音だ
流石にこの激痛にはリンボも耐えきれなかったのか、無様に床を転がり回っていた
その隙に、道満は万が一に備えて屋敷中に隠していた呪符をかき集める
そうして時間が経つこと数十秒。リンボの膝が治るのと同時に、道満も屋敷中の呪符を集め終えていた
「「…………」」
まるで西部劇のワンシーンの様な静謐さと緊張感が二人の間を漂う
先に述べた様に、道満とリンボの力の差は歴然だ
リンボが道満に対して交渉の真似事をしていたのは、あくまで無駄な消耗を避けたかっただけであり、その気になれば、それなりの消耗を覚悟すれば、目の前の男を捻り潰す事など容易に可能なのだ
しかし、道満はあえて自ら静謐を破る様に一歩、また一歩と歩みを進める
だが手に携えた大量の呪符からして、自暴自棄になったが故の特攻と言う訳ではない
だが、明らかに何かを仕掛けようとしてくる道満を前にして、リンボは”警戒する価値無し”と判断した。仮にリンボ自身が知らぬ秘術で道満が立ち向かってこようとも、それを真正面から叩き潰せるだけの実力差が、二人の間にはあった
仮に先程の様なふざけた地獄界曼荼羅でリンボの骨を再度砕こうとも何度でも再生出来るリンボと、体力にも、気力にも、霊力にも限りのある道満ではどちらが有利かは言うまでもない
故にリンボは道満の攻撃を”あえて受ける”事にした
呪術か陰陽術か、それとも体術か。何を持って自身を倒そうとしているかは分からぬが、それをあえて受ける”フリ”をする。そして大技を外したその瞬間、彼の頭上に悪神チェルノボーグを召喚し、圧し潰す。その後は本家大元の地獄界曼荼羅を放ち〆、と言う訳だ
(この勝負、勝ったぞ!)
表面上では警戒する素振りを見せながらリンボはそう確信する
だがそんなリンボの心を揺さぶる様に、彼の視界を眩い光が掠めた
ほんの少し意識を逸らしてみれば、そこにあるのは珍妙な竹
ただ竹があるのなら分かる。装飾としておいていたのだろう
その竹が光っているのならまだ分かる。中をくり抜き蝋燭でも仕込んでいたのだろう
だがその竹がまるで極楽の光とでも言う様に、グルグルと虹色の光を漏らすと言うのは、誰が見ても尋常の物ではない
そのような尋常ではない物を実在させる方法と言えば、ただ一つ……
(幻術か……! おのれ、しゃらくさい事をする。だが見破ったぞ! 儂の目の前にいる道満は偽物! 本物はどこぞより儂の首を狙っているに違いないわッ!)
そう確信したリンボを後押しする様に、彼の後ろから”チリン”と鈴の音が鳴る
そしてそれと同時に漏れ出す生き物の気配
(愚かなり! かつての儂よ! 下らぬ時間稼ぎをする暇があったならば、逃げておればよかったものを!!)
最早考える事すら無意味
今すぐにでも愚かな選択をしたかつての己を殺してくれようぞと、リンボが目の前の道満から目を離した、その瞬間である
「余所見をォ!しましたねェエエエエエ悪しき拙僧!喰らえい!地獄界曼荼羅ッ!」
「な、何ィィィィィィィィィッ!!!!!!!!」
幻術の産物であったはずの道満が、リンボの両腕を掴む
そしてそれに追従する様に、彼の呪符がリンボの身体を覆い隠す様に張り付いた
罠に掛かったリンボの動きを封じながら、道満が口を開く
「先程の鈴の音は式神によるもの! 拙僧となぎこ殿で共同開発した、”超絶鮮明発光・極彩色万華鏡竹筒”を幻術によるものと勘違いしたお主の不覚よ!!」
「き、貴ッ様ァァァァァ!!!!!! この様なただの呪符で、儂を倒せるとでも思っているのか!?」
「ンンンンン!!! こちらはただの呪符ではございません! こちらは拙僧と晴明殿で共同開発した呪符。名をば”ドーマンセーマン符”と申しますれば!!」
決して離してなるモノかと強く捕まれた道満の腕を払い除けようとしながらリンボは更に抵抗の勢いを強める
「ふざけるなッ!! あの男が、あの男が貴様を助けただとッ!? そんな事があってたまるかァッ!!!」
「”助けられた”のではありません、”助け合った”のです!!」
今やリンボの全身を覆い尽くした呪符。”ドーマンセーマン符”に霊力を籠める
ただ対象の身体に傷を与える訳ではない。むしろ逆だ
相手の身体を一切傷つけることなく、相手の魂に巣くう悪しきモノだけに傷を与える
言うなれば”内部破壊の呪符”
如何に身体が頑健であれど、魂自体が腐り果て、悪しきモノに成り果てたリンボに対しては、殊更に効くモノだ
その危険性をリンボも十分わかっているのだろう。更に抵抗の勢いを強めるリンボを抑える様に組み付きながら、符に籠める霊力を強める
「何故だッ!? 何故儂を拒む! そのままでは晴明には勝てぬと言うのに、誰に選ばれる訳でもなく、ただただ一人で死んでいくだけだと言うのに、何故だ!?」
「…………それは」
「誰も貴様を見ない! 誰も貴様を許さん!! 誰も貴様を愛さない!!! それが現実だ! だと言うのに、何故貴様は儂に抗う!?」
「そんな事、決まっておりまする」
まるでケダモノの様に顔を歪め、暴れるリンボの問いに対して、仄かな笑みを浮かべながら、道満は言った
「拙僧は、まだ源氏物語の続きを読めておりませぬ」
「……………………は?」
「なぎこ殿とは今度茶会をする約束をしました。金時殿とは今度の夏、虫取りに行く約束を、来週の頭には綱殿と碁を打つ約束が、頼光殿には源氏の皆様方に陰陽術の手解きをするよう頼まれましたな」
「そんな、そんな下らぬ事の為に儂を拒むと言うのか!? 貴様は!?」
「ええ、拒みますとも!! 貴方が”下らん書物”と断じた物語の続きを読むために、一口で飲み込めてしまう程小さな菓子を食べる為に、ひと夏しか生きれぬ虫を取る為に、数年も経てば勝敗すら忘れてしまうような下らぬ遊びをする為に、拙僧は貴方を拒みまする!!」
「き、貴様は、惜しくないのか!? 全ての者が貴様を尊ぶ未来を! あの憎き安倍晴明ではなく貴様だけを褒め称える世界を! 永遠の栄光が欲しくはないのかッ!?」
「永遠など、少しも欲しくはありませんな! 拙僧にはただ明日と、明日も隣にいてくれる親友がいればそれで充分!」
問答は終わりだと言わんばかりに、呪符に籠められた霊力が更に強まる
傍に置かれた竹筒達がまるで蝋燭の光と言わんばかりの強さで輝き始めたソレを見て、最早何の詐術も使えなくなったリンボを打ち倒すべく、道満は叫んだ
「晴明殿────ッ! 拙僧に、悪しき拙僧をボコボコにする力をお貸しくだされ────ッ!!!!!!」
「やめ、やめろっ! 正気か貴様ァッ!!!! 一体どの口で、あの男の力を借りようなどと世迷言を吐くつもりだ!!!」
「この口で言いますとも!!! それでは悪しき拙僧、キャスターリンボよ!! ご覚悟を!!!」
「クソッ! 儂が、儂がこんな出来損ないの法師にッ!! この、儂がッ!」
「喰らえぃ! 地獄界曼荼羅────ッ!!!!」
「グワァァァァァァァァッッッッッ!!!!!!!!!!」
〇〇〇
「と言う訳で……勝ちました」
「勝ったのか。いや、凄いなお前」
「そうでしょうとも、そうでしょうとも!」
「いや、別に褒めた訳じゃ……まぁ、いいか」
慣れない事やら、普段は使わぬ術式を十分に使えたからか、どこか妙なテンションになっていた道満をどうにか寝かしつけ、晴明は道満宅を後にした
道満自身はリンボを倒したと思っている。確かにそれは間違いではない
道満のお陰でこの世界からリンボなる獣は消失した
だがそれは即ちリンボと言う外道が完全に滅びたと言う訳ではない
ただ単に”この世界”から追い出せたと言うだけだ
あの外道はきっと今も別の世界線を歩き回りながら、別の”蘆屋道満”を喰らおうとしているのだろう
果たしてその”蘆屋道満”がリンボに抗えるのか、それとも抗えずにリンボの腹の中に収まってしまうのか。それは分からない
ただ一つ、確かな事と言えば……
「……アイツ、私のこと親友だと思ってたのか」
ただ、それだけである