"自分"を演じる話
正史世界に襲撃してきたifミンゴに敗北した正史ローが、ifローと精神交換して身代わりになる話
ifミンゴの強襲に劣勢を強いられる中で、「自分達がifミンゴに勝利する」か「ifミンゴがifローを手に入れる」まではこの戦いが終わらないことを察してしまった正史ローが、
自分のクルー達を守るにはifローを差し出すしかないが、今のifローをifミンゴの所に戻せば今度こそ再起不能になる…
みたいな感じで板挟みになった果てに、自分が"ifロー"として連れ去られることを選択する話が見たい
捕えた"ロー"の正体がバレれば自分は殺されるし、"本物のロー"を奪還しようとするifミンゴに自分のクルー達も襲われてしまうから、ifローのふりをして時間を稼ぐ正史ローってよくないですか
ifミンゴの機嫌を損ねた時に傷つけられるのが"ifローの身体"なせいで、あの正史ローがifミンゴの顔色を伺いつつその暴虐にただ従うしかなくなるの、とてもいい
そのうえ、ifローの身体に入っているせいで、「"自分"と目の前のドフラミンゴが口にする"ロー"は別人である」って信じられる証拠が自分の記憶の中にしかないから、精神的にどんどん削れていきそうなのもいい
ifミンゴの口からifハート達の最期を何度も何度も語られる中で、
「これまで心の支えにしてきた『"おれの世界"のクルー達は全員無事』っていう記憶は本物なのか?」
って疑心暗鬼になっちゃう可能性すらあるの、夢が広がるね
役になりきるうちに本来の人格との境界がぼやけて分からなくなってしまうの、可哀想でいい
正史ローの身体で目覚めたifローは、自分を「キャプテン」と呼んでくる正史ハート達の姿や、五体満足な身体を見て、これは夢か幻覚だと思い込んじゃうかもしれない
けれど、目覚めた後の"キャプテン"の様子に違和感を覚えていた正史ハート達に「もしかして、"ローさん"ですか?」って聞かれたことで、これが夢じゃないことを思い知らされるんだろうな
正史ハート達の問いかけを受けて「そうだ。…おれは、お前達の"キャプテン"じゃない」って夢から覚めた顔で呟くifローとかよくないですか
現状を認識した後のifローは「目の前にいるクルー達から"キャプテン"を奪ってしまったのはおれだ」って自責の念に襲われてそう
救いとしては今のifローが入っている身体は元々正史ローのものなので、ifローへのケアが精神的なものだけで済むところかもしれない
ここの正史ローは、ifローと正史ハート達と再会した時にやっと
「自分の記憶は正しかった、あれは現実だった!」
って確信できて一気に正気を取り戻してそうだし、元の身体に戻れた後には成り代わりを見抜けなかったifミンゴのことを煽りに煽ってこれまでの鬱憤を晴らしてそう
意に沿わないことを散々させられて相当怒りが溜まってそうなので
「お前の目が節穴なのはその色眼鏡のせいか?」
位のことは言ってるかもしれない
ifミンゴに無事に勝利した後の正史ローは
「なんでこんなことをしたかって?
…"おれ"のフリをするなら、おれ自身がやるのが一番だろ?」
みたいなことをしれっと言ったせいでifローを含めた皆にお説教会を開かれてそう
「すぐ一人で行っちゃうの悪い癖だよキャプテン!」「自分をもっと大事にしろ」
みたいなことを言って皆が怒るのを、正史ローはちょっとバツの悪そうな顔して神妙に聞いてるんだろうな
お説教会の中で、if世界での仕打ちとか自我が曖昧になりかけていたこととかを色々自白してしまって、強制的に平和な島で静養させられる正史ローとかもいたかもしれない
if世界での騒動から少し経った日に
「"おれ"が入れ替わっていたことによく気づいたな」
って正史ハート達に言ってみたら、
「おれ達何年一緒にいると思ってるんですか!」「キャプテンのことで分からないことなんてありませんからね!」
って返されて、ちょっと頬が緩んじゃう正史ロー…みたいな一幕があると和むね
個人的には
正史の皆とifローによる救出が間に合ったハッピー√の他に
役に呑まれて正史ローとしての意志が完全に消える廃人√
"捕えたロー"の正体がバレて完膚なきまでに壊された上にifローまで連れ戻されたバッド√
辺りがあるといいな