腐向け:ウォルターと男621&男ハウンズのえっちなSS:Ⅰ(後編)
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スッラに撃破・誘拐されながらも、生還――いや、スッラにより返還された621。
陵辱により穢された心身を慰めてもらう為に彼は、毎晩のように主の寝室へ向かう。
体の外だけでなく、主の性を受け入れる為に『中』まで清めて。
主の手を煩わせないように、淫らな受け口と化した孔を解し、奥に潤滑剤を差し入れる。
そうして準備を終えた状態で、彼は主の部屋を目指す。
明かりも付けず、暗い廊下をぺたぺたと歩んでいく。
求めに応じて彼を抱いてやるハンドラー・ウォルターは知らない。
621の受けた『陵辱』の先にあった出来事と、なぜスッラは621をほぼ無傷で返してやったのか、を。
時は621の返還前――彼が攫われて凡そ1ヶ月目に遡る。
機体が撃破されながらも奇跡的に軽傷の範囲で済んだ621は、スッラの介護によりほぼ全快といえるコンディションまで回復していた。
――それを待っていたかのように、スッラは621の体を弄び始めた。
意外な事に、いきなり乱暴に突っ込むような真似はせず、麻薬を打って621の苦痛を減らし快感を増幅させた上で、ゆっくりと、日数を掛けて丁寧に、彼の体を開発していった。
潤滑剤と薬物を併用し、少しづつ、621の体が男の性器を受け入れるように――その行為に慣れ、快感を覚えられるように。
当初は恥辱と恐怖、混乱に泣き喚いていた621だったが、日を追うごとに彼の体は拓かれていく。
「順応が早いなぁ、犬?」
体内に入る指の本数が増えた。
「ほう? ここを触られて喘ぐようになるか」
胸と先端を揉まれ摘まれて、痛痒ではない感覚を覚えるようになる一方、激しい指の抜き差しにも耐えられるようになった。
「くく。とうとう後ろだけで出すようになったな? 俺が捕まえた犬は――雌だったか」
後ろを執拗に指で弄ばれて、前を触られずに精を放ってしまった。
一ヶ月以上も掛けて言葉と行為でゆっくりと621の尊厳を削り取り、拒絶と反抗の意思を無くしていく。
やがて、ある日。
621は、銃を向けるスッラに抵抗できぬまま、天井と床へ手足を繋がれた。
いつものように注射を打たれ、後の孔を潤滑剤と指で解されて。
「――――入れるぞ、犬」
「……ひっ――ぎ、あ、あぁぁぁっ!」
遂にスッラの男根が、背後から621を犯した。
体を弄ばれ続けてきた日々から、いずれこうなる日が来る事は621も覚悟していた。
抵抗の意思も薄れ、ただ早く終るように無心で身を任せていた621だったが。
彼の脳と体は、精神を超えて反応を見せてしまう。
中にスッラの雄が入り込み、ゆっくりと数往復した所で、621の陰茎はゆっくりと硬くなって持ち上がり始めた。
下半身の前後で知覚できてしまう、熱さ。
荒くなる息と早まる鼓動。
621は屈辱の涙を零してしまうが、仕込まれた身体が零すのは涙液だけではなかった。
ぐちゃぐちゃと中へ出入りを繰り返されながら、胸を揉みしだかれて、その先端をつまみ上げられる。
そうされている内に、621の陰茎からは透明な先走りが糸を引いて落ち始めた。
足の甲へ落ちたそれを知覚してしまい、621の精神へ『身体が悦んでいる』という現実が突きつけられる。
「……うっ、あっ、そん、な……!!」
すすり泣きと共に漏らした621の言葉を否定するように、興奮してしまった身体は、きゅう、とスッラを締め付けた。
「なんだ、感じ始めたのか、犬。感触からして処女だろうと踏んでは居たが……犯されて喜ぶとはな」
「ちがう、ちがっ……んっ!」
ずん、と奥まで突きこまれたスッラの雄が、621を黙らせた。
そのままスッラは奥まで差し入れた自身の先で621の奥をえぐった後、ゆっくりと腰を引き。
「犯されて悦ぶなら……お前は雌だ、そうだろう? この、雌犬がっ」
一転してペースが上がる。
621の中、少し浅い腹側を、何度も何度も執拗に押すように。
スッラは腰を叩きつける。
「――あ、やだ。 それ、やめっ!! やめて、やだ、いや、だっ」
621は既に身体で知っている。
『そこ』を刺激され続けると、自分の身に何が起きるかを。
これまでは指によって齎される現象であったから、621は心を守れていた。
しかし今、621の中を突いているのはスッラの性器。
身体を弄られるのとは異なる、明確に『犯されている』状況で。
よりにもよって、自身を犯している相手よりも早く。
「やっ、あっ、いやっ――あっ!! あ、ううううぅぅっ…………!!」
果てて、しまった。
621の肉茎は熱い白濁を噴出……ではなくドロドロと床へ垂れ落とし、粘ついた落下音が更に621の羞恥を煽り、興奮を連れてくる。
落ちた精が床を叩く音。
絶頂に喘ぐ息と声音。
中へ刺さった雄を食むように襲う締め付け。
それらは621の射精を見ていないスッラへも、達した事を伝えてしまう。
「先に出すとはな――やはり雌だ、お前は」
がり、と621の肩へ噛み付いて、スッラは腰の動きを更に早めた。
噛み付いた箇所からは血が滲み落ち、往復される結合部からは男女の交わりに近いほどの激しい水音が起きる。
しかし、絶頂の衝撃と『犯されて先に果てた』精神ショックにより、621は呆然としたままだ。
紅潮した顔。焦点の合わない目。唾液の筋を流す唇。
それなのに――残酷にも反比例して下半身だけは激しく応じている。
即ち、前からは絶頂の証として精をゆるく流し続け、後ろではスッラのそれへ射精を乞うように締めている。
「……ぁ、ちが……ぁっ、いっ……」
言語の体をなさない声を漏らしながら、621は刺突の衝撃に揺られ続ける。
その背後では彼の身体をしっかりと抱いたスッラが、眉をしかめて身体を震わせて――
「出してやるぞ……嬉しいだろう? お前はっ、雌だからなぁッ……!!」
どく、どく、と。621の中に白濁を放った。
「ひっ、う、うぅ……♡」
最奥まで突きこまれたスッラの硬い肉茎、621の身体を強く抱きしめる腕、白い肌を掻きむしるように立てられた爪。
奥に吐き出されて、内壁を伝いながら結合部へと滑り落ちる体液の熱さ。
それら全ての刺激が、半ば現実から逃避していた621へ否応なしに事実を向ける。
征服の証を注がれた。完全に、犯されてしまった、と。
とはいえ――それでさえ621の心はギリギリのラインで耐えきっていた。
の、だが。
彼の内に残ったプライドをへし折る絶望を、スッラは突きつける。
「良いことを教えてやろう」
まだ硬さの残る雄で、潤滑剤と精に溢れる621の中を掻き混ぜながら、耳元でスッラは囁く。
「お前に注射していた薬はな、毎日少しづつ濃度を下げていた。今日打ったのは――」
哀れな囚われの猟犬へ、追撃を叩き込んで『躾け』る為に。
「濃度ゼロ。色が類似した栄養剤だ。薬のせいではなく、シラフで犯された分際で、俺より先にイッた――そういう事だ」
ゆるゆると腰を動かすスッラの雄は、621の中で硬さを取り戻しながら暗示する。
陵辱はまだ終わっていない、と。
「これからたっぷりとお前を犯し続けて、躾けてやる。嬉しいか、雌犬ゥ……?」
そうして、更に一ヶ月もの間、スッラは621を犯し続けた。
人間――いや、生物という物は過酷な環境であっても、おしなべて順応してしまう。
その上で621にとって不幸だったのは、彼がウォルターの元で猟犬として活動を始める『以前』の記憶と人格が、手術と保存措置の影響でほぼリセットされていた事だった。
つまり、彼の人間性と成熟の度合いは外見のそれよりも遥かに幼く純粋であり――染まりやすく歪みやすかった。
結果として。
連日の心身を蝕む陵辱に耐える為、彼の心身は適応してしまった。
状況を支配するスッラに、支配される性奴隷へと成ってしまったのだ。
監禁生活の終盤には、とうとう自らスッラに抱かれる為に、彼の股ぐらへ顔を埋めて口淫による奉仕すら行うように――
ここまでが、621がウォルターに話した部分であり、生還した彼は『陵辱の上書き』を乞うて、主に抱いてもらう事となる。
――621の証言は大凡正しいものだった。
しかし、彼がウォルターへ伏せた部分が存在した。
秘せられた内容を知っているのはこの世に2人。
犯された者と、犯した者。
――――あるグリッド内の廃墟エリアに住み着く者が居た。
数十年前までは建設業者が事務所と作業用MTや重機の格納庫を兼ねて使っていた建造物。
そこは現在、とある傭兵が潜む拠点に化けていた。
今の住人は――独立傭兵、スッラ。
ハンドラー・ウォルターと何らかの因縁を持ち、621を撃破・誘拐――陵辱しながらも何故か生かして返した張本人。
彼の『協力者』がスポンサーとなり用意したその拠点は、外観こそ廃墟のままだが、内部はスッラのリクエストに応じて増改築が施されていた。
ACの保管と整備に不足ないガレージ、厳重なセキュリティを備えた居住エリア。
内部の『居間』に相当する部屋で、スッラは喉が焼けるほど強い酒を煽りながら回想する。
621が主人へ話さなかった部分、その間にあった出来事を。
監禁生活の終盤、凡そ2ヶ月目。
621はスッラが居る時のみ限定だが、ある程度自由に居住エリアの内部を歩く事を許可されていた。
陵辱の際に621が反抗の色を見せなくなった事に加え、この拠点は内外両面に向けて厳重な防備を備えている。
そして何より、膨大な修羅場を潜り抜けてきたスッラは生身の戦闘力と鍛え方が621とは次元の違うレベルであり、例え家具を武器に不意打ちしても、スッラの打倒は試すまでもなく絶望的。
彼を突破できない以上は脱出もまた不可能。
故にスッラは、自身が居る時だけ621を個室から出していた。
四肢それぞれの可動域を拘束具でかなり制限された状態、かつスッラが常に拳銃を携帯しているという状況で、だが。
ちょうど現在と同じように、椅子へどっかりと腰掛けて酒を煽るスッラの元へ621がやってきた。
彼の姿を無言のままに睨みつけたスッラへ、満足に動かせない足で目前までやってくると。
「きょうも、だいて」
と621自身から求めた。
ウォルターの猟犬がすっかり『従順な雌』になった事に気を良くしたスッラは、自身の性器を顕にして要求を投げた。
「口と舌で、俺を満足させろ。気が向けば抱いてやる。歯を立てようだとか、妙な真似は考えるな?」
数秒ほど逡巡するような間を見せたがしかし、621は膝をついてスッラの股間へ口を寄せた。
口淫の知識は無い筈の621だが、それでもスッラに開発されてきた事で『どう刺激すれば男は感じる』のかを体得していて、拙いながらも奉仕を始める。
小さな口の奥へずずっと咥え込もうとした所で、
「待て。歯から奥に入れるな。使って良いのは『それより前』だけだ」
とスッラに銃口を向けられ、止められた。
「ふ、んっ――んあ……ちゅっ」
舌や唇、歯茎だけで懸命に621はスッラの雄を舐る。
その様子を無言のままに見つめていたスッラだが、小さく舌打ちをした。
「おい、もっと唾液を含んで根本から舐めろ。それと、俺の『先』を舌先でくすぐるように、だ」
言われた指示を受けて621は口内の唾液を集めると、滑らせた舌を精一杯に伸ばしてスッラの茎を舐め上げる。
少しずつ固く大きくなっていくスッラの雄。
その合間に舌先でちろちろと先端を刺激しては、また全体を上下へ舐める。
「流石は犬だな。舐める事は得意か、くく」
見下ろすスッラの嘲笑を受けて、621の白い頬へ羞恥の紅が差した。
屈辱を与えてやった愉悦に興奮したスッラの男根はみるみる内に隆起して、最大まで立ち上がった。
何度も犯されてスッラのサイズを把握していた621が、ちら、と見上げる。
「おおきく、ん……ちゅ、なった」
「まだだ。今度は先をしゃぶりながら頭を動かせ。歯から先には――」
スッラが言い終わる前、わかっていると言わんばかりに、621は先端を口へ含んだ。
唇で挟み、包む。舌で先端を刺激する。
頬を窄ませながら吸い、指示通りに頭を小刻みに前後させて。
「唾液を出すのを忘れるな、そうだ」
ちゅぷ、ちゅぷと室内へ響く水音。
それぞれ一度の指南で早くもコツを掴んだ621が為す愛撫は、スッラの射精欲をどんどんと煽り立てていく。
スッラの性感を昂ぶらせているのは単純な性技の快感だけではなかった。
恥じらいの赤に顔を染めて、興奮に熱を増す621の口内――と、その下半身でひっそりと膨張して『先』で病院着を持ち上げている肉の小刀。
それらを見下ろす愉悦がスッラの快感を増幅させていく。
そうする事、10分近く。
スッラの息が荒くなり始め、睾丸が精を放つ準備として持ち上がり始めた。
「いいぞ、雌犬。この道で生きる才すらあるかもしれんなぁ」
にぃ、と唇を歪めたスッラは。
「ちゅぷ、ん――――うまくなったから、うぉるたーも、よろこんでくれる、よね」
621の言葉に、余裕と嘲りの笑みを砕かれた。
「……お前っ……!!」
スッラは銃を持たない側の手で621の胸ぐらを掴み、そのまま立ちあがる。
そのまま、壁へ621の背を叩きつけるような勢いで押し付けた。
戸惑い、驚き、憤怒、困惑。
様々な感情が入り混じった般若のごとき顔で、スッラは621へ銃を突きつけて問う。
「今のは、どういうつもりで――まさかお前、奴の元へ帰れると思っているのか……!?」
621を前に、スッラがここまで感情を剥き出しにする様子を見せたのは初めてだった。
常に暗く重い――地下墓所(カタコンベ)のような空気を纏っていたこの男が、激しい感情の動きを見せている。
こめかみへ銃口を押し付けられながら、しかし621は機械のように平然とした顔で返す。
「たたかう、ほかでも、うぉるたーをよろばせること、できるようになった。だから、帰して」
「殺す」
スッラの応答はたったの二文字。
怒気と殺意の詰まったシンプルな宣言。
敵に倒され攫われ嬲りものにされ、監禁されている状況の『敗者』が、屈服させてやった筈の相手が――プライドは砕かれても、主への忠誠と本懐は捨てていなかったという想定外に、スッラは激昂していた。
621はスッラを眼中に入れていなかったのだ。
スッラが621を通してウォルターの事しか見ていなかったのと、同じように。
その事実が――屈辱と捻じれた同族嫌悪が――何よりもスッラの逆鱗に触れていた。
銃の引き金に指を掛けたスッラが、怒りと動揺に任せて621の頭部へ銃弾を叩き込もうとした寸前。
「すっらにも、いいことある」
621の言葉が、スッラの指を止めた。
「いいこと、だと?」
訝しむスッラに、621は言葉を紡ぐ。
「すっら、すごく苦しんでる、ように見える。うぉるたーのところへ、全部ないしょで、かえしてくれたなら、おれいできる」
「……お前に、何ができる。言ってみろ」
続きを促すスッラに、胸ぐらを掴まれたままの621は、ゆっくりと口を開く。
唾液とスッラの先走りにより、濡れた艶を纏った口唇。
奉仕の興奮が後を引いて、僅かに赤みを帯びた頬。
返答を一つ誤れば射殺必至の状況でありながら、恐怖も恐慌も見受けられない表情。
無機質な人形と得体の知れぬ魔性の混合物のような、場違いでアンバランスな存在感。
621は僅かに唇で弧を描く。
スッラが621へ初めて見せた大きな感情の動きに対して、621もまた、彼に初めて見せるタイプの表情を作った。
慈しむような、憐れむような、労るような。
そんな『微笑み』を浮かべながら、621は代価を提示した。
ここに密約が成立した。
こうした経緯を経て621は、ハンドラー・ウォルターの元へ返還される事となる。
「あの猟犬は辞めておくべきだったな、ウォルター」
621との生活を思い出しながら、酒を舐めつつ独りスッラは嗤う。
何も知らぬ主人。
静かに狂い壊れている猟犬。
――何よりも、そんな犬に乗せられた自分自身を嗤っていた。
打ち倒して連れ去り繋いで犯し、完全に手中に収めた筈の獲物はしかし、陵辱をきっかけに魔性を開花させただけだった。主への忠誠を保ったまま、だ。
結果だけ言えば、スッラは621へ傷の手当てと性の手ほどきをしてやり、眠らせて無事に返してやっただけである。
スッラが当初目論んでいたのは、621を屈服・服従させてウォルターへぶつけるか、従わないなら嬲り殺してその過程を映像として送りつけるかという所だった。
しかし621はスッラが本当に欲している物を見抜き、破滅と死の二択をすり抜けて――それも生殺与奪を握るスッラの合意を得ながら――飛び去っていったのだ。
抗いきれず避けられぬ死、という『魂をすり減らした者』を誘う甘い致死毒。その出世払いを提示して。
「ハンドラー・ウォルター、お前にアレは御しきれんぞ――」
処女以外には指一本どころか爪の一枚すら失わず、子を孕む代わりに魔を宿して去った『猟犬』を思い浮かべて、スッラはボトルを空けていった。
『陵辱から先』をウォルターは知らない。
もうこれ以上は聞くに堪えないとウォルターが621を抱きしめながら遮った事もあるが、止められなかったとしても621は話すつもりはなかっただろう。
この世には多々、知られない事で世が滞りなく回る真実もあるのだから。
「うぉるたー、今日も、きたよ……♡」
今宵も少年は主人の寝室を訪れる。
心の傷を上書きするという名目で、主人の愛と憐憫を賜りながら、淫らな悦びを奉ずるために。