聖女の夏休み in ハワトリア

~サバフェス会場近くのホテルの一室 座るヨハンナ・正座する藤丸立香~
「さてマスター、今回も特異点修復おめでとうございます♪」
「いや、ヨハンナさん?あのですね・・・」
「女友達に何も言わずに夏のイベントを満喫した気分は如何です♪?」
「違うんですよ。ただちょ~~っと編集作業やら周回が忙しくて2人になる暇がなかったといいますか、」
「『今回の周回はヨハンナ大活躍だね!』と言って以来、毎日毎日貝殻集めに行かされる人の気持ちが分かります~?」
「返す言葉もございません」
「聞いた話だともう少しで特異点が消えるそうですね?反省してますか?」
「勿論です・・・ヨハンナ様の仰せの通りに」
「では、明日1日デートをしましょう♪夏の思い出作りということで!あっ、もう普通に座っていいですよ。」
「やっと解放された・・・。デートとなるとやっぱり買い物?」
「そうですねぇ。せっかくだし私も水着の1つでも買いましょうか?」
「貝殻ビキニ?」
「(ニッコリ♪)もう1回正座します?」
「すいませんでしたーーーー!」
―隣の部屋―
「立香が・・・立香がデートしようとしてる・・・」
―魔女の家―
「んっ?何だよこんな時間に?何々、へぇ~あのクソザコがねぇ、面白そうじゃん♪♪」
~翌日 ホテルのロビー ヨハンナ(英霊催装)・ 藤丸立香(サマー・ストリート)~
「おっ待たせしました~~♪!」
「お疲れ、ヨハンナ。その衣装って確か、」
「そう!こないだのお祭りで着たやつ!どう?似合ってます?」
「最高っ!これ以上ないくらい似合ってるよ」
「ふふ~ん♪マスターもその服装いいですよ、爽やかで」
「カルデアで用意してくれたやつなんだけど、そう言ってくれると嬉しいよ」
「じゃあ早速、行きましょうか?夏の思い出作りに!」
―少し離れた物陰―
「お待たせ~トリ子~」
「何で言いだしっぺが遅れてくんだよ、この田舎妖精が!」
「ごめんごめん。で?どう、立香は?」
「今合流したとこ。てか、お前よく隣の部屋のこと分かったな。」
「そこはほら、マーリン魔術でちょちょいのちょいってことで。立香、昨日端末に届いたメッセージ見て青ざめてたから・・・。」
「(あいつも苦労してるのね)」
~ショッピングモール in ハワトリア~
「本当に水着見るの?結構勇気いるんだけど。」
「毎年水着の女と遊んでるのに水着選ぶの躊躇うってなんなんです?」
「いや、毎回皆自分で用意してるから。俺が水着選んだことほぼないんだよ。」
「へぇ~(これって、マスターの好きな水着着てアピールするチャンスじゃない?)」
「でも、ヨハンナならどんな水着でも似合いそうなもんだけど。」
「はい駄目。女性の服選ぶのにそれを言っちゃうのは逃げと一緒ですよ。」
「厳しいね。せっかくだし色々見て周ろうか?」
「よろしい。マスターならどんな水着が良いですか?」
『ありとあらゆる水着を妄想中...(やっぱアルキャスよりは..があるな)』
―少し離れた物陰―
「離してトリ子ッ!あの男に一発入れないと気が済まないっ!」
「今出てったらバレるだろっ!少しは落ち着け!」
「なんだよーーっ!そんなに胸が大事なのかよーーっ!」
「よく見ろ、隣の女もお前と一緒かちょっとあるくらいだろ!」
「う~~...立香のバーカッ!!」
~水着ショップ~
「お~♪水着って思いの外沢山種類あるんですね♪」
「本当に来ちゃったよ...」
「マスター、妄想でどんな水着が良いか決まりました?」
「人聞き悪いなぁっ!でも、せっかくだしヨハンナの綺麗な身体が映えるやつがいいかな」
「(カアァァァ)・・・分かりました。幾つか見繕ってきますよ」
(試着中)
「マスターすいません、背中の紐が結べないのでちょっといいですか?」
「またベタな、結構人目気になるんだけど、」
「え~?せっかくの私の水着姿、拝んでかなくていいんですか?」
「分かった、入るよ!どれどれ...」(少しカーテンを開ける)
「(小声)じゃ~ん♪どうです?この水着♪?」
「うおぉぉ...」
―店の入り口―
「お前、あれに割って入るのムリだと思うぜ?」
「何そのかわいそうな女見る目!!なにさ、立香ったらデレデレしちゃってさぁ!」
「あの女意外とやり手だな、2人っきりでこっそり水着見せるとかそりゃあ興奮するもんな」
「こうなったら新しいの買っちゃうもんっ!幸いオベロンとっちめた時に貰ったお金があるし!」
「もう完全に尾行する気ないよな、お前...」
~昼食 ラウンジカフェ~
「ん~♪本当、この時代のご飯は何でも美味しいですね!しかもこんな開放された景色を見ながら食べれるなんて最高ですね!」
「海見ながら食べるご飯って美味しいよね。口にソース付いてるよ。」
「おっと、これは失礼。で、そうでした?私の水着衣装は?」
「来年の水着イベントには是非とも参加してほしいと思いました。」
「よしよし♪楽しみにしていて下さいね♪あっ、そっちの一口貰っていいですか?」
「いいよ、はい」
「あ~ん♪うん、こっちも美味しいですね!」
「この後デザートも来るのに大丈夫?」
―少し離れた席―
「見た、トリ子?!当たり前みたいに「あ~ん」ってしてるよあの2人!しかもほぼ間接キス!」
「あんなんでも女とご飯食べる機会多いだろうし慣れたもんだろ」
「なんかトリ子随分余裕じゃない?立香とご飯食べたことあるの?」
「何回かあいつの部屋で映画見た時にな。まあジャンクフードとかお菓子とかばっかだけど」
「すいませ~ん!この1番高いセット1つ、伝票はこの女に」
「何人の金でランチしようとしてんだ馬鹿野郎!ここは割り勘って決めただろ!」
~同人グッズショップ~
「サバフェス以外にもこんなお店があるんですね」
「あのイベント以外でも同人誌ってこうやって見れるし、色々見て周ろうよ」
「お~♪音楽なんかもありますね、てっきり本ばかりかと思ってました」
「まあ俺等は基本同人誌制作に打ち込んでたしね。映像とか演劇もやったけど。」
「本当に楽しいイベントでしたよね♪あそこのカーテンで仕切られたとこは?」
「あそこは入っちゃ駄目です」
「そうですか。あっ!グッズなんかもあるんですね、どれどれ...?」
『等身大!!らぶらぶはぁと大石像フィギュア!!(出品者:テンシとアクマ)』
「(駄目だ...今笑ったら殺される)」
「ねえ、マスター?(ニッコリ)」
「何でしょうか、ヨハンナ様?」
「この出品者に会いに行きません?正義の鉄槌の1つや2つ、主も見逃してくれるでしょう?」
「絶対やめて!!」
―少し離れた物陰―
「ちょいちょいあの2人漫才みたいなノリになるよな」
「全く、私と立香を見習ってほしいよね?」
「お前らは終始漫才やってんだろ?ツッコミがマスターでバカがお前」
「せめてボケって言ってよ!」
「ったく、私だってあのイベントで集めた靴の写真で本出すつもりだったのにさぁ」
「そんなイベントあったの?ん、何だろあれ?」
『カルデアマスター(サマー・ストリート衣装) フィギュア! 塗装済み!(出品者:ヤヤウキ・カンパニー)』
「・・・ねえトリ子?」
「金貸せって言ったらシールにして海に捨てるからな」
「えーー!お願いトリ子ぉ!こないだのループで出品されてて欲しいと思ったけど買えなかったのーー」
「知らねえよそんなことはっ!!よく見ろ!『売約済み』って書いてあんじゃねえか!」
~夕方 ビーチサイド~
「きっもちいいですね♪夕暮れの砂浜を歩くというのは♪」
「(まさか出品者の2人が近くのカフェにいたなんて。なんとか戦闘にはならずに済んで良かったぁ...)そうだね」
「おや?随分浮かない顔ですね、疲れちゃいました?」
「こんなに1日遊んだのは久しぶりだったから、ちょっとだけ」
「そうですか...でも、今日1日は楽しかったですよね♪?」
「勿論!本当に楽しかった!」
「ええ、それは良かった♪マスターは少し頑張りすぎるところがありますから、こうしてリフレッシュする機会があってもいいと思いますよ」
「でもさ、俺はどうしたって頑張らないといけない立場だし、」
「頑張るな、とは言ってませんよ?ただ、頑張ったら頑張ったなりに少し休んだっていいんです。私は貴方の友人として、精一杯力になってあげますから。」
「また、こんな風に1日付き合ってもらっていいかな?今度は俺がエスコートするから。」
「勿論!楽しみにしてますよ、マスター。いいえ...立香♪」
「えっ、今立香って呼んでくれた?」
「うぅ...ちょっと慣れないので少し恥ずかしいですね...立香...立香...うんっ!これで良し!」
「なんか新鮮だね、ヨハンナに名前で呼ばれるの。もう少し休んだら帰ろっか?」
「ええ。もう少しだけ、こうして2人で過ごしましょう...立香♪」
~ホテルのロビー 解散~
「じゃあ今日は1日ありがとね、ヨハンナ」
「私は一足先にカルデアに戻りますので、もう少し満喫して帰ってきて下さいね♪」
「任せて!帰ったら思い出話を聞かせるから!」
「ええ、楽しみです!それでは...」
―ホテル近くの物陰―
「結局お前のせいで見失ったじゃねえかよ!見たか、今の雰囲気?多分海で告白の1つでもあったんじゃない?」
「ぐぬぬ...まあ後もうちょっと立香とデートする機会はあるだろうし、そこで巻き返せば」
「そういやクソザコ、ランスロットやらバーゲストやらお母様とも予定ギッシリじゃなかったか?家にも来るし」
「皆手ぇ回すの早くないっ!?ねえ~トリ子の家行くとき一緒に行っても...」
「お前に予定は絶対教えないからな」
「そんなぁ~~~」
~ヨハンナの部屋 in カルデア~
ふぅ~~立香なんて名前呼びまでしちゃって、これは一気に距離が縮まったと見ていいですよねっ!
水着だって買っちゃって来年の準備は万全ですし。
後は来年までに立香との関係をも~~少しだけ近づけたいかなぁ。
それに私達のデートを尾行していたあの2人。
確かアルトリア・キャスターさんとバーヴァン・シーさんでしたっけ?
あの2人も立香を狙ってるようなら、これからはいいライバルになりそうですね♪