聖パンクラティウス
【元ネタ】史実、『黄金伝説』、民間伝承
【クラス】ルーラー
【真 名】パンクラティウス
【性 別】男
【身長・体重】165cm・54kg
【外 見】凍結した剣と棕櫚の枝を持ち、毛皮のマントを身につけた鎧姿の少年
【属 性】秩序・善・人
【ステータス】筋力:D 耐久:E 敏捷:E 魔力:B 幸運:A 宝具:B
【クラス別スキル】
対魔力:EX
魔術への耐性を得る能力。一定ランクまでの魔術は無効化し、それ以上のランクのものは効果を削減する。
揺るぎない信仰心によって高い抗魔力を発揮する。
真名看破:B+
直接遭遇したサーヴァントの真名・スキル・宝具などの全情報を即座に把握する。
あくまで把握できるのはサーヴァントとしての情報のみで、対象となったサーヴァントの思想信条や個人的な事情は対象外。
また、真名を秘匿する効果がある宝具やスキルなど隠蔽能力を持つサーヴァントに対しては、幸運値の判定が必要となる。
宣誓の保護者にして偽誓の懲罰者とされるルーラーの前では隠し事は存在しない。
神明裁決:B
召喚された聖杯戦争に参加している全サーヴァントに対して、2回まで令呪を行使できる。他のサーヴァント用の令呪を転用することは出来ない。
『黄金伝説』内に記された奇跡譚では、彼の墓前で神明裁判が行われ、奇跡によって罪人に判決が下された。
【固有スキル】
信仰の加護:A+++
一つの宗教に殉じた者のみが持つスキル。加護とはいっても最高存在からの恩恵ではなく、自己の信心から生まれる精神・肉体の絶対性。
ランクが高すぎると、人格に異変をきたす。
ディオクレティアヌス帝の時代にローマで殉教した。
皇帝から憐れまれ、棄教すれば命を助けるという提案を受けながらも多神教の神々を喝破した、死を恐れぬほどの信仰心。
陣地作成:B
自らに有利な陣地を作り上げる。「工房」の形成が可能。
死後、彼の墓の上には、教皇シュンマクスによってサン・パンクラーツィオ教会が建てられ、多くの巡礼者を集めた。
その他にも、現存するイギリス最古の教会の一つであるセント・パンクラス旧教会など、彼に対して建てられた聖堂は数多い。
氷の三聖人:A
アイスハイリゲ。ユリウス歴5月12日の聖人。
中央ヨーロッパにおいて突如気温が下がる特異日を聖名祝日とする聖人の一人。
主としてドイツにおいては、霜害の保護者とされる。
そのメンバーや人数には異同があるが、ルーラーは常に氷聖人として数えられる一人である。
彼らに由来する諺はヨーロッパ各地に存在するが、オランダなどでは「氷の三聖人パンクラティウス、セルヴァティウス、ボニファティウスが寒波をもたらす」というものがある。
同ランク以下の冷気や氷に関係する能力を弱体、無効化。
また、自らの魔力を冷気として放出できる。
【宝具】
『宣誓を。我こそ氷聖、真を写す氷面鏡(ホーフ・デス・アイスハイリゲ)』
ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:15 最大捕捉:1
パンクラティウスの墓に手をついて偽りの誓言をした男の手が、墓にくっついて離れなくなりそのまま死んでしまった逸話と、彼の氷聖人としての評判が組み合わさったもの。
パンクラティウスを前にして何かを偽った相手、契約を破った相手に対して発動。
体の一部を凍結し、封印する。
この宝具を受けた者は判定を行い、失敗する度に凍結箇所が増加。最悪全身が凍結、死亡する。
吐いた嘘、破った契約が大きなものである程判定に成功する事が困難となる。
宝具の対象となる嘘や破約はその場で行われたものだけには限られず、相手の合意がある場合、擬似的な自己強制証明の契約としても利用できる。
【解説・人物像】
聖パンクラティウス。
カトリック、正教会、聖公会における聖人。
貴族であった両親の死後、叔父に引き取られ、ローマへ移住。
そこで信者と共に身を隠していた教皇コルネリウス(第21代教皇、聖人)と出会い、信仰の道に入る。
その後捕らえられ、時の皇帝ディオクレティアヌスの前に引き出される。
皇帝は目をかけていた臣下の遺児であり、僅か14歳であったパンクラティウスを憐み、棄教すれば「わが子とおもって大事に」すると約束するが、この少年はこれを拒絶し、却ってローマの神々を非難した。
皇帝は激怒し、パンクラティウスを斬首。殉教者となった。
5世紀頃からその崇敬が始まり、中世には『十四救難聖人』の一人であった。
宣誓の保護者、偽誓の懲罰者、氷の三聖人の二番目(地域によっては一番)とされ、『黄金伝説』に記される聖人伝では、聖パンクラティウスの墓前で偽りの誓いを行った人物が悪霊に取り憑かれ死んだ話、聖ペテロの祭壇では明らかとならなかった偽りが、パンクラティウスの墓前では明らかとなった伝説が語られている。
偽証者だけではなく、子供や頭痛、痙攣の守護聖人ともされる。
図像においては、「豪華なトゥニカの上にぬくぬくとした毛皮のマントを羽織った若い男」或いは「剣と棕櫚の枝を持った騎士」として描かれる。
(鎧姿で描かれるのは同じく5月12日が聖名祝日である「聖ネレウスと聖アキレウス」——ローマの兵士であったとされる——の影響)
(ルーラーなので)願いはない。
無邪気な性格で歯に衣を着せない。思ったことは何でも言う。
良くも悪くも子供っぽい性格だが、神に対する話題と偽りに対しては別人のように真剣かつ厳格。
彼の前で嘘を吐く、約束を破るなどの行いをすると、反射的に凍らされる危険がある。