罰ゲーム:指切り
※閲覧注意
リョナって難しい……2本でKPのSAN値が飛んだ許してくれ
あと案の定絡みますのでね……
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黒衣の男達に立たされてステージの中央まで歩かされる。テーブルの上の小刀を案内役は手に取ると鞘を抜き捨てた。刃が照明の光を反射し怪しく煌めく。
案内役は小刀を構え、こちらを見据えながらバケツを頭から取った。触手がゆらゆらと楽しげに揺れている。
ミホークは黒衣の男に肩を掴まれ、左手をテーブルの上に固定させられる。背後に回った執行人はその手にゆっくりと手を重ねた。
案内役「剣士の方なのに綺麗なお手をしてらっしゃいますね。武骨でいて繊細で美しい」
ミホーク「戯言はいい。早くしろ」
案内役「慌てないでください。ただでさえ早く終わってしまうのですから……ほらこのように」
瞬間、小指が宙を舞う。跳ねたそれは床に虚しく落ちていく。
ミホーク「ぐあああっ!!!」
不意打ちで襲った激痛に思わず叫ぶ。傷口から吹き出す血を見て、観客達は沸き立つ。
案内役「良い反応です。もう一本頂戴しますね。今度はゆっくりとお楽しみしましょう」
薬指に刃が当てられる。言葉の通り、じわじわと時間をかけて切られていく。声など聞かせてなるものかと歯を食いしばり痛みに耐える。
「もっと悲鳴あげろよ!つまんねぇじゃねぇか」
「おい!こっち向け!顔見せろ!」
ミホークは唇を噛み締め、顔を背ける。その様子に観客達は不満げに声を上げる。
案内役「いけませんよ。ちゃんとお顔を皆さんに見せてください。」
ミホーク「……っ!はぁ……うぅ……」
案内役は小刀の先で顎を持ち上げる。ミホークは抵抗するように睨みつけた。
案内役「お強いですね。流石です。もう切れてしまうなんて惜しい」
薬指が切断され、口から声を漏らす。
ミホーク「あ……ぐっぁ……」
流れでる血液は、ぼたぼたと滴り落ち、床を赤く染め上げていた。
案内役「私としたことがつい興奮してしまいました。止血いたしましょう」
そう言うと布を取り出し、手際よく処置を施していく。
ミホーク「ここにいる者は本当に趣味が悪いな」
案内役「いやはや世界最強の剣士様の指を切らせてもらえるなんて、これほど名誉なことはありません」
ミホーク「……っ!!」
その言葉は今のミホークにとって最も触れられたくないものだった。
刀を握るためのこの指を戦いの中ならまだしも、こんなくだらないことで失うなど汚辱以外の何物でもない。
これを冒涜と言わずしてなんと呼ぶのか。面白おかしく観覧している痴れ者共に凄まじい殺気が向けられる。
ミホーク「……」
鋭い眼光に気圧されて倒れる者さえ現れる始末だ。騒然とする中、乾いた音が一つだけ静かに響き渡る。
ミホーク「どういうつもりだクロコダイル」
クロコダイル「クハハハ!悪かった。あんまりにもいい見世物だったもんだからついな」
ミホーク「貴様……!」
正気ではないとはいえ、許すことのできない発言だった。
わかっているこの男が悪いわけではない。体内にある何かが狂わせているだけなのだ。しかし、余裕のないミホークは冷静ではいられなかった。
クロコダイル「いいじゃねェか、指ぐらい。まだ残ってんだ剣は握れるだろう」
ミホーク「黙れ!これ以上侮辱するならば容赦はせんぞ!!」
怒りを向けられてもなお、クロコダイルは笑っていた。そしてステージに登っていく。案内役は静かに司会席へと戻った。
クロコダイル「なァ、教えてくれ。今どんな気持ちなんだ?ん?」
問いかけながら歩み寄ってくる。顔が触れそうな距離まで近づかれてミホークは不快さを隠そうともせず眉間にシワを寄せた。
反応を楽しむように口元を歪めると耳元に口を近づけ囁く。
クロコダイル(悔しいか?)
ミホークの瞳孔が大きく揺れた。それを見逃さず、追い討ちをかける。
クロコダイル(俺は今最高に気分が良い)
心臓の鼓動が速くなっていく。呼吸が荒くなり、息苦しさを覚える。
ミホーク「お前がそんな人間だとは思わなかった」
絞り出したような声で言った。震える声を聞き一瞬驚いた表情を浮かべたが、すぐに目を細め嘲笑う。
クロコダイル「クハハッ!そりゃあ残念だったな。期待を裏切ってすまなかった。」
頬に手を添えられ、優しく撫でられた。神父が信徒に行うような慈愛に満ちた仕草。深く低い声で祝詞のように言葉を紡ぐ。
クロコダイル「誇り高いお前にはさぞかし辛いことだろう。だが安心しろ、もうすぐ全て忘れられる」
顔離すと、顎を掴み上を向かせた。
目に浮かぶ絶望の色を慈悲深い微笑みで包み込む。額に口づけを落とし、もう一度耳に唇を寄せる。
クロコダイル(一緒に堕ちようミホーク)
その声を聞いた瞬間、ミホークは膝から崩れ落ちた。目の前が真っ暗になる。全身から力が抜け、身体が重く、冷たい。
意識の片隅では、自分が立っているのかどうかすら分からなくなっていた。黒衣の男達は、拘束を解いて舞台袖へと下がった。
クロコダイルはしゃがみ込み、ミホークを抱き寄せ、そのままゆっくりと押し倒す。
ミホーク「……ぁ……うぅ……はぁっ……はぁ……」
クロコダイル「あぁ……いい子だ」
頭を胸に抱くようにして、子どもにするような優しい手つきで髪をそっと撫でる。
クロコダイル「大丈夫だ。何も心配しなくて良い。」
ミホーク「……ぁ……」
見上げるとクロコダイルの白目の部分に黒い線がぐるぐると横切り内側に引っ込んでいくのが見える。視線に気づくと、ニヤリと笑い、目を指してみせた。
クロコダイル「気になるか?これは主人への導きだ。もうすぐ来るから、お前も準備して待ってろ」
ミホーク「……っ!?」
クロコダイル「力を抜いてゆっくり深呼吸をするといい」
ミホーク「!ダメだ……っ!!」
押し除けようと抵抗するも、ビクともしない。力を入れたことで切断されたところから血が滲みだしていた。
それに気づくと左手で後頭部を支え、失われた指の部分を布の上から舐める。ミホークは反射的に肩をすくめた。口に含み舌先で転がすように弄ぶと、今度は甘噛みを始める。
ミホーク「……ぐあっ!!や、めろ……」
クロコダイル「あぁ、痛かったか?悪いな。つい夢中になっちまった」
猟奇的な行為とは裏腹に、口調は穏やかなものだった。ミホークの恐怖心と屈辱感を煽るようにわざと音を立てながら吸い付き続ける。
ミホーク「……っ゛!……はぁ……はぁ……う……」
音をあげない代わりに、声にならない悲鳴をあげる。その反応にクロコダイルは首を傾げた。目を丸くする様子は理解できない生き物を見ているようだった。
クロコダイル「痛いのは嫌か?」
意味がわからないのはこちらだと言わんばかりにミホークは睨みつけた。
クロコダイル「あぁ、そうだった。鳥野郎も快楽に弱かったな。忘れてたぜ」
何か納得したのか、ミホークのシャツに手をかけ一気に引き裂いた。露わになった胸元に指先を這わせる。ゆっくりと腹筋まで辿り着くと臍の周りを円を描くようになぞった。
ミホーク「いや……だ……」
クロコダイル「あ?聞こえねぇよ」
ミホーク「嫌だと言っている!!!」
クロコダイルの胸ぐらを掴む。しかし、弱々しい抵抗だった。
クロコダイル「何が嫌なんだ?」
するとミホークは観客達に視線を向ける。今か今かと待ち望むように見つめる群衆を目に映すと、怒りに震えた声で呟く。崩された精神ではもう耐えることができない。
ミホーク「こんな醜悪な連中を喜ばせるのはニ度とごめんだ!」
クロコダイル「こいつらがいなければ何をしてもいいとでも?」
ミホークの目が大きく揺れ動く。そういう意味では、と言おうとしたが言葉が出てこない。
クロコダイル「光栄だな。そこまで俺に惚れていたとは知らなかった」
ミホーク「ち、違う!そんなことは……っ」
クロコダイル「申し訳ないが、その願いは叶えてやれない。あの虫どもも一応糧にはなるからな」
胸ぐらを掴む手を優しく握るとそのまま身体を倒し、覆い被さる形になる。
ミホークの視界にはクロコダイルしか映っていない。スポットライトが後光のように見えた。
クロコダイル「代わりと言ったらなんだが、周りが気にならなくなるくらい愉しませてやるよ」