続々

続々




 スレッタは自分がどうなってしまっているのかわからなかった。

 四方八方にいるのは自分と同じ顔をした子どもたち。それぞれがきゃらきゃらと笑いながら、スレッタの手足を抑えている。

 あまりに信じられない光景にこれが夢ならばと幾度か瞬きをした。合っているならば周りの景色は水星にいた頃の…。

「…なに、これ。あなたたちはいったい…」

『おはようスレッタ』

『ちゃんと会うのは初めまして?』

 くすくすと笑いながら子どもたちは次々に頬や手にキスをした。柔らかな感触は親愛に溢れていて、それすらもスレッタの頭をくらくらさせる。

 中央のエアリアルの方にいる少女は一際冷たい瞳でスレッタを見下ろしていた。あれがエアリアルなのだとスレッタにはなぜかわかる。

「エアリアル…?ここは…」

『どこでもいいでしょ!』

 エリクトを見つめるスレッタの視線に割り込むように、一人がスレッタの体をなぞった。

 とたん、覚えていないのに知っている波がやってくる。

「な、…!?っあ、なに、これっ」

『スレッタの体、ちゃんと覚えてるんだね』

 子どもの小さな手のひらがスレッタの上を滑るたび、勝手に体がはねる。

「ぃ、やっ、やだ…こわい、やだぁ…」

 胸の頂を避けるようにくるくると触られて、自然と先が反応してしまう。いたずらっ子のように子どもは笑って、先にちょんと指を当てた。

「んあぁあ、や、やだ、なに…」

 一際大きな快楽の波が襲い、スレッタの目の前に星を走らせた。ぴくぴくと震える体は言うこと聞かない。

 はぁはぁと息を荒げるスレッタのお腹にもう一人が手をやる。

 覚えていないのに、おぼえていないのに、スレッタのお腹の奥がぐずぐずに溶けて、何かを漏らしてしまっているような感覚がする。

「っや、うううぅ、は、は…」

 いやいやとかぶりを振ってスレッタは気持ちいいことから逃げようとする。けれどしっかりと抑えられた両手両足はびくともしない。

「えぁ、えありあ、る、たすけてっ」

『あーー、もしかしてエリィばっか見てる?』

 また別の子どもがスレッタの小さな声を聞いて顔をしかめた。すると足の間から力が抜けてしまうくらい、強い刺激がやってくる。

「ふあぁ、おかぁさ、だれか、みぉりねさ、あっ、あぁあ」

 目尻に涙が浮かび、大きな愛らしい水色の瞳から雫が落ちた。子どもたちは思い思いの位置からスレッタに触れてくる。胸もお腹もお股も、溶けて境界がなくなってしまうような感覚。

 こわくて、きもちよくて、わからなくて、なにもかんがえられない

 きゅうきゅうとお腹の奥は気持ちいいを求め続けている。

 もっとほしいと強請るようにぐちゅりと蜜が溢れ出し、スレッタの横たわる地面を濡らしていった。

 それを見て子どもたちの笑い声は一層高くなる。

『スレッタったらはしたなーい』

『仕方ないよ、スレッタまだ子どもだもの』

『そっか!子どもだもんね。ごめんね』

 いい子いい子と頭を撫でられる。

 子どもなのはあなたたちの方だとスレッタは言いたかったが、喉から出てくるのは甘いあえぎだけだった。

 そうして一通り遊び終わったのか、少しだけ体を抑える手を緩ませて、次は何をしようかと子どもたちは相談している。

 スレッタはとろけてしまった頭の片隅でふと思った。

——にげなきゃ

 そうっと腕を動かし砕けた腰を引きずって、這いつくばりながら子どもたちとは反対方向へ。

 まだ誰もこちらを見ていないから、まだ、まだ、だいじょう…





『スレッタ』

 這いつくばったスレッタの目の前にエリクトがしゃがみ込んでいる。

 恐怖に引き攣った顔でスレッタが見上げると、エリクトは打って変わってにこやかに笑っていた。

『おいたはだめだよ』


 「ご、ごめんなさいエアリアル!!やだ!やだぁ!きもちいいのこわいの!おねがい!」

 エアリアルのコクピットまで引き摺られ、スレッタの体は仰向けに押さえつけられた。子どもたちはエリクトの様子が気になるようで、大人しく様子を伺っている。

『ううん、スレッタはこれで2回目。ちゃんとお仕置きしなきゃ』

「ど、どういうぅ、んむ、んうぅ」

 エリクトは指先をそっとスレッタの足の間にやった。甘い痺れが再びスレッタの思考を奪い出す。

 くちびるに力を入れて、これ以上はしたない声を出すまいとスレッタは口を閉じた。

 そんなスレッタの無駄な抵抗すら愛おしく、エリクトは微笑みながら更にパーメットを流し込む。

「ん!?んううぅ、ふ、あっあああぁ」

 痛みと気持ちよさが同時に襲い、スレッタは声を漏らしてしまう。足の間からぴちゃぴちゃと汁が溢れ、スレッタの太ももを濡らしていく。

「う、ううぅ。もうやだ、やだ、」

 ぐずぐずと泣き始めたスレッタの鼻先に、エリクトは軽くキスをした。

 カヴンの子たちが触ったところを上書きするように、顔から手、胸から腹へ。

 スレッタからはわからないだろうが、身体中をパーメットのあざが広がり、エリクトの侵食が進んだことを刻みつけていた。

 ぼうっとスレッタがそれを見ている。たくさんの衝撃がスレッタの中をとろけさせているのだろう。

『ずっと一緒にいるよ』

「ずっと…?でも…わたし、」

『僕がずっと一緒にいる』

「…でも」

 塗り替える

『スレッタの小さな頃から、私たち一緒だったでしょ?』

 僕の遺伝子から造られた

『好きなもの、嫌いなもの、ちょっと嫌なことでも頑張ってること』

 僕のリプリチャイルド

『水星の救助活動も、決闘も頑張っていたの知ってるよ』

 僕のもの

『ちょっとだけ休んでも大丈夫だよ』

 ごめんね、お母さん、ミオリネさん

『スレッタの大好きなミオリネさんなら』

 進めば二つだよね

『わかってくれるよ!』





 早くこうしちゃえばよかった。

 暗い格納庫の中、開かないコクピットの側でエリクトは幸せそうに笑っていた。






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