紫式部女中化
ちょっと特殊性癖かなって感じです
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「ここが大奥───江戸の世に存在した、将軍様と女人及び子だけの住まう場所……」
美しき十二単を纏った紫式部こと藤原香子は、とあるビーストが利用し肥大化させようとしている大奥に立っていた。
廻天迷宮とも称されるここは既に従来の大奥ではなく、ただ徳川を堕落させるのみの機構と化している。
そんな大奥に誘拐されてしまった香子は、カルデアのこの大奥に存在するエネミー・大奥女中を何とか撃退しながらカルデアのマスターの訪れを待つ。
魔性であれば香子の出番だ。実際にマスターも魔性の出現する場所には香子を連れて出撃していたし、香子も戦闘には不慣れながらもそんなマスターの信頼を受けて戦場に立っていた。
(けれど……)
流石に敵の数が多すぎる。マスターからの魔力供給を受けられない香子にとって、宝具の連発は大きな負担になっていた。
四本の腕に薙刀や弓などの武器、そして煙管を持ち、香子への攻撃を続ける女中たち。
「あッ……!」
そんな彼女らの猛攻を受け、香子は遂に地に膝をついてしまった。
「嗚呼……マスター、申し訳ありません。香子は……」
マスターが来るまで何とか耐えようと思っていたのに。香子は己の不甲斐なさに涙ぐみつつ、せめてこの大奥のように利用されることなく退去出来ることを祈って瞼を閉じる。
「何卒、何卒、お楽しミ───」
女中の声が香子へと近づいてくる。そして───女中は香子の十二単に薙刀の刃先をあて、
「……え?」
香子の装束をいとも簡単に引き裂いてしまい、香子を身に纏うもの一つもない姿に仕立てあげてしまった。
「ど、どうして……!?」
折角倒したサーヴァントの喉を掻き切って殺す訳でもない。理由の分からない女中の行動に、香子は羞恥よりも先に恐怖を覚えた。
女中たちはそのまま香子の身体を弄ぶように、手を這わせてくる。それでも香子は恐怖の感情を捨てきれず、力の入らない腕で何とか抵抗しようと試み続けた。
(マスター、マスター……香子は諦めませぬ……!)
◆
「お゙ッ♡お゙ッ♡そ、そこォッ♡よわいん、ですぅっ♡♡や゙め゙ッ♡♡」
先程までの威勢はどこへやら、香子はすっかり女中の手に蕩かされて何度も潮を伴った絶頂を迎えていた。
慎ましやかだった乳首は痛いほど勃っていて、そこを弾かれる度に香子の身体は大きく跳ねる。
木製の廊下には既に香子の体液が多量に染み付き、淫らな臭いすら醸し出している。
時代的に当然だが、香子は徳川の系譜ではない。血が繋がっていたとしてもそれは遠い遠い親戚に過ぎず、女中が香子を堕落させようとする理由は彼女たちの存在意義には無かった。
であれば女中が香子に手を出す理由は、興味もしくは香子の大奥化。この大奥には複数のサーヴァントが組み込まれており、香子も他のサーヴァントとは別の形で大奥の一部へと変貌させられようとしていた。
女中たちの持つ煙管から発される煙が香子の身体を知らず知らずの内に包み込む。
「へ、変ですっ♡おかしい゙ッ♡からだ、かわって……♡」
サーヴァントの女中化。後にマタ・ハリやシェヘラザードがその被害に遭いかけたそれを、女中たちは香子で行おうとしていた。
「い、いやァ゙ッ♡変わりたくな゙いッ♡♡」
半狂乱になって頭をぶんぶんと横に振り回す香子。そんな彼女の様子など知ったことないと言わんばかりに、女中たちは香子の秘部や乳首を弄るその指の動きを激しくさせる。
「お願いですゥ゙♡ゆるじでぇっ♡♡か、香子はぁッ♡マスターの、サーヴァントにてッ♡♡お゙おっ、ほっ♡♡」
香子の首や肩が痛み始める。それは女中たちの人体における異常部と同じ場所だった。まるで香子をそのままの姿ではなく女中たちと変わらぬ姿に変化させようとするその感覚に、香子は泣き喚く。快楽と恐怖で頭が狂いそうになる。
「ひぃ゙ッ……♡お、同じになりだくないんでずッ♡♡もうやめでぇッ♡♡」
そんな香子の耳元で女中たちが「何卒、何卒、同じニ───」と囁いた。
「ひ、あ、あ゙あ゙ぁッ♡♡」
がくがく、びくびく、と香子は大きく痙攣し、そのまま今までで最も強い絶頂を迎える。
そして香子を襲う痛みも頂点に達し、香子は目玉を上にぐるんと向けたまま意識を失って、香子に群がる女中たちの身体に囲まれ姿が見えなくなった。
◆
大奥の廊下をぎしぎしと鳴らしながら、とある女中は歩みを進める。四本ある腕や持っている得物こそ普通の大奥女中のものだが、その女中は他の女中と比べて絢爛な着物に身を包んでいた。
「何卒、何卒、オ楽シミ────」
カルデアのマスターはまだ来ない。かつてはサーヴァントだったはずの女中は、手に持った煙管に口をつけて煙を吐き出した。