第一節
今更ですがJWC騎手性格捏造有り「……ソレで、マサミさん。あの日からずっとこの世界を終わらせて……いや、この世界を爆弾に変えて……えーっと、オレンジのおねーちゃんが教えてくれた……異星の神?に復讐してやるって……好太郎さんと僕以外はみんな乗っちゃって……けど、どうすれば良いのかわかんない時に、夢で【うさぎのお姉さん】が現れて、このコを引き合わせてくれて……」
「俺をモデルにした奴が、とんでもないヤケを起こしてる……‼︎」
「アトラスの契約書沙汰……‼︎いや、アレはあの村に有る本体の事のみだから今回はセーフか?
だが、そもそもレプリカが複数有るとは聞いてないぞ…グレイちゃんのアレだけだと……」
《ロゴスリアクトって、お虎さんの時のアレかぁ…》
「目に悪い景色プボ……」
まるでバグったゲームの様な世界へ、引き摺り込まれた直後に「成功した…」と呟いて泣き出した彼……今は、段ボール製の馬面マスクを被った、少年の姿に変化したハリボテエレジーから、事情を聞き出した俺達は各々頭を抱えていた
「……ごめんなさい。まだ、外に生きてる人が居て、まだ諦めてない事を観測したから……僕も好太郎さんもそんな人達を巻き込みたく無くて、それで」
「いや、大丈夫。寧ろ知らせてくれて、礼を言わなきゃならんのはコッチだわ」
「えへへ……本物のマサミさんも優しいなぁ」
マサミが撫でて慰めれば、嬉しそうに笑うエレジーにほっこりしながらも、どうすべきか頭を働かせる
「とりあえず、内田さんはこのロゴスなんちゃらの事知ってるんですか?」
「前に、フミオさんからの指示で本体の様子見しに行った時に、ちょろっと触らせて貰った事あってね……どれ、シップ、マスター、補助を。解析してみよう」
《わかりました》
「おうよ‼︎」
手早く魔法陣を地面に描き、解析を始めた内田さんの助力に回らない俺達を見て、エレジーがこてんと頭を傾げる
「和田さんと本物のマサミさんは魔術出来ないのですか?」
「俺は回路ズブくてなー、でも戦闘は任しとき」
「俺も、解析よりかは戦闘向きだから……ウィンブライト!!」
「了解マサミ!!」
「モオォォォ!!!!」
ウィンブライトがエレジーを掴んで横っ飛びした瞬間、雄叫びと共に一頭の……一応馬扱いの牛が突っ込んでくる
「驚いタ、気配は完璧に消したと思ったノニ」
「オレ、耳が良いからね!!」
「ペドロさん!!バーニングビーフ!!」
ほんの少しカタコトなだけの、綺麗な日本語を話すラテン系の男と、立派な体躯の雄牛が……在らん限りの敵意を持って此方を睨んでくる
「どうして攻撃してくる「それハ此方の台詞ダエレジー!!どうしてそんな''ノイズの塊"と一緒に居る⁉︎」……え?」
「そりゃ、そうだ。元々俺達はこの世界には居ない異物……こんな異常が出てるなら、彼方からの見え方聞こえ方がおかしくなってるのも無理は無い」
《そんな…!!》
内田さんの予想にマスターが悲痛な叫びを上げる
「だけど、まぁこんな事見越して魔力リソース掻っ払って来たんだろ。ほら頬袋から出してあざチュウ」
「ピカ!!」
呼び掛けに応じて、ハムスターの如く頬袋から取り出された聖杯を受け取り、キッと内田さんの目付きが変わる
「今から彼等を含めた、この地点の修復パッチの製作を行う!!松岡とシップは此方の補助!!和田とマスターは彼等相手の時間稼ぎを!!マスターは下手に影響が出るかも知れないから、デカい霊基のサーヴァントは呼び出すな!!」
「了解!!ボンド!!」
「持久戦なら負けないプボ!!」
「クソ、今助けルからなエレジー!!」
「ブモッ!!」
《……なら、来て!!弁慶!!ゲオル先生!!》
見慣れた青い光と共に、頼りになる僧兵と聖人の影が現れる
「マスターだけじゃナく……大切な仲間モ、失ってたまるか!!」
「……ペドロさん」
「………大丈夫、アトラシアの本気を見せてあげよう」
間違い無く、血の通った悲痛な叫びと共に戦闘が始まった
第一節 闘牛師の目は諦念に覆われて