第n回目!ギー壺職人ユユツオルタ事件+おまけ:カルデア珍味同好会

第n回目!ギー壺職人ユユツオルタ事件+おまけ:カルデア珍味同好会


チトラーンガダー

「む、戦いの気配がする……」

ビーマ

「そうか?」

チトラーンガダー

「ああ。このカルデアではドゥリーヨダナとその派生サーヴァント達が巻き込まれるトラブルがあまりにも多すぎてな……そうなると必ずバーヌちゃんの魔力が大いに乱れるから、それで気づくようになったのだ」

ビーマ

「なるほどな。……確かに、バーヌマティーはカルデアに召喚されてから、ドゥリーヨダナにべったりだ。だからバーヌマティーに召喚されたサーヴァントであるお前は、マスターとも呼べる存在のバーヌマティーの魔力の乱れを感知出来るわけか」

チトラーンガダー

「そういうことだ。大きな乱れでなければ気づけんが。……そして今、バーヌちゃんの霊基がアルターエゴになったのを感じた。今ならば貴殿が行っても、更なる混沌を招くことはないと思うぞ」

ビーマ

「あのトンチキ王子、今度は何をやらかしたか、あるいは巻き込まれたか……。行ってみるか」

チトラーンガダー

「私も同行するぞ! 弓が疼くからな」

ビーマ

「ほどほどにしておけよ。そうじゃないと俺がアルジュナに叱られる」

チトラーンガダー

「…………善処しよう」

ビーマ

「…………(しないやつだな)」


ビーマ

「ん? オルタのアルジュナか! ……何があったんだ? スヨーダナをがっちりと抱きしめて」

アルジュナ・オルタ

「ビーマ、チトラーンガダー。丁度いいところに。……あれを見てください」

ビーマ

「なんだ?」


シャクニオルタ

「来い、ドゥリーヨダナ。お前も痛いのは嫌だろう? 抵抗してくれるな。こっちに来るだけでいい」

ユユツオルタ

「シャクニ叔父上、あなたがいるからドゥリーヨダナが来ないのです。あなたは壺の用意をしていてください。……さあ、ドゥリーヨダナ。こっちへおいで」

素ヨダナ

「いーやーだー!! もうギー壺に入るのは嫌だ! ずぇ〜〜ったい嫌だ!! バーヌマティー! わし様を助けろ!!」

水着バーヌマティー

「拒否拒否拒否拒否拒否拒否拒否拒否拒否

拒否拒否拒否拒否拒否拒否拒否拒否拒否

死刑死刑死刑死刑死刑死刑死刑死刑死刑

拒否拒否拒否拒否拒否拒否拒否拒否拒否

拒否拒否拒否拒否拒否拒否拒否拒否拒否」

素ヨダナ

「…………は?」

水着バーヌマティー

「大変申し訳御座いません。抗戦徹底致します。」

カリ化ドゥフシャーサナ

「なんかの構文っぽくない?」

カリ化ヴィカルナ

「とりあえず逃げますよドゥフシャーサナ兄さん」

ラクシュマナ

「私は親父味のバタークッキーをビーマに作らせて食べたいから、別に親父がギー壺に入れられてもいいけどね」

ラクシュマナー

「じゃああんたがお父さんの代わりに壺に入れっていればぁああ!?」

ラクシュマナ

「え〜やだよ。自分味のクッキーなんて食べたくないし。親父が入ってた壺が好きな姉さんが入ればいいじゃん。姉さん味のクッキーも嫌だし、姉さん味のクッキーをビーマが作ってたら事案だから作らせないけど」

ラクシュマナー

「いや、私が好きなのは壺の近くにいることであって入ることじゃないんだけど……」

ユユツオルタ

「ラクシュマナー、君も入るかい? 居心地は最高だよ」

ラクシュマナー

「げっ! ああもうラクシュマナ! あんたのせいで目をつけられちゃったじゃん! 逃げるよ!」

水着バーヌマティー

「ユユツオルタはまだいい。……シャクニオルタ。お前はどうしてここにいる? またしても我が夫を傀儡にせんと企んでいるのか?」

シャクニオルタ

「わしはもうそんなことはせんよ。わしはただ、愛しい甥を眺めていたいだけだ」

水着バーヌマティー

「うわキモ。ドゥリーヨダナの愛しい姿なら写真やるから帰れ。お前はカンヤカーを遠目に眺めてろ」


ビーマ

「なんだここ地獄か? ラクシュマナの奴は俺をなんだと思ってんだよ……。はぁ…………」

スヨーダナ

「つまりこういうことだ、かあさま! くーるまーをうーるなーらビッ……」

チトラーンガダー

「おおっとスヨーダナ! それ以上はいけない!」

ビーマ

「……アルジュナ、お前はスヨーダナを連れてマスターを呼んできてくれ。俺とチトラーンガダーがどうにかする」

アルジュナ・オルタ

「わかりました。途中で他のドゥリーヨダナ達や真なる私に会ったら、声をかけておきます」

チトラーンガダー

「戦いか? 私も戦っていいんだな!?」

ビーマ

「カルデアの施設を傷つけるなよ?」

チトラーンガダー

「……わかったぞ。戦えるのならば文句は言わん」

スヨーダナ

「かあさま! かあさまは逃げないのか?」

チトラーンガダー

「ああ、かあさまは逃げないぞ。母とは子を守るためならば命すら捨てられるものだからな。……そんな顔をするな。かあさまは強いから死なないぞ」

スヨーダナ

「……かあさま」

アルジュナ・オルタ

「行きましょうスヨーダナ。ユユツオルタがこちらをチラチラと見ています」


ユユツオルタ

「あれ? スヨーダナの気配がしたんだけど……」

ビーマ

「ここにはスヨーダナはいねぇよ。落ち着いてくれユユツオルタ」

ユユツオルタ

「そっか、残念。じゃあ、ドゥリーヨダナとその子供たちを壺に」

水着バーヌマティー

「入れさせるとでも思ったか? ユユツオルタ。我が夫と娘と息子は私が寝かしつけますからギー壺に入れる必要はありません」

シャクニオルタ

「そうか、残念だ……」

チトラーンガダー

「シャクニオルタが戦闘態勢に入ったぞ! 私も戦うぞバーヌちゃん!」

水着バーヌマティー

「オーケー、私は夫と子供達を逃がすからちーちゃんは足止めお願い」


ビーマ

「……俺は、戦いが激化した時に止める立ち回りをした方が良さそうだな」




ユッダ

「で、ビーマ以外全員マスターに叱られた、と……」

素ヨダナ

「わし様悪くなくない??」

ユッダ

「じゃあそこの壁を壊したのは誰?」

素ヨダナ

「…………ビーマだ!」

ビーマ

「テメェの罪を擦り付けんな。食堂出禁にするぞ」

素ヨダナ

「はいはいわし様がやりましたァー。でも悪いのはユユツですゥー」

ラクシュマナ

「なんで私もマスターに叱られたんだ……」

ラクシュマナー

「あんたがお父さん達の入れられた壺のギーでビーマ義伯父(おじ)様にバタークッキーを作らせようとしたからでしょ!」

カリ化ヴィカルナ

「さすがにそれは私でも引く」

ラクシュマナ

「そんな、ヴィカルナ叔父さんが珍味同好会副会長の私に引くなんて!!」

カリ化ドゥフシャーサナ

「うわあ……俺たちが知らない間にそんなの出来てたんだ」

素ヨダナ

「……ちなみに会長は誰なんだ?」

カリ化ヴィカルナ

「あ、私です。昨日は二人でゲイザーを狩ってきてビーマにハンバーグにしてもらいました」

ユッダ

「何してるの??」

ラクシュマナー

「うわ、絶対食べたくない」

ビーマ

「ゲイザー程度だったら普通に料理できるんだがな。それに、自画自賛になっちまうが美味かったし」

素ヨダナ

「助長させるでな〜い!!!!」


チトラーンガダー

「どうして私まで叱られなければならないんだ……」

アルジュナ

「あの壁に突き刺さった矢を放ったのは誰だ?」

チトラーンガダー

「……すまん、私だ」

水着バーヌマティー

「アルジュナ、ちーちゃんがやったのはあの矢だけです。あそこの壁にクレーターを作ったのは私ですし、床に芸術的なヒビを入れたのは私ですのであまりちーちゃんを責めないように」

アルジュナ

「貴女はもっとマスターに叱られるべきでは……? しかし、わかりました。チトラーンガダー。お前は被害を最低限に抑えるよう努めたのだな」

チトラーンガダー

「! ああ、シャクニオルタが暴れ回るから、手刀で気絶させたぞ! こう、トスッて感じで!」

アルジュナ

「よろしい。よく頑張りました」

チトラーンガダー

「……(テレテレ)」

アルジュナ

「しかし兄ちゃんに任せずに私やマスターを呼ばなかったのは何故だ? 正直に言いなさい」

チトラーンガダー

「…………だって、誰も戦ってくれなくなって……戦いたくて……」

スヨーダナ

「これは思うのだが、かあさまが戦う時に本気で命を取ろうとしてくるのが怖いのではないか?」

アルジュナ・オルタ

「スヨーダナの言う通りです。私も彼女と模擬戦をしましたが、殺気を感じて背筋がゾッとしました」

アルジュナ

「だそうです。殺そうとするのはやめなさい。いくらカルデアでは戦闘不能になっても大丈夫とはいえ、やりすぎは良くない」

チトラーンガダー

「……はい」

水着バーヌマティー

(可愛いな、写真撮ろ)※シャッター音がしないカメラ

スヨーダナ

(バーヌマティーがまた写真を撮っている……あれ?)

アルジュナ

「これからは戦いたい時は私に声をかけるように。いいですか」

チトラーンガダー

「約束する!!」

スヨーダナ

「とうさま!」

アルジュナ・オルタ

「!? どうしましたか、スヨーダナ」

スヨーダナ

「かあさまが、腕を怪我してる!!」

アルジュナ

「何!? 見せなさい、チトラーンガダー!」

チトラーンガダー

「ああ、これか? これはユユツオルタがドゥリーヨダナを捕まえようとしたのを防いだ時に、迂闊だったのだがシャクニオルタに攻撃を受けてしまってな……しかし、かすり傷だぞ? サーヴァントの身であるから、生前と違い傷口から病気になるリスクも無いし、その後手刀で気絶させたし」

アルジュナ

「オルタの私」

アルジュナ・オルタ

「ええ、分かっています、真なる私。バーヌマティー、スヨーダナを託します。スヨーダナ、いいですね?」

スヨーダナ

「いいぞ! これを抱くことをゆるす!」

水着バーヌマティー

「ええ、スヨーダナは私が抱っこしています。まあ、あなたたちならば大丈夫だと思いますが、気をつけてくださいね」

チトラーンガダー

「……アルジュナ? 何処に行くのだ? あと、その、殺気が凄いのだが」

アルジュナ

「貴女は何も気にしなくてよろしい。医務室へ行ってください」

アルジュナ・オルタ

「アスクレピオスに言えば、綺麗さっぱり治してくれるでしょう。私達は行ってきます」


アルジュナ、アルジュナ・オルタ

「「シャクニオルタ、表に出なさい」」

シャクニオルタ

「……もしかして、わし殺される?」

ユユツオルタ

「だから言ったでしょう、貴方は壺作りに専念しててくれと……。残当ですね。2回くらいシバかれてください」

シャクニオルタ

「いやいやいやいやおじさん退去しちゃうって!? 助けてドゥリーヨダナ〜!!」

素ヨダナ

「シャクニ叔父は一回叱られた方がいいと思うぞわし様」

ユッダ

「ドゥリーヨダナに同じく」

カリ化ドゥフシャーサナ

「ほら行ってこいよ叔父さん。よ〜し兄貴、勝負しようぜ! 俺はシャクニ叔父さんが半殺しされるに賭ける!」

カリ化ヴィカルナ

「ドゥフシャーサナ兄さん、自重してください。……しかし、今回くらいはいいか。では、私はシャクニ叔父上が退去寸前でダ・ヴィンチに止められるに賭けます」

素ヨダナ

「ほほう、それならわし様は全殺しに賭けるとするか!」

シャクニオルタ

「え、助けてくれないの?」

アルジュナ

「つべこべ言わず行くぞ」

シャクニオルタ

「あ〜れ〜」ズルズル

アルジュナ・オルタ

「悪は、裁かれなくてはならない……」



素ヨダナ

「ということがあった。だから今はシャクニ叔父はアルジュナ二人に教育死刑教育されているところだぞ。はむはむ」

ビーマ

「残念でもないし当然だな」

素ヨダナ

「ところでこのステーキは何で作ったのだ?」

ビーマ

「あの二人が狩ってきたウッチャイヒシュラヴァスの肉だ」

カリ化ヴィカルナ、ラクシュマナ

「「私達が調達しました☆」」

素ヨダナ

「………………うむ。料理に罪は無いし美味いのは事実だ。わし様は食べるぞ」

ラクシュマナ

「やった、親父食べてくれるんだ!?」

カリ化ヴィカルナ

「もっともっとウッチャイヒシュラヴァスの肉がありますから、どんどん食べてくださいね」

ビーマ

「おう。どんどん焼くぜ!」

素ヨダナ

「お前たちは自重という言葉を知らんのか……?」


復讐王妃バーヌマティー

「インドラの馬であるウッチャイヒシュラヴァスを狩るとは……さすが我が息子、そして義弟(おとうと)。チョイスが最高ね。……作った奴を除けば」

スヨーダナ

「これも食べていいのか?」

復讐王妃バーヌマティー

「あなたのとうさまが帰ってきたら聞きましょうね。……あ」

アルジュナ・オルタ

「ただいま戻りました」

スヨーダナ

「とうさま!!」ギュッ

復讐王妃バーヌマティー

「おかえり。シャクニオルタはどうなったの?」

アルジュナ・オルタ

「退去するレベルまで追い詰めましたが、ダ・ヴィンチに止められました。真なる私が私を逃がしてくれたので、スヨーダナを回収に来た次第です」

復讐王妃バーヌマティー

「……ダ・ヴィンチ達があまりにもアルジュナを責めるようでしたらちーちゃんをけしかけましょう。今回一番に責められるべきはシャクニオルタですから。ユユツオルタはもうギー壺職人としてのアイデンティティを固めてしまったので手遅れですし」

アルジュナ・オルタ

「それもそうですね……」

スヨーダナ

「とうさま! 向こうでウッチャイヒシュラヴァスのステーキが食べられるぞ!」

アルジュナ・オルタ

「ウッチャイヒシュラヴァス……でしたら問題ありません。食べに行きましょう。バーヌマティー、貴方は……」

復讐王妃バーヌマティー

「奴の料理など口に入れたくありません。私は夫を部屋で待ちます」

アルジュナ・オルタ

「ああ、アヴェンジャーの貴女はそうでしたね。では私はこれで」

スヨーダナ

「……とうさま、どうしてバーヌマティーは水着霊基の方が楽そうなのにいつも復讐王妃に戻ってしまうのだ?」

アルジュナ・オルタ

「彼女が水着霊基を保つのに苦痛を伴うからです。スヨーダナだって、ずっとギー壺に入っているのは嫌でしょう?」

スヨーダナ

「いやだ!!」

アルジュナ・オルタ

「それと同じ、と考えていいでしょう」

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