第29話
ウタ「やー、それにしても検査入院って言われたのに長引いちゃってるねー。もう3ヶ月だよ3ヶ月!」
不満そうにブーたれるウタに、俺は内心を悟られない様精一杯の作り笑顔で返す
ルフィ「あぁ、ほんとだよな!シシシ」
ウタ「もー退屈で退屈でさ、ルフィにも心配かけちゃってるよね。でも大丈夫、もうすぐ退院できるはずだから!」
両手の指を絡めながら、ウタは曇りひとつない笑みでそう答えた
ルフィ「…あぁ。楽しみに待ってるよ、ウタ」
ウタ「で、最近は何のゲームしてるの?ルフィは?」
ルフィ「…いや、まだちょっと忙しくてさ。ゲームしてる暇ねぇんだ」
ウタ「…そっか」
?何でそんな寂しそうな顔してんだ?
俺は不思議に思いながら、ふと病院の掛け時計を見て…絶句する
ルフィ「…あっ!やべぇ、バイト遅刻する!!俺そろそろ行くわ!」
ウタ「…ねぇルフィ、もしかして──
ルフィ「じゃあなウタ!また明日来るから」
ウタが何か言いかけてたが、明日聞こう…そう考えながら、俺は急いで病室を後にした