第18話
ベテラン作業員「おい小僧、お前最近ずっとこの現場でバイトしてるな。楽な仕事じゃねーだろ?」
作業がひと段落ついた小休憩中、ガタイの良い男が俺に話しかけてきた
老人とは思えないバキバキに引き締まった身体、きれいに整えられた白い髭…彼はこの現場で1番の古株の作業員であり、皆から親しみを込めて親父と呼ばれている
ルフィ「ちょっと事情がありまして…お金が必要で…ハハ」
ふーむ…と彼は自慢の髭をいじりながら相槌を打つと、おもむろに財布から1000円札を抜きこちらへ突き出してきた
ベテラン作業員「…おい、あそこの自販機でコーヒー買って来い。お釣りは全部やる」
ルフィ「え…!?ありがとうございます、すぐ買ってきます!」
ベテラン作業員「グララ…走って転けるなよ、ゆっくりでいい」
俺は感謝を伝えると、小走りで自販機へと向かった
新米作業員「みっともねぇじゃねぇか親父ィ!俺はあんな子供をパシるような、情けねぇ男の後輩になったつもりはねぇぞ!?」
ベテラン作業員「お前は黙ってろアホンダラ。…それにしても、ありゃほんとに小遣い稼ぎで来てる姿か?あれじゃまるで…」