第10話
ウタ「じゃ、私はこれで。あんたも気をつけて帰んなさいよ」
ルフィ「ま、待って…!」
何事もなかったかのように去っていく彼女に、俺は慌てて声をかけた
ウタ「?なに?」
ルフィ「…お礼に、これ貸してやる」
先程彼女が取り返してくれたゲーム機を、ズイッと差し出す
ウタ「え、いいよ。私ゲームとか全然興味ないし…」
ルフィ「でも…なんかお礼しないと…」
ウタ「律儀なやつね〜。…じゃあ、明日から私と遊んで。遊ぶ相手いなくて暇してたの」
予想外の提案に面食らってしまう。一緒に遊ぶ…つまり友達になれってことか?
ルフィ「え…そんなことでいいのか?」
ウタ「うん!一人で歌の練習ばっかしてんのも、いい加減飽きてきたしさ…」
ルフィ「…よし、分かった!じゃあ、今から俺たちは友達だ!えっと、お前名前は?」
ウタ「私はウタ、あんたは?」
ルフィ「俺はルフィだ!よろしくな!」
ウタ「よろしくね、ルフィ」
ギュッと握手を交わして笑いあった
初めて友達出来たけど…こんな感じなんだな
心臓がドキドキして、顔が熱くなる。なんか不思議な感じだ