立場の違い
ステンノ&エウリュアレその晩、慰安奴隷の乙女のように連れてこられたのは裸身の上に薄い絹布を巻きつけただけの双子の姉妹だった。
現代的な引き戸が閉まると共に、その夜の支配者は自らを解き放つ。
「「…………♡♡」」
具体的には、ステンノとエウリュアレの姉妹の前に棍棒のような男根を突きつけたのだ。
しばらく無言の時が流れる。
マスターはベッドに座りながら肉棒をひくつかせていて、2人に襲いかかることも2人を愛撫することもしない。ただ待っていた。
一方でステンノとエウリュアレというと、寄り添い合い、恋人同士であるかのようにお互いの手を絡め合い、それでいて姉妹の熱視線をお互いではなく男に向けていた。
見る人が見れば瞭然な様子であった。姉妹はすでに壊されていたのだ。
それは姉妹にとっての初夜のこと。女神として、あるいはサーヴァントとして、2人は人間より優れた『乙女』としてあらゆるをし尽くした。
ステンノは笑顔で甘く囁きつつ、その柔肌を擦り付け愛撫した。
エウリュアレはいじらしく視線を注ぎ、しなやかな指先でくすぐった。
処女神として可能なありとあらゆる責めに努めて男を翻弄しようとした姉妹は、遂にはその性欲絶倫を御しきれず、秘裂を暴かれ、ねぶられ、突き立てられ、「やめてあげてそれだけは私がなんでもするから」と懇願するも彼女らが昂らせたマスターには聞き入れられず、処女神の神核を踏み荒らされたのだ。
しかしながら彼女らを壊したのは処女性を失ったことではなかった。姉妹はその、およそ乱暴で、威圧的で、支配するような行為に……恐るべき悦楽を得たのである。
男性的な欲望を体現するような逞しい肉の棒の先から、体内へと女性の肉体を侵略するための体液が吐き出されるたび、脊椎を通して脳まで犯されるような快楽がステンノとエウリュアレを支配した。
頑なだった花園さえも種蒔の喜びに震えぬかるみ、掘削によって元あった世界から交合の快楽に支配された新世界へと書き換えられていく。
何年何十年何百年と処女神として生きたのかは知れなかったが、そうして2人の女神はついには一晩で憐れな淫売へと生まれ変わったのだ。
そうして、肉棒を突きつけられている姉妹は逡巡しているのではない。
首を伸ばせば口づけられそうなそれから目を離せず、動けない。
蛇に睨まれた蛙のように、彼女らの運命を察して硬直しているのだ。
「……、……」カタカタ、カタカタ
しかしいつまでもそうしている訳ではない。時が止まっているようであっても、彼女らの内側では溜まっていっている。
今夜先んじて決壊したのはステンノだった。
「……あ♡ ぁぁあ♡ ぁぁぁぁああっっっ♡♡♡」チョロロロロロ…♡
幾たび引き裂いて犯しても童女のように閉じた乙女からこの上ない雄性への屈服の証である湧水が湧き起こる。愛液の分泌や潮吹きなどでは誤魔化されない。人間の男に堕落させられた女神の失禁に他ならなかった。
ステンノはエウリュアレと手を繋いだままに自ら作り出した水溜まりの床へとへたり込む。ぺちゃと音を立てて自らの温水に座り込んだことにさえも気がつくことはない。赤く張り詰めた男性にキスし、今晩自らに注がれる愛が少しでも多くなるようと祈るのが彼女の全てだった。
そんな姉の痴態を前に、エウリュアレは繋いでいた手をそっと離して自らの陰部に添えた。
「ぅ……ぅ♡」クチュ…♡
エウリュアレはそのまま服従を示すために跪くと、床についたマスターの足の甲にキスをした。
まるでどちらの方がよりみじめな婢女で、より情けを受けるに相応しいかを競い合うための姿であった。
神格を蹂躙され、砕け散ったのちに悦楽で金継ぎしたも同然なステンノとエウリュアレの両名は霊器に破滅的な影響が現れている。もはや2人にサーヴァントとしての能はなく、女神としての権能さえ残骸が散らばっているのみだ。
つまるところ夜傅く2人の少女とは、『女神の美貌と美声と美壺を備えた、無能』であった。
「ちゅ……♡ ちゅ、ちゅ♡ ……っ、ぅん♡ ちゅ……♡」ピチャクチャ…♡
ステンノは鼻で息を吸い、自らの意志で鼻腔から肺腑に至るを雄の空気で犯し尽くしながら何度も何度も口つけていた。舌を這わすなど畏れ多い。それでもこらえかねた情欲は指先を支配して、少しさめ始めた水溜まりの温水をかき混ぜるようにして秘裂の入り口を慰めていた。
エウリュアレはしばらく服従を表す足の甲へのキスを続けてはいたが、ややもあって形勢の悪さを察するとおもむろに立ち上がり絹の薄布をはらりと捨てて正真正銘の裸身となった。
「……………………♡♡」ジゥ…♡
目論見通りマスターの視線がエウリュアレへと突き立てられる。おそろいの髪留めはあの夜以来着けていないので、長髪は降りているが背中側であるため主人の視姦を妨げない。
足の指先から太ももに至るまでしなやかな乳白の地肌と表現するより他になく、内股をつたう源泉を辿れば情欲の涎を垂らしながらも未だ貞淑さの欺瞞に覆われた乙女のクレバスで目が留まる。
「っ……♡ ぅう♡ っ、く……んぅう♡♡」ジュ…♡
まるで犯されている気分なのだろう、手洗い場を探す幼女のように膝と膝とを擦り合わせ、挿入されてもいないものを思っている。マスターはそんな下腹部を舐めるように目線を上げていき、へそを経由してやわらかで小ぶりな乳房に留まった。
神話の時代には『手に届かない偶像』として用をなさず、サーヴァントとあいなってさえも子どもに含ませることもないエウリュアレの桜色の先端は、いまやおのれのなんたるかを知らされ尽くされて見る間に凝り固まった。
「……っ♡ !♡ ♡ ……っ、く……」ガクガク、ジュジュ…♡
涎を垂らし、歯を鳴らせて、腰砕けになりながらも、膝をこすり合わせてその時その姿に至るまでマスターが見やすいよう立ち姿を保とうとするさまはいじらしい。
ステンノにキスされている股ぐらの奥底でずくずくと湧き上がる欲情もまた、姉妹と同じように待てのお預けを受けていた。
そうして、涙に潤んで憐れみを求めていたエウリュアレの目線に目を合わせた。
「…………!!♡♡♡」ピクン
犯す。これから突き立てて、泣き喚いてもやめない。
「……っ! っ! !!♡♡」チョロ…♡
手足を振り回しても、両腕を片手で握り込んで退かす。
「〜〜〜っ♡ ぁ、ぁ、ぁぁ!♡」チョ…♡
突き込んで擦り上げて舐め立てて、壊れ果てるまで犯し尽くしてやる。
「ぁ、あぁ、ぁぁぁぁぁぁぁぁぁ…………♡♡♡ あ〜……♡♡」ショワワワワワ………♡♡
真実、エウリュアレの脳内に響き渡ったマスターの声とは幻聴に他ならないのだがそんなことはこの場にいる全員にとってどうでもいいことであった。
エウリュアレは数秒ほど立ったままで腰の震えを堪えたが、そのまま前のめりに倒れ込んだ。
【いいよ】
「!」 「!」
そんな両者の痴態と言うにさえあまりにも上下の別が着き過ぎたさまを充分に満たしたマスターは、2人にほんのひと声促した。
「♡♡♡ ぅ、ちゅ……♡ ちゅ……ん、れる……♡♡」
ステンノが喜悦に満ち満ちた表情で竿に舌を這わせ始めた。赤々と張り詰めたその先端には珠のような透明の滴が浮かび、ステンノはそれをまるで朝露であるかのようにして大切に舌の腹で包み口内に収めた。
「あぁ……ああ、あぁぁ…………っ」
エウリュアレはというと絶頂を極め散らかした直後であったが故に脚が言うことを聞かず姉が密にたかる虫のように自らのあこがれを啜り上げているさまをもがきながら見上げていた。
必死に、本当に必死のことで、羽をもがれた蝶々のように腕を動かして胴体をくねらせて、マスターの足元にすがると両腕をその脚にかけてやっと半身を持ち上げる。
「はぁ……はあ、はぁ♡ はぁっ!♡」チュ…
「ちゅ……んぁん、んっ!♡」
自らの体重を半身分でさえも支えきれず、なかばもたれかかりながらようやくマスターの股ぐらに顔を寄せると、姉であるはずのステンノの顔を顔で押し退けながらマスターの最も柔らかな精の根源である宝に口づけた。
「んん、んっっ!」グイグイ
「んんん……!」グイグイ
両手で蕩孔をほじくりながら犬のようにして顔をうずめるステンノと、壊れきった下半身のために両腕をマスターの脚につたのようにして絡めながら舌を突き出すエウリュアレの2人。
しばらくは位置が合わずに頬を押し付けあっていたが、やがて双子らしい連携になっていく。
「……はむ♡ むぅむぅ♡ れぅー……」チュパチュパ
「ちゅ♡ ちゅちゅ♡ じゅる……♡」タラー♡
性交のためだけにあふれ出る唾液は口内のための愛液のようにして2人の舌と唇を濡らす。片方がくちびるでハムハムと圧をかけて、もう片方は舌を広く這わせて肉棒を温める。
双子の姉妹にとって彼女たち同士でのキスなど当たり前のことではあったが、それに雄棒が挿入されるだけで最早それは姉妹の口という性器を用いたセックスとなっていた。
「ちゅ♡ ちゅ♡ はむ……♡」
「はぁむ…………♡ ……♡♡♡」
ステンノが根元に移動した隙を見計らい、エウリュアレが先端全体を口の中に含む。口内の熱に当てられてぴくんぴくんと跳ねる鈴口に舌を押し当てれば先走りが味覚と嗅覚を経由して脳を破壊した。
「♡♡♡♡♡ ……ぷぁ、はぁあ♡♡」ヒクヒク
しかし、違う。ほしいのはこんなものではない。こんなものではなかった気がする。
「れるぅぅぅ…………♡♡ はぁ、はぁむ♡」クチュクチュクチュクチュ♡♡
「ちゅ♡ ちゅ、ちゅぅぅ♡ れるぅぅ〜……♡」
今度はステンノが咥え込む番だ。口に含む直前にかけた温かな吐息がマスターを震わせ、やはり先走りは止めどなくステンノの感覚器官を破壊する。
「…………♡♡♡♡♡♡♡」プシッ♡ プシッ♡
法悦の夢中の内で噴いた潮が、初めに床に作った水溜まりを広げてマスターの足を濡らしたが、そんなことは誰も気にしなかった。
そんな姉妹を見下ろしつつ、時折り具合を伺うように上目遣う2人と目を合わせつつ、ようやくマスターはその両手で2人の頭を撫でた。
「!」 「!」
それは口での奉仕でマスターが満たされ始めた合図であった。
「♡」 「♡」
「「はむ♡」」
マスターが両脚を広げて、竿の根本左右から姉妹がキスして包み込む。
【こぼしちゃダメだよ?】
ステンノのエウリュアレも頷くことさえ出来ない。
2人の涎で全体をコーティングされた肉棒は、根本を捉えられ首根っこを捕らえられた蛇のように震えている。
その先端からは先走りが滴っていて、姉妹にとって本音を言えばもったいなくってどうしようもないが、これからのことを思うと仕方がない。
頭を撫で髪を愛でてくれるマスターの手のひらを置いていかなくてはいけないことに名残を惜しみながら、ステンノとエウリュアレはそれまでよりも強めに唇からの圧をかけていく。
びくびく、びくびく、と暴れながら先走りを飛ばす竿の震えを読み取って、姉妹は同時にその顔を肉棒の先端まで擦り上げた。
「「れぅぅぅ〜〜〜…………!♡」」チュゥゥゥ♡♡
柔らかな唇の内側で、2人の舌が竿の左右を舐め上げ反り返りの部分をくすぐった。
「「ちゅっ♡」」
亀頭の先端で2人の唇が合流しキスの形になる。
そしてすぐさまエウリュアレがマスターの先端を口に含んだ。
ドビュルルルルル♡♡ ビュッッ♡ ビュクンッッ♡♡♡ ドピュゥッ♡ ビュルルルルルルルルル♡♡♡
「♡♡♡ んくっ♡ んぐっ、んっ♡♡」ビュルルル♡ ドビュルルルルルルッッ♡♡
「ちゅ♡ ちゅ♡ れる……」チュパチュ♡
相手が人間ならこの一度で何人の娘を孕ますことさえ出来ようかという吐精をエウリュアレは口と胃の腑で受け止めていく。ステンノは嚥下が間に合わずに口からこぼれる白濁液を、床にこぼすことがないように舌で掬って口に溜める。
2人は理解している。マスターからの褒美は奪い合う必要などないのだ。
「んぐっ、ぐ、ぐぶっ♡ ……! ん……くっ……♡ んくっ♡ んくっ、ぐっ♡ …………ごぼっ!!!♡♡」ビュルッ♡ ビュッッビュルルル♡ ビュゥゥゥ♡♡ ビュルッ、ビュルッ♡ ドビュルルルルルルッッ♡♡♡
「! はむっ!♡ んくっ、ん……っ♡♡ んぐっ♡ んくっ♡♡」ビュルッ♡ ビュッッ♡ ビュルルルッッ♡♡ ビュルル♡
エウリュアレがあふれた瞬間ステンノが咥える番となり、マスターからのおくりものをこぼさないように交代するのだ。
「♡♡♡♡♡♡♡ ……♡♡♡ ♡♡♡♡♡」フラフラ
口に種付けれたと表現するより他にないエウリュアレだが、酩酊しながらも口の中の分を飲み込んでステンノの口の端に自らの唇を添えた。
そんな永遠とも思える数十秒間を姉妹は交代し合いながらついには受け止めきったのだ。
ビクン、ビクン…ピクン…ピク…
この世の中の女性を全て孕ませようという意気さえ感じられる射精がようやく止まった。
姉妹はその可憐で美しい貌と幼さの残した胸元のふくらみの上を汚しきりながらも、白濁液をこぼすことなく受け止め尽くした。
「ちゅ♡ ちゅ♡ ちゅ、ちゅぱ……♡」
「ちゅぱ♡ ……れる♡ ちゅぅ♡」
2人がお互いに、毛繕いし合うつがいのようにそれぞれについた白濁を舐め取っていく。
「んんぅ……♡ くちゅ♡ ちゅう……」
「くちゅ……ちゅぱ♡ ちゅぱ……♡」
それらを舌の上に乗せ、お互いに確かめ合うと舌を絡め合い深くキスをして分け合っていくのだ。
「「ぷぁあ……♡♡♡」」
お互いの絆そのものを示すような唾液の架け橋が離れていく舌と舌を繋いで、そのまま切れた。
「ねえ、貴方さま♡ エウリュアレよりも私のほうが快かったでしょう?♡」
「ねぇ! あなた様♡ ステンノなんかより私のほうが好かったでしょ?♡」
……2人は既に致命的に壊れている。
例えば、ステンノは寝バックの姿勢から持ち上げて突き上げると気をやるほど絶頂するが、エウリュアレは正常位で達した姿を見つめ続けながら突き込むと内側全体が震え出す。
本来姉妹に違いはないし、ステンノの私にはエウリュアレが、エウリュアレの私にはステンノの意味が入る。
もちろん姉妹らしく同じところもあって、達した状態のままで弱いところを擦りつづけると繋がったまま漏らしてしまうのが可愛らしい(これはメドゥーサ達も同じだ)が、逆に言えばそれほど同じ部分を挙げなければならないほど違いが出てしまっているのだ。
「貴方さま♡ どうか私をベッドに上げてくださいな♡」
「あなた様♡ 私よね、私をベッドに上げてよね♡」
「「私達、トロフィーの妻はあなたさまに捧げられました♡ 貴方様のための躰♡ 心♡ 魂でございます♡ どうかその雄々しい男性で、私達を慰め満たして下さいませ♡」」