稲生VS紫苑
稲生・紅衣・メメ・虎屋のスレ主─特設闘技場─
「うおおお!吾一番乗りー!紫苑ちゃん勝負なのじゃー!」
「はいはいおはようさん...テンションは低めにしておくれやす」
小さな体をバタバタとさせてカメラにアピールする稲生に対し 面倒くさがりな紫苑は小さくだけ手を振った
稲生は十三番隊の仕事をさぼって五番隊へ来て五番隊の仕事をこなす謎のババアであったため面識はあったが...稲生は藍染と雛森と仲が良い上に紫苑は五番隊の仕事をさぼっているのでなんともまぁ良く分からないすれ違い方をした二人だった
「とりあえず武具をつけねば...『受けて見よ正義の力!正義装甲じゃすてぃすハチマキ‼装☆着‼』...ヨシ!」
「えぇ...」
「...そんなに見てもこれはやれんぞ?浦原に言って作ってもらうか?」
紫苑は無言で首を横に振った 心のうちで勘弁しておくれやすと呟いたが
※影の中でマグダレーナさんが見ています
少ししてスピーカを通した機械的な声で試合開始が告げられた
開始と同時に双方が始解を展開する 片方の刃は淡く青く光り片方の刃は消え失せている
稲生は紫苑から離れようと自信の後方へと駆けようとするが紫苑はそれに問題なく追いつく
「お互いに速いもん同士ってのはなんぎなもんでっしゃろ?早いとこ終わらせましょ」
「斬ったら霊子分解して霊圧がなんたらとか...なんかマユリが言ってた奴!」
軽く一撃縛道で対応しようとしていたのか出していた片腕で受けた稲生 その結果随分とあっけなく稲生の片腕は切り落とされた...
「!?なんぼなんでも腕が落ちるほど斬ってないはず...!」
「えっ うんまぁ自切じゃし」
蹴鞠でも蹴り上げるように落とした腕を紫苑に向けてシュー!
「せっかくの大会じゃし...マユリにちょっと人間爆弾にしてもらったんじゃ!ちなみに両の腕に仕込んでおるぞ!」
紫苑はその場は大きく退くことで爆破の難から多少逃れることが出来た その分稲生との距離は離されたが
「ほんま危険極まりないやっちゃな...」
下手に近づけば自爆してくる...速度が互角なら武装が多い方がもちろん有利になりやすい
当の危険な稲生は補肉剤によって片腕を戻す...多少歪であるが恐らく問題は無いだろう
近づけば不味いとくれば遠距離戦になるのは当然の流れ
空からは蒼いレーザーが降ってくる それに対し鴉が肉壁となって立ちふさがり消えゆくまでに縛道を纏め上げる
「昔から滅却師のような走法やら光やらとやっておったが...ここまでくるといよいよじゃのう」
「周りでやってる奴がいーひんだけや」
「いや普通出来んのじゃ!飛廉脚は!」
≪≪≪縛道の一 『塞』≫≫≫
今度は打って変わって鴉が突っ込みレーザーがそれを押しとどめる
蒼い雨も鴉共の傘も互いに譲らない...数度蒼と黒が弾けあったが終わりは見えない
「かくなる上は!」
稲生は堅獄鴉を歪な腕に持ち替え正常そうな腕を紫苑に向ける
「その顔に!ろけっとぱーんち!」
「蛇腹腕の類か」
腕は切り離され数瞬後に点火し紫苑へと向かう
飛ぶ腕を撃墜しようとレーザーが向かうが鴉がその身を挺して阻止していたが紫苑に届く寸前にどうにか破壊し爆破した
「この"一撃"で決めさせてもらうぞ紫苑ちゃん!」
「もうこれでたいがいにしーや!」
爆破の煙の中から隻腕の稲生が飛び出す しかし刀を振り合うというのなら片腕と両腕では差が大きすぎる
稲生は頭から縦に斬られ顔と肩口まで傷がついたのに対し紫苑はただの一つも切り傷は無かった
「腕はともかく顔や肩までは改造してへんやろ」
「縛道の七十三 倒山晶」
稲生は堅獄鴉を手放しており縛道によって紫苑を閉じ込めた
「お主の始解には斬った傷から大量の"霊圧"を流させるらしいからのう...いまお主の傍の空間には大量の吾の霊圧があるはずじゃ そして吾の始解は吾の霊圧を鴉へと変換する
飛べ 堅獄鴉」
倒山晶の中で黒が瞬く間に広がっていく 中にいる紫苑はその圧力でたまったものではない
多少抵抗し外へ出ようとしたが最終的に身動きが取れなくなり紫苑は白旗を上げた
「いやー浦原に霊子が分解されにくい『じゃすてぃすハチマキ』を作ってもらってなければ敗北していた...やはりまともな斬術じゃと勝てん試合じゃったわ」
そうして一試合目が終了した