秘密
dend-B「まって!」
夕暮に染まった楽土の荒地で、おれの腕をハルトが掴んでいた。
「……はなせよ。」
振り払おうとしてもハルトは離れない。
「全部、話すから、だからまって……」
「今更遅い、もういいから」
「お願い、聞いてよ!」
カッとなって言い返そうとした瞬間、ポツポツと水滴がおれの頬をうつ。
すぐにそれは大量になって、ざぁざぁと音を立てて降り注ぎ始めた。
「こ、こっち!!」
ハルトはおれの腕を掴んだまま、目の前の洞穴へ駆け込んでいった。
「この時期の夕立だし、そんなに長く続かないと思う。」
ハルトに背を向けたままそう告げる。正直、今は顔も見たくなかった。
おれより強くて、なんでも持ってて、おれの気持ちを知ってるのに隠し事をしてたやつとなんて……
「うん、ありがとう。」
ハルトも気まずいみたいに言葉少なだ。
「……体冷えちゃうし、着替えあるからさ。使う?」
沈黙を破るためだろう、ハルトはそう言ってきた。
「うん、借りる。」
初夏とはいえ体が冷えていくのを感じていたおれは、そう答えた。
服を脱ぎながら、ハルトがぽつりぽつりと呟く。
「……ごめん、本当ならスグリにちゃんと伝えるべきだった。」
「なにを?」
「オーガポンの、こと。聞いてたんでしょ?」
「気がついてたんだ。」
「うん、ちょっとパルデアの方でそういう気配に敏感になってて……」
ポリポリと頭をかいているハルト。少しだけ、雰囲気が柔らかくなった。
「なんで……なんで教えてくれなかったん?
友達なのに、なして隠した?」
「ゼイユさんとおじいさんにそうお願いされたのと、知ってるならいいやと思ったんだ。」
「へぇ、友達のおれよりねーちゃんとかじーちゃんのほうが大事なんだ。」
ムッとなってそういうと、ハルトはワタワタと慌てる。
「そうじゃなくてさ!結局あの話って、そもそも僕が部外者で聞くべきじゃなかっただろ?
だから、その、本来話すべき人たちの意見を優先すべきかなぁって……」
「………」
「……そもそもスグリだってあぁいう状況でゼイユさんにがっつり口止めされたらなかなか言いにくいでしょ?!」
じっとりと見つめていると、いよいよハルトの本音が飛び出た。
「はぁ……」
「でもさ、それじゃダメだって思ったから、全部話すよ。全部。」
「いや、おれは内容さ知ってるからいい。ただ隠されて仲間はずれにされてたのが嫌だった。」
「うん。」
「仲間はずれにしないで。もう、絶対。」
「うん、約束。」
指切りをしようと近づく瞬間に気がつく。2人とも服を脱いだまんまで裸だ。
気がついた瞬間、なんだかすごく恥ずかしくなった。
「とっ、とりあえず服を……」
そう言って背を向けた瞬間、後ろから抱きしめられた。
「スグリ、実は僕、もう一つ隠してたことがあるんだ。」
「へ?」
なんだか雰囲気がおかしい。ハルトからなんだかじっとりした気配がする。
「僕さ、スグリに一目惚れしちゃった……♡」
「はっ?!な、なしたべろっと?!」
「スグリが悪いんだよ♡僕に憧れるスグリも、嫉妬してるスグリもぜーんぶ可愛くてさ♡」
耳元で囁かれてこそばゆい。
ハルトの言葉に呆気に取られて身動きも取れない。
ピッタリとくっついた生の肌の温度が、おれの背中に馴染んでいく。
「そ、そんなわや変なこと……」
「変じゃないよぉ♡普通普通♡」
ハルトの手が、おれの股を撫でる。
「ひゃっ?!」
「なんだ、否定してるのにスグリのおちんちんは興奮してるじゃん」
すりすりと擦られて、むずむずと何かが上がってくる。
「正直になりなよ♡スグリ♡」
「そ、そんな、おれは変態じゃ……」
「強情だなあ……」
そういうが早いが、ハルトはおれの耳を咥えた。
「ひゃあっ?!」
手をゆっくりと動かしながら、音を立てて耳を吸われる。
「だっ、ダメっ、でるっ……!」
あたりの快楽に耐えきれず、射精してしまう。
体を震わせてイッているおれの耳元でハルトが囁く。
「ほら、気持ちよかったでしょ?」
実際、こんなに気持ちよかったのは初めてだった。
頷くと、くすくすと笑い声が聞こえた。
「スグリ、見てて?」
背中から温もりが消えると、ハルトが目の前に出てくる。
その手のひらには、おれが出したばかりの、多分人生でいちばんの量の白濁。
「いただきます……♡」
呟いてハルトはそれを啜る。
音を立てて飲み下していく。
それを見て、おれは気持ち悪いとかじゃなくて、すごくドキドキした。
「っぷは……濃ゆくて、美味しかったよ?」
飲み切って優しく笑いかけるハルト。
それを見て、男同士だのと言った抵抗感はどこかへ吹き飛んでしまった。
「は、ハルト、おれも……」
「まだだよ。」
いきなり冷たい声でハルトが制止する。
「な、なして?」
「もっと、気持ち良くなりたいでしょ?」
その言葉に、おれは生唾を飲み込んだ。
-
公民館は新しく建て替えて防音もしっかりしている。もちろんそれは宿泊施設としてでもあるが、ラブホテルすらかなり遠くまで行かなければ存在しないこの地域においてはその代替の役割を果たすこともあり得るから、などという裏の話はなかなか出回らない。
ただ、ハルトはその目的までは知らなくとも、どんなに大騒ぎしても音が漏れないことに気がついていた。
ゼイユと何事もなかったかのように会話して宿泊する部屋に戻り暫し。
コンコン、と窓をノックする音が聞こえた。
「いらっしゃい、スグリ」
窓を開けると、待っていた少年がおどおどとしながらこちらを見ていた。
手を貸してやって部屋の中に入れてやる。
「へぇ、公民館の部屋ってこんなになってたんだなあ」
スグリはきょろきょろと部屋の中を見渡す。
旅行鞄から大きくは旅の荷物を広げていないハルトの部屋は、プロトタイプな宿舎の内容がよくわかった。
「スグリ、いってきた通りできた?」
「う、うん……全部綺麗にした」
その返事にハルトは満足げに頷くと、スグリを抱き寄せてキスする。
「んんんんん?!?!?!」
スグリが目を白黒させるのもお構いなしに舌を入れ、口内を蹂躙する。
スグリの舌がジタバタともがくのを絡めとり、吸い付いてやればスグリは目を蕩けさせて大人しくなった。
充分に口内を堪能して口を離すと、はっ♡はっ♡と浅く息をしながらスグリは顔を赤らめていた。
「ご褒美、だよ」
くすりと笑いながらハルトはそう言って、スグリの洋服に手をかける。
脱力していたスグリの服は簡単に脱がせることができた。
ピンク色の乳首はピンと立って、おちんちんの先からはたらりと透明な液体が落ちている。
「キスだけで発情しちゃうなんて、スグリって変態だね♡」
「お、おれは……変態……♡」
反論どころかその言葉を受け入れてしまったスグリに笑みを深めながら、スグリをベットに押し倒す。
「落合河原にあんなにたくさんヌオーがいるのって、きっとこのためなのかもね」
そんなわけないのだが、そう軽口を叩きながらスグリの尻の穴にヌオーからもらった毒性の低い粘液を塗り込んでいく。
「ひゃっ、ひゃっこい……」
「大丈夫だよ、これからあつぅくなるから。」
そう言って、ハルトは自分のモノを取り出す。
「ほらスグリ、見てみて?」
「へっ、へぇ?!」
そのモノを見て、一気に意識が現実に引き戻される。
ハルトのそれはハルトのヘソまであって、太さもスグリの2〜3倍はありそうだった。
「こ、こんなでっけぇの、おれ、壊れ……」
「大丈夫だよ、そんな簡単に壊れないからさ」
そう言いながら、震えるスグリの腰を手で掴む。
「ちょっ、まっ……」
懇願虚しく、ハルトのモノがスグリの尻へ一気に押し込まれる。
凄まじい圧迫感と、一拍おくれた強烈な快楽が押し寄せる。
「お……お゛ぉ゛お゛おおぉ゛♡♡♡♡♡」
スグリの絶叫は、口の中に突っ込まれたハルトの指で抑えられた。
スグリは必死にその指を舐め回す。
すぐに手は引き抜かれ、そのままその手はスグリの、今の衝撃で人生で1番大きくなっている、それでもハルトよりはるかに小さいおちんちんに添えられた。
「ほらっ♡スグリ♡ここ気持ちいいでしょ?」
「あ゛っ♡だめぇ♡そごぉ゛♡じゃぐでんっっ♡」
ハルトの先端が、スグリの前立腺やそのさらに奥をなぞりあげる。
「じゃぐでんん♡づがれでる♡いっぱい゛ぃっ♡
お゛っ♡いぐっ♡やべ♡いぐぅっ♡」
突かれているリズムに合わせて、びゅるる、ぴゅるるとスグリのおちんちんから精液が漏れ出る。
「スグリぃ、なにお漏らししてんのさっ!」
「ぉ゛お゛ほ゛♡た、だらじでねぇっ♡だらじでぇ♡」
「嘘つき……もう突くのやめちゃおっかな?」
ピタリ、と腰の動きをハルトが止めると、「へっ?」と素っ頓狂な声をスグリがあげる。
「残念だなあ、でも嘘つきじゃしょうがないよなあ?」
スグリの弱点の少し手前をクリクリと刺激しながら、ハルトは囁く。
「やすめんで♡はるとぉ♡やすめんでぇ♡」
ひんひんと誘うスグリ。
「それなら、言うことがあるよね?」
「……せ、精液さ無様に垂らしたおれのけつたんぽ、ハルトの立派なので壊してください……♡」
きゅうきゅうと締め付けながら、スグリはそう囁いた。
我慢ならず、ハルトは全力でストロークを始める。
「お゛ぉ゛お゛ほ゛ぉ゛お゛お゛っ♡♡♡♡
じゃぐでん♡だめぇっ♡おがじぐなる♡わ、わやじゃ♡もどれなくなる♡お♡お゛お♡」
ビクビクと体の下で震え、突くたびに精液を漏らすスグリの体を抱きすくめながら、グツグツと煮えたぎる欲の塊が登ってくるのをハルトは感じていた。
「スグリ♡なかにぜぇんぶ出すからね♡」
「あ゛っ♡あ゛♡ぉ゛♡」
半分意識が飛んでいるスグリに囁いて、大きく腰を引く。その違和感に、スグリが戻ってくる。
「は、はるとっ♡それだめじゃ♡だめ♡やめ……」
どっっっちゅぅん!!!!
ドプぅ、びゅるるるるっ!!!
「っあ……」
弱点を限界まで突き上げられ、さらにそこに煮えたぎった精液をかけられたスグリの脳はその情報を処理するのにたっぷり1秒使って、全てアウトプットした。
「ほ゛ぉ゛お゛ぉ゛お゛お゛ぉ゛お゛お゛っっっっ♡♡♡♡♡♡
がぁぁぁぁぁぁぁ♡♡♡♡♡♡
ぎぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛♡♡♡♡」
ぶしゃぁぁぁ!と音を立てて透明な液体がスグリのおちんちんから吹き出す。
思い切り潮を吹いて、腹の中を焼き尽くす熱に幸福と快楽を感じながらスグリの意識は闇に沈んでいった。
スグリの目が覚めると、まだ外は暗かった。
5分も経っていないらしく、射精を終えたばかりらしいハルトの逸物はスグリから抜かれていた。
「スグリ、起きた?」
「う、うん……」
「じゃ、舐めて♡」
眼前にずいっと差し出されるそれに、スグリはむしゃぶりついた。
竿にキスを落とし、亀頭を丁寧に舐り、ゆっくりと口の中に入れてストロークする。
「……ねえ、スグリ?」
「んむ?」
「酷いこと、していい?」
爛々としたハルトの声を聞いて、軽く頷く。
スグリの後頭部にハルトの手が当てられて、思い切り押し込まれる。
「んぐぅぅぅぅぅぅぅ!!!♡♡♡♡♡」
食堂の奥まで一気に埋められて、引き抜かれて、埋められてを繰り返して、酸欠で朦朧とする。
「1番奥にっ♡注ぐよっ♡」
そうハルトはいうがはやいか最も深くまで突き入れて、精を吐き出してゆく。
マグマのような熱さがスグリの胃の全体を満たしてゆく。
その熱さと喉を塞ぐハルトの脈動に、スグリのおちんちんも反応したのかとぷとぷと精液を漏らしていた。
なんとか意識を保って全てが終わった後、2人でシャワーを浴びる。
「にへへ♡ハルトにおれの弱点さ♡い〜っぱい♡突かれちゃった♡」
はにかみながら、湯船の中でハルトの上に座るスグリ。
「スグリの弱点は僕とスグリだけの秘密だね♡
もちろん、今日のことも、これからのことも……♡」
そうハルトが返すと、嬉しそうにスグリは微笑んで、
「だなぁ♡2人だけの、大事な秘密♡」
そう言って口付けした。