私達の半分こ

私達の半分こ



ト、トレーナーさん!?

そ…そのスイーツは期間限定の…!?

う…羨ましいですわ……!

……え?"半分こ"…?つまり半分をいただけるのですか!?

嬉しいですわ!是非!ぜひ!

……美味しいですわ!今度は一緒に連れていってくださいまし!


私、メジロマックイーンのトレーナーさんはとても優しい方です。いつも私の事を気にかけてくれまして、トレーニングもその日その日の私に合ったものを考えてくれています。

それに体重が付きやすい…でもスイーツ好きな私の事を考えて低カロリーで甘いスイーツを時々作って頂けたり…本当に私を支えてくれているのです。

だからこそ、私もメジロだけではなく…トレーナーさんの期待に応えられるよう日々精進しているのですわ。


ですが…私は知っています。

私を支えてくれて…笑顔で見守ってくれるその裏で、夜遅くまで無理をしている事を…

メジロのウマ娘を担当したが故の重圧と批判を受け続けている事を…

それなのに私の前ではそんな事無いと主張するように笑顔で振る舞っている…

その笑顔が時折私の心を締め付けるのです…

だから私は決意をしました。そして夕暮れ時のトレーナー室の目の前にこうして立っているのです。私は意を決し、ドアを開きました。


トレーナーさん、失礼致しますわ。

やっぱり…お仕事されていたのですね…

ここに来たのはトレーナーさんのお仕事のお手伝いに来たのですわ!勿論…私に出来る事は限られていますけれど…

自分は大丈夫……?ならその目のクマはどうしてですか?その栄養剤の空瓶の山はどう言う事ですか!?

………無理をしないでくださいませ。

あの時、"一心同体"を誓いましたのに…

あなたが苦しみ、私だけが喜ぶだなんて…そんな事…私は望んでいません!


楽しい事も…悲しい事も…

嬉しい事も…悔しい事も…

全部二人で"半分こ"…それが本当の"一心同体"…そうではありませんの!?

だからお願い…私を頼って…


……ありがとう…トレーナーさん…

…さあ!お手伝い、頑張りますわ!


ふぅ…これでお仕事ひと段落ですわね…トレーナーさん、やっぱり疲れているのでしょう?

どうしたら……閃きましたわ!ええと…

わ…私が膝枕してあげますわ!さ、さぁ!


…すぐに寝てしまいましたわ…本当に疲れていたのですね…大丈夫です。これからはみんな"半分こ"。

一緒に支え合っていきますから…ね。



トレーナーさん…今まで色々二人で"半分こ"してきましたわね。それはこれからもずっと変わりませんわ。

ですが…これだけは…"半分こ"なんてできませんの…

だからお願いしますトレーナーさん…

いいえ、"あなた"…

決して"半分こ"できない私達の想いを…その誓いを…私のこの指に………



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