福袋(架空)
エースと結婚してから初めて迎えた三ヶ日。彼女の実家に挨拶しに行こうと思ったが、「新婚なんだから2人きりでゆっくりしなさい」と電話で断られてしまい、初詣も買い出しも1日に済ませてしまったので、なにもする事がない。
「雑煮作ってくるな」
「何か手伝えることない?」
「大丈夫!三ヶ日が終わったらまた忙しくなるんだから、休めるうちに休んどけ!」
……と言うように、エースの手伝いをしようとしてもやんわり断られてしまうため、俺は暇を持て余していた。
テレビを付けても特番は面白くなく、早々に消してしまい、スマホでSMSをボーっと眺めていた。
すると……。
「………推し袋?」
診断アプリなのだが、推しの名前を入れ診断すると、推しの架空のアイテムがランダムで表示されるらしい。
俺は興味本位でエースの名前を入れて診断してみた、その結果。
カツラギエースの福袋
【中身】
・カツラギエースのあけおめボイス3種類
・カツラギエースの手作り弁当
・カツラギエースの◯◯◯
・カツラギエースと温泉旅行
・カツラギエースと1日デート券
【価格】987822円(税込)
真ん中ぁ!!
他は至って普通だしなんなら実際に欲しいが真ん中は駄目だ!100万円、いや1兆円積まれても誰にもやらん!!
……なに遊びツール相手に本気で怒っているんだ俺は……こういう診断系ならそういうセンシティブなのはあるだろうに……。
駄目だ、診断結果が頭にチラついて落ち着かない。
やっぱりエースを手伝って来よう………。
「…………」
スマホを置いて後ろを振り向くと、茶碗を持ったエースが立っていた。
視線を逸らし、顔を真っ赤にさせて……。
「………◯◯◯……欲しいなら言えよ……」
「診断アプリだからね!?俺が好き好んで書いたんじゃないからね!?」
誤解を解くのに日が暮れるまで時間が掛かった。
2度と診断アプリはしないと誓った、新年の2日目であった。
終わり