祝福を告げる鐘

祝福を告げる鐘

あぁ、しっかり視たぜ

鐘の音が聞こえる。


1回目はわたし達に


2回目は育ててくれた人に


そして3回目はみんなに


祝福の音が響き渡る、今までに聴いたどんな鐘の音よりもずっと幸せな音色


純白のドレスを着て、ちょっと頑固なひとに一緒に道を歩いてもらって


わたしが歩く先には彼が立っている


わたしのだいすきなヒト、あいしてるヒト

わたしがだいすきなヒト、あいしてるヒト


こんな日が来るとは思っていなかった。

こんな日が来ることを望んでいた


色々な人に見送られて、わたしは彼の元にたどり着く


あぁ、こういう所、慣れてないから緊張するなぁ。わたし。ちゃんと出来てるかな


でも、わたしだけが緊張しているわけじゃない


彼も緊張していた。勿論、それはわたしにしかわからないけど


誓いの言葉で、彼はものすごい緊張していたのか、すごい噛み噛みだった。わたしもなんだけど


…でも、それくらい真剣に想ってくれてるってことで、そんな頑張る姿が愛おしかった


指輪をお互いに嵌めて、いよいよ……


彼がベールを上げた、遮るものがなくなって、彼と目が合う

もう慣れているはずなのに、恥ずかしかった

彼も少しだけ照れていたけど、その目はわたしをずっと捉えていた


わたしと彼は、顔を近づけて。誓いのキスをした



これはゴールインの証じゃなくて、スタートの合図

これからずっと、あなたと一緒にいる為の約束


お互いがお互いを尊敬しあって、助け合う

喧嘩しちゃう時もあるけれど、絶対に仲直りする

辛かった時は、寄り添ってあげる

楽しい時は、一緒に楽しく

嬉しいことも悲しいこともはんぶんこする

わたし達、きっと出来るよね



わたしと彼は、この日をもって結ばれる

きっとこれから待つのは幸せな事だけじゃないけど、そんな事あったねって。笑いあえるような日々を作っていこうね。リツカ











































「うわぁ!もう遊びすぎだよ!」

「きゃっきゃ!!」

小さい子の面倒見るのって大変!ちょっと目を離したらすぐどっか行くし、すぐ暴れだすんだから!

「あははは、まるで誰かさんみたいだね」

「こらぁ!!わたしのことかぁ!!」

でもこの子とんでもないの、やたら察しが良くって、なんにでも気づくし…もう誰に似たのかな

「でもさ、君に似て元気だよね」

「あなたにだって、優しいとことか…」

この子を抱えた途端、疑問が浮かんだ

「わたし、ちゃんとおかあさんできてる?」

ちょっと、いやかなり不安だった

自信が無かった。ちゃんと責任と自覚はあるから無責任な言葉ではないはず

…でも、やっぱり不安だった

「…そりゃオレだって不安だけどさ」

彼もそうだった、正直彼の方がこういう事に向いてる

でも彼だって一人の人間。出来るかもってだけじゃ到底成し遂げられない

「その子の顔を見たらすぐわかると思うんだ」

この子はずっと笑ってた。

わたし達はずっとこの笑顔を守ってきたし、これからも守らないといけない

「わたし、わらえてるかな?」

でも、ダメだなぁわたし。この子の前で涙は見せたくないのに、嬉しくて涙出てきた。

「うん、笑ってる。2人ともそっくり!」

「…よかったぁ……」

わたしと彼の子。この子にはずっと笑顔でいて欲しい


ちゃんと親をやれてるかわかんないし、多分失敗することもあると思うけど

あなたが無事に成長することを祈ってます。































「ねぇ、おとうさん、おかあさん」

「ん?」「どうしたの?」



「…だいすき!!」

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