硝太とピンク〜デートプラン編〜

硝太とピンク〜デートプラン編〜


「…な訳でデートのプラン、どうしたら良いですかね?ピエよんさん。

あ、その位置でお願いします。光源良い感じ」

「なるほど、この位置か。分かったヨ

…難しいねぇ。その子の好きなものを押さえるのが無難だけど、何が好きな子だい?」

「はい、OKです。ではピエよんブートキャンプⅡのメニューの確認入ります…それが分からないんですよね。いや、何を言っても楽しそうだったり、食べ物も基本何でもいけるみたいで」

「確認はいるよ…何それ、天使かな?」

今僕はピエよんさんの撮影の手伝いしながらデートの相談をしていた。

この人、意外にモテるし。

「風野さん時代はどうでしたか?」

「元カノには遊ばれていたフシあるから参考にしないほうが良いよ?ピエよんやってからの方がモテるけどお金目当てな人も多いから難しいねぇ…まあ、アクアくんに聞いてみたらどうかな?彼、天性のたらしだよ?

…うん、このメニューならビギナーがルーキーレベルの上達見込めるネ。硝太くん、久しぶりに子ピエよんやらないかい?デート代の足しにしてあげよう!もちろん僕のポケットマネーだ」

「兄さんはモテるし女心知り尽くしてるから確かに…わかりました!

後ありがとうございます!!じゃああのやさぐれヒヨコ被りますね!」

「あのやさぐれ感が可愛いんだよ?」

ピエよんさんの撮影を手伝った後は兄さんに相談だ。 

後ピエよんさんの学生時代お気に入りのカフェと最近食べに行った美味しいステーキ屋さん紹介してもらった。候補に入れよう。 

ーーーー

「なんだ硝太、デートプランを考えて欲しい?相手は誰だ?好みは?嫌いなものは?それを元に考えてやる」

「おお…凄い乗り気…ありがたい」

よくわからない医学書を読んでいた兄さんに声を掛けると食い気味で聞いて来た。心無しか笑みを少し浮かべている様に見える。

…楽しんでる?

「兄さん、楽しんでる?」

「ああ。かなり」

「素直だなぁ…まあ本音隠しても僕は読みとれるから意味ないけど」

「勘違いするな。友達いなかったおまえが友達出来て、その子とデートらというのが嬉しいし面白いんだ」

「面白い、は余計じゃない?」

兄さんにジト目で抗議するが素知らぬ顔で受け流される。

「硝太、一先ず何処行くか聞いていたり考えていたりするか?」

凄くキリッとした顔で東京ミシュランやるるぶを持って来た…

「みなみさんから言われているのは……」

ーーーーー

「…なるほど。ピエよんさんが言ったカフェは少し下見しておけ。

口コミ見る限りは悪くなさげだが、投票者数が少ない。サクラの可能性があるからな。

寿さんの要望で考えるならおそらく最初は買い物だろう。

そして食事か軽食。シメにカラオケか…可愛らしいな。実に青春だ」

「なんか凄い歳上の女遊び慣れてる人の感想みたいだなぁ…兄さん、彼女いなかったよね?」

「ああ。(今世では)いないし、今のところ作る気もないぞ」

お可愛いこと、とか言いたげな眼差しで言ってくるものだから聞いてみたけどなんか上から目線で少しムッとする。

善意100%だから流すけど。

「初デートでおまえはお金が無い、という前提だろうから、おまえが最大限に良いと思う店をチョイスしたら良い。いきなり高い店を選ぶな。1軒目は普通。なんならネットの有名どころ、もしくはファミレスでも良い。形はまずは今日の打ち合わせ、みたいな。

二軒目は本命、な感じだ」

「いきなりスペ○ウム光線撃たない、みたいなことか」

「そうだ。必殺技は何故必殺か…威力もそうだが、状況を必殺にしてから放つから必殺なんだ」

「納得しかない…」

兄さんてこんなに含蓄あること言う人なんだな…知らなかった。


「相手は芸能人だからネットで有名な店より

評価は互いが評価者少ない店、が良い。チェックしていないのに良い店を知ってる、はかっこいいだろ?」

「確かに…」

含蓄しか無いな今日の兄さん。尊敬してるけど尊敬しかないぜ…!

「まあ一般的なアドバイスだ。今週の土曜から例の恋愛リアリティショーだが、放課後空いてるから店探しに付き合うぞ」

「至れり尽せりで逆に怖い…」

「久しぶりにルビーも誘うか?兄姉弟3人で街に出る、てのも久しぶりだしな」

「姉さん友達多いけど、どうかな?」

3人で街に出たの結構前だよなぁ…凝り性の兄さんの秋葉の買い物について行ったけな。中々アングラなものだった気がする。

集音マイクとか小型カメラとか、GPSとか。

ーーーー

「みなみとのデートの下見?行く行く!!めっちゃ行く!私もどんな店チョイスするか、とか今の流行りとか教えたいし!」

「わー…凄い乗り気」

「お姉ちゃん的には大事な友達を弟に預けるんだよ?下手なことして欲しく無いじゃん」

「至極もっともだな」

うんうん、と頷く兄さん。

ノリが良い。

「責任重大じゃん僕」

僕の失敗が姉さんの友達付き合いに影響出るのなら、しっかりとしたものにしなければならない。そう感じたのだった。

ーーーー

「うふふふふふ。硝太くんとデート♪デート♪

定番のハチ公前で待ち合わせしたいなぁそこは!

移動して予定の確認をファミレスやカフェでして服とアクセを原宿で見て、硝太軍の要望も聞いて、最後はカラオケ!2人きりやし…ウチも大胆にイケる!派手目の下着にすべき…?

よし!ルビーに明日相談しよか!!

はよ日にち決めなあかんな…うーん…」

髪の毛ピンクは脳内もかなりピンクだった。

Report Page