砂漠の国のクリスマス

砂漠の国のクリスマス

ルカボーイ



今の時期でも砂漠の国のここアラバスタでは目立たないけど今日はクリスマス


復興で大変なアラバスタ王国の皆に少しでも

幸せになって欲しいので


子供達にはお菓子やおもちゃ


大人達にはお酒や料理が振る舞われた


物資の支援を普段より多く政府に申請しそれが通ったのでできたイベントだ


表向きは海軍、政府側が救ったとされるこの国


真実を隠したい思惑がある側に

さっと要望を通した国王のパパはやっぱり凄い


国を治める可能性が高いわたし達には見習う事が多い


「うん?どうしたビビ?」


「ううん、なんでもない

それよりはい、ルフィ、あーん」


「あーーん」


王族として血を引いてるのはわたしだけなのに

達な理由は

目の前にいる彼がいるからだ


まだ限られた人しか知らない

この国を救ってくれた1人の海賊ルフィ


そしてわたしの愛する夫だ


2人っきりの部屋にほんの少しの飾り付けが

されたクリスマスツリー



宴が好きな彼だったら皆に交じり

お酒や料理をいっぱい食べてる姿が思い浮かぶかもしれない


わたしも本来この時期は離れてた期間も含めて

式典やら外交とか王族としての業務をしなければいけない立場だけど


「皆が仕事とか任せてくれて、レイリーさんが

修行のお休みをここに使ってくれて

皆には感謝しないとね」


「そうだな…コブラのおっち…お義父さんやイガラム達にお礼言わないとな、俺」


彼の言葉使いや立ち振る舞いが前にあった時より大人びてるのをちょっと嬉しいかったり寂しかったりもする


前に彼に聞いたら



【あの時ナミを助ける為にビビがやってたのを見てたからな!】



そう彼は言った、知らずに影響を与えてる事を嬉しく思う



「ねぇ…ルフィ、改めてありがとう


「俺たちはクロコダイルをぶっ飛ばしただけだ

国が良くなってるのはビビ達が頑張ったからだろ?」


嬉しい事をさらっと言ってくれる彼


「うん、ありがとう…でもね」


そう言って彼の手を取って私の…前より大きくなったお腹の上にそっと引き寄せて撫でる


「わたし自身も大きなプレゼントを貰ったから…」


国民の前に立ったりする表だった行事を

皆に任せてる理由はもう一つ


わたしはルフィの子供を身籠もっている



あの時、戦いのあと2人っきりになった夜に

せめてもの思い出として


私たちは無責任に愛し合う行為をした

その時の証が今形になって出始めてる


大変だったけど、助けてくれる大人達が多くいて、何より愛する彼を悲しませる選択はわたしにはなかった


色んな苦労があったし、彼にも多くの事があって


そんな曲がりなりにもお互いがこうして巡り合ってこうして

静かだけどとても素敵な時間を過ごせてる

奇跡を誰にとは言わないが感謝したい



「2人でこうやって過ごす時間でも充分幸せなの…」




「いつか3人…ううん、もっと多くの皆でね…!


それは今度増える家族?それとも皆の前で

堂々と子供達と歩けるようにするためかな?

ちょっと曖昧にして放った言葉だけど



「…おう!海賊王になって夢の果てで

絶対叶えてやるからなビビ…!」


ルフィはきっとそれを感じ取ってくれる



「ビビ…」


この空気にあてられたのかな…

そっと彼の手が私の頬に触れる


「ルフィ…」


わたしはそっと目を閉じる


何度もしてるけどドキドキする

触れるだけのキス



2人きりでいられる時間はきっと今だけ…




「まだ食事も残ってるから食べましょう。」



そんなささやかな幸せに浸りながら

彼の手を握り料理が並んでる席に戻る


2人だけのクリスマスはまだ続く


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