瞳SS

瞳SS


※無自覚両片思いな距離感のバグった親友です 

※バスルームの前に洗面所がある想定です

※アオイちゃんはこの事を知って直ちにペパーと試そう!と思いつきました。他の人と試すって選択肢は浮かんでません

※ペパアオって素晴らしい!という気持ちで書きました。セリフなど解釈違い等あったら申し訳ありません。

※感想を下さる皆様、いつもありがとうございます!


「ペパー!居る?」

放課後、軽快なノックと共にペパーの部屋をアオイが尋ねる。ペパーはアオイの分の夕食の算段をしつつマフィティフと迎え入れる。

「アオイ、どうした?」

「ちょっと試したいことがあって、いい?」

「試したい事……?何だ?」

「えっと、今日読んだ本に瞳孔の大きさは明るい所と暗い所で違うってあってね?それで、見てみたいなーって思って」

「ソレをオレの目で試すのか?」

「うん!………ダメ、かな?」

「もちろんいいぜ!まずは明るい所で見てみるか?」

「本当に!?ありがとうペパー!」

不安げな表情が一転して嬉しそうな顔になるアオイにペパーまで嬉しくなる。

「じゃあ、失礼するね…………ペパーの瞳ってきれいだよね。めざめいしみたい」

「………ちょっとネモくね?」

アオイの感想を茶化しはするが、ダチが自分だけを見ているというのは気分のいいものだ。自然とペパーの口元に笑みが浮かぶ。

「だってとってもきれいなんだもん!よし、じゃあ次は暗いところだね」

「それなら洗面所がいいかもな。あそこは電気がないと暗いし」

2人で洗面所まで移動し、暗めの照明をつける。先程と同じくアオイがペパーを見上げる、が。

「うーん………暗くてよく見えない……ごめんペパー、ちょっとしゃがんでくれる?」

「いいぜ?こうか?」

「うぅ………もうちょっとだけ……」

「しょうがないちゃんだなー……ホラ」

瞳孔が分かるくらいの至近距離まで近づく。ペパーの前髪が触れたのかアオイが少しくすぐったそうにみじろぎする。

「どうだ?アオイ」

「ペパーの、大きくなってる……本当に暗いと大きくなるんだね、瞳」

薄暗いからかアオイの頬が淡く染まっているように見える。それに落ち着かない気持ちになり、気を紛らす為にアオイのまろい頬に手を当てて彼女の瞳を注視する。

「オマエの瞳も、デカくなってるな」

「う、うん………」

そのまま至近距離で見つめ合う。目の前の琥珀色から目が離せない。暗い中でもキラキラ輝いている宝石みたいな瞳。それに自分だけが写って………

「バウ!」

「わわっ!?」

「おわっ!マフィティフ、どうした?」

扉越しに聞こえるマフィティフの声に2人して驚く。慌ててスマホロトムを確認するとそれなりに時間が経っていた。

「も、もうこんな時間か!?悪りいマフィティフ、すぐに飯にするからな!アオイも食べてくだろ?」

「あっ、えっ!?うん、ありがとう!」

慌てて洗面所から出た二人の顔はあかく染まっていたが、それを知っているのはマフィティフだけである。彼はどこか甘い空気を纏う2人を一瞥し、定位置に寝転んだ。

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