白い君

白い君




「ワーテル。」

目の前の男を睨む。

そいつはよく知った男だった。/そいつは何故かその男の知らない名前を呼んだ。

そいつは真顔でたたずんでいる。

鬼哭を構える。

「お前は麦わら屋じゃね。ーーー誰だ。」

油断はしていなかった。

だが、

「!!」

あっという間に身体を巻きつけ手を塞がれた。

「ワーテル。あいたかった。ずっと、ずっと、ずっと待っていた。」

身体を引き寄せられる。

「お前の血を、魂をずっと、ずっと」

顔に触れる。

「ワーテル。」

泣きそうな子供の目でおれ/わたしをよんでいる。

「違う!おれはワーテルじゃ、」

「お前はワーテルだよ。」

目を合わせてそう奴は微笑んだ。

「だって魂も血もお前の、ワーテルの匂いがする」

「だから、おれは」

声が引っかかる。

思考にノイズが走る。

泣いている白い麦わら屋が/ジョイボーイがよぎる。

違う。/違わない。

これはおれ/わたしの記憶だ。

「おれはずっと待っていたよ。おれのワーテル。」

意識が落ちる。

あぁ、ジョイボーイが笑って/泣いている。



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