真新しい手記・9
新作だー!\太陽万歳!/
執筆お疲れ様です…!
『手がかり』
前話からの続き。
ひょんなご縁から聖堂街上層にある孤児院に招かれたルフィとジンベエ。ルフィのいう「ねえちゃん」に似た面影を持つヤーナムの狩人『狩人狩り』や、少女の風貌を持つ孤児院の院長を務める『シュガー』との出会い。孤児院の中庭にて開かれたお茶会と、その最後に現れた歌姫・ウタとの再会から物語は始まります。
視点は前話に続きジンベエ氏。
物語の流れとしては、シュガーの好意によってルフィ達の話に対する「参考人」として中庭のお茶会に姿を現したウタとルフィの再会とウタやシュガー、狩人狩りからもたらされるヤーナムに関する新情報の開示、物語の最後には意外な人物の登場…と今回も見逃せない展開ばかり。
まず物語の初め、お茶会の品々を尽く食べ尽くしたルフィを見て「こんな事もあろうかと」と言わんばかりに追加でサンドイッチをワゴンで持ってくるウタちゃんに読んでる此方も笑顔になってしまいますね。
この昔馴染というか幼馴染みの二人の間に流れてる空気感といいますか…凄く好きです。ウタちゃんの「安心したような、しかし半ば呆れたような顔」にルフィに対して「あぁ、変わってないな」って感情が見て取れて好き。
そしてルフィ達のヤーナム来訪はテゾーロさん達経由でウタちゃんに伝わっていた事が判明。
エレジア編ではジンベエさんまだ未加入だった為、ジンベエさんとウタちゃんはここが初顔合わせですが、ウタちゃんとルフィを見てルフィやウタちゃんを取り巻く奇妙な縁を眺めてるジンベエさんがなんとも趣き深い。
一番の新参者だからこその新鮮な視点で見れるのは読者としてもありがたいな、と。
また、直後のウタちゃんとジンベエさんの握手のシーンは中々に印象深い。
シュガーはどうかは分かりませんが、少なくともウタちゃんはジンベエさんが元七武海であった事を知らない様子。
握手の際もウタちゃんからは異種族…魚人族であるジンベエさんへの嫌悪が見て取れない辺り、今回ばかりは「知らない」って事がプラスに働いているのかな?と思ったり。
また今回のウタちゃんのお召し物が聖歌隊衣装である事が判明し、個人的にガッツポーズしてました。聖歌隊衣装大好きなんですよ…白くてふわっとしたシルエットはウタちゃんにも似合うだろうなぁ…可愛い…絶対可愛い…!
話は次の話題に。
ウタちゃんはどうやら麦わらの一味の皆にもお礼を言いたかったようですが、今回はルフィが朝一で宿を飛び出してそれに気付いたジンベエが慌てて追いかけて…ってのが事の発端なので、残念ながら他の一味の皆はまだヤーナム市街に待機(?)中。
真相は分かりませんが…今回の事は「ルフィが飛び出して行ったけどジンベエが追い掛けてくれてるなら大丈夫か」という一味の他の皆からの信頼の証である…と思ってます。だってジンベエさんは頼れる大人ですもの。
ルフィのざっくりした返答に残念そうな気配を感じるウタちゃん。
そこへジンベエさんの「グラン・テゾーロのショーの時に皆で観に行くから、皆に会うのはその時で構わんか?」というフォローが光ります。
更にルフィの「ブルックも(グラン・テゾーロでのウタのショーを)すげえ楽しみにしてる」「金ピカのおっさん(テゾーロさん)もよろしくって言ってた」とフォローの追撃。
これにはウタちゃんの表情も綻ぶというもの。「ありがとう!グラン・テゾーロの皆で最高のショーにする!約束する!」と意気込みを見せてくれます。
…この和やかなやり取りの絵面、ルフィに関してはウタちゃんが持ってきてくれた大盛りサンドイッチをモグモグ平らげながらなんだよな…平常運転ダァ…
そしてこの和やかムードにシュガー院長の鋭めの一投が投げ込まれる。
唇を尖らせむくれ気味の院長さんに狩人狩りさんは苦笑気味。院長さんからはそっぽ向かれちゃってますしね。
院長さんの態度の理由をウタちゃんがそっと耳打ちでジンベエさんに教えてくれました。
曰く「狩長さんとシュガー、仲良くないみたいなんだ」との事。
狩長…つまりドフラミンゴの事を「あの馬鹿」と一蹴せしめたシュガーの態度やただの孤児院の院長とは思えない言葉に驚きを隠せないジンベエ。そしてシュガーの態度や言葉から医療教会という組織の複雑さを垣間見る。
更にウタちゃん達の言動からしてドフラミンゴはグラン・テゾーロ…そしてその主たる黄金帝ことテゾーロさんとの繋がりが垣間見える辺り、七武海といえどドフラミンゴという男は海賊団の船長という立場とは大きく異なる場所にいるのだろうとジンベエは思考を巡らせる。
…兄上以外には分からないけど、兄上にとって現状は余生だからなぁ…七武海の一柱とはいえ、過去に愛用していた海賊船(ヌマンシア・フラミンゴ号)を燃やしているし…現状の兄上に自分が"海賊団の船長"って自覚(認識)はあるのだろうか…?
話は進み、シュガーから新たに聞き逃がせない情報が。
それはジンベエに対して「同族の居場所が気になって(此処に)来たんじゃないの?」という問いであった。
ヤーナムに根を降ろす同族達…魚人族達は、ヤーナムの市街でその姿を見る事は出来ても街中で暮らしている訳では無いらしく、またその住居の所在を明かす事もなかった、と。
シュガーからの問いに頷くジンベエ、そーいやそーだったなと同じく頷くルフィに、シュガーからジンベエ達の疑問に対する答えが返ってきた。
シュガー曰く、ヤーナムに住まう魚人族達は「禁域の湖」で暮らしている…との事。
禁域って入っちゃいけない場所じゃないのか?と、ヤーナムの玄関口たる港からヤーナムの都まで馬車で案内してくれた御者さんが言っていたぞ?と不思議そうにするルフィに、狩人狩りさんが言葉を引き継ぐ。
「基本的にはその通りだ」
「ただ君達ならば…湖に程近い建物にさえ近づかなければ問題ないだろう」
狩人狩りさんの言葉に、まだヤーナムに来て日の浅いウタちゃんも「ヤーナムにはホント色々あるんだね…」と頷く。
狩人狩りさんは更に言葉を続ける。
「建物は魚人族が警備をしているからね」
「彼らの為にも、立ち入らない事を勧めておこう」
狩人狩りさんの言葉に頷くルフィ。
ルフィはそのままウタに向き直る。そう、ルフィの本題はここから。
ルフィはウタに問います。
「ウタ、ねえちゃんとコラさんどこにいるか知らねえか?」
…と。
ウタちゃんは話を聞いてすぐにルフィのいう二人が昔聞いたルフィの夢の話に出てくる二人だと合点がいきます。
様子からして、どうやらウタちゃんには心当たりがありそうです。
ウタ曰く「コラさんって黒い羽の服のピエロって言ってたよね?私その人ならエレジアで会ったよ!」とルフィに対して返しますが……
ルフィからの反応はイマイチ。なんとなく「そうだけどそうじゃないんだよなー」みたいな気配を感じます。
ルフィが言葉を続けようとした次の瞬間、ジンベエからすると聞き覚えのある声が中庭に響きます。
声の感じからして、ルフィ達を歓迎してるとは到底思えない感じ。裏口(?)からこの孤児院…ひいては聖堂街上層にお邪魔したルフィ達は、やはり誰しもにも歓迎されてる訳ではなかったようです。
響く怒号とその声の主、逃走体勢と取りもと来た道へと駆け出すルフィ、まだ説明が…!と焦るウタ、怒号の主に対して「うるさい」「まだ話は終わってない」と叫ぶシュガー
怒号の主は怒鳴ります。
「おいジンベエ!何のつもりだ!」と。
そしてシュガーから怒号の主の名前が判明しつつ。名前を叫ばれたジンベエ自身はルフィを追う為、怒号の主から発せられる威嚇射撃とシュガーの声に見送られながら孤児院の中庭を、聖堂街上層を後にするのであった…
素敵な物語をありがとうございます…!
最後の最後で怒号の主ことグラディウス君が登場とは…!グラディウス君は兄上に代わって毎回七武海の会議に出席してましたもんね。そりゃジンベエさんとも顔見知りだしジンベエさんもグラディウス君の声に聞き覚えがある訳だ。
そして個人的に気になるのがヤーナムに住まう魚人族の住居こと「禁域の湖」
禁域で、更に湖と湖の側近く建つ建物と聞くと…どうしてもビルゲンワースを連想してしまいますが、多分ビルゲンワースの学び舎ではないよな…
また禁域に魚人族を住まわせているのは個人的にはナイスな采配だと思いましたね。隠れ住むにはぴったりだ。
…そういやブラボでも有名な「人は皆、獣なんだぜ…」発言をする彼こと「身を窶した男」も禁域にいましたね…
魚人族が警備をしている「禁域の湖」の側近く建つ建物は、もしかして『医療用血の酒』の醸造工場だったりするのかしら…?
今回は全体的にONE PIECEの空気感というか少年漫画の明るめのノリを感じたので非常にウキウキしながら楽しませて頂きました…!