真新しい手記・37

真新しい手記・37


新作だー!\太陽万歳!/

執筆お疲れ様です…!


『隠し街』


前回、月前の湖に辿り着いた探索チーム一行。そして月前の街の前にて迫りくる眷属達を、月前の街の住人達と共に防衛する共同戦線と相成りました。

防衛戦は無事成功。

ジンベエに話しかけてきた、以前世話になった店主は人間と仲間達…魚人達が協力し一つの物事に取り組む姿を見て「良い時代になった」と噛み締める一面を見せたりも。


今回はまた視点と舞台を移し別のチーム…隠し街の探索を担当するナミ達にスポットが当たります。

今回の語り部はロビン。

参りましょう。



【ドキッ!バケモノだらけのヤハグル探索?!】

・物語冒頭、語り部であるロビンとその仲間達…サンジにナミ、ゾロの中々に驚きに満ちた台詞から始まる今回の物語。


仲間と共に赴いた「隠し街」は、一目で"尋常"ではない事が分かる様子であった。

大きな棺桶に収まりきらない程詰め込まれ腕を伸ばす死体。

鐘の音と共に赤い人間の様な何かを召喚してくるミイラのような女。

本当に悪夢みたいな街ね、とロビンは内心に零した。


仲間の様子はといえば、ナミは古工房から持ってきた「火炎放射器」を頼りに隠し街の探索に望んでいるが、"普通の"雷雲を食べさせたゼウスの攻撃の通りは今一つのようであり、不安そうだとロビンは語る。

…己の得物なりフィジカルでどうにかなる両翼とかはともかく、頼みの綱のゼウスの攻撃もあまり通らないと感じるなら、そりゃナミは不安になるよな…

しかしロビンちゃん冷静だ…


・さて、そんなナミが半ばヤケクソ気味に火炎放射器を吹かしながら隠し街を進み、それなりに進んだのを確認したロビンは「そろそろ報告を」とナミの持つ子電伝虫のダイヤルを回し、受話器を取ってサポートする。

…こういう細やかなサポートが光るロビンちゃん、素敵だ…


・無事に通信本部のコアラと繋がった子電伝虫に、ナミは捲し立てるような勢いでコアラに報告を入れる。

死体が動いたりミイラ女が変なの呼び出してきたり、凄い怪物みたいなのまで建物に張り付いてるし…!と報告すれば、それなら隠し街が儀式の中心で間違いなさそう。と返ってくる。

また通信本部のデュラからも「現在のヤハグルの様子はかつてコラソンから聞いたヤハグルの状態、その様子に酷似している」との弁もあり、ヤハグルは「かつての獣狩りの夜より時を止めた街であり、とりわけおぞましい者共の住処となっているのだろう」との見解も寄せられた。


・また通信本部とのやり取りでは別地点にいるサボ達も観測した「光のドーム」「光の壁」についても言及があり、やはりこちら側、ロビン達がいる側でも特に何か起きている様子はない。


「今は様子見するしかないかも」

「大丈夫。あれが能力に近しいものなら、発動後に即"致命的"な効果を持つものはないはずだから!」


…とのコアラの言葉で締めくくられた通信。


「なら、おれ達は奥に進まねえとな」


ゾロが言葉を発する。

そう。この街のどこか奥に、この儀式を執り行っている『主』がいるはずなのだ。

分かってはいる、分かってはいるが「やっぱりそうなるのね…!」と怯え気味のナミを「おれがついてる」と励ますサンジ。


そんなこんなで街を更に進んで暫く。

ようやく辿り着いた聖堂の前で、サンジがおもむろに足を止める。


「…誰かいるな」



【聖堂内での意外な出会い】

・ひとまず聖堂内を調べる事にした一行。


ナミ

「もしかしてCP?」


ロビン

「…暗くて見えづらいけれど、人影はひとつのようね」


ゾロ

「…入るか」


サンジ

「ナミさんとロビンちゃんはおれの後ろに」


ゾロとサンジに続いて聖堂の扉をくぐれば、目に飛び込んできたのはあちこちで建物にくっついていた"落とし子"…我々読者が「アメンドーズ」と呼ぶ存在の像。

この聖堂も、かつては上位者を奉る場所であった事が窺える。


「出てこい」


ゾロの言葉に、聖堂内に潜んでいた人影が姿を現す。


「クソッ来やがったか…!」


ゾロの声に応えたのは、スパンダムただひとりだった。



【電話の続き、スパンダムの語り事】

・この儀式を始めたのはやはりお前達政府の仲間だったのか?と問うサンジに、……それなら話は早かったと疲れた声で返すスパンダム。

スパンダムは護衛もつけずただひとりで聖堂を調べていた様子。

…何やら訳ありの様子ですね。


・スパンダムはナミ達のいるフロアより階上のフロアからナミ達を見下ろし、口を開く。


スパンダム

「ニコ・ロビン…CP0は知ってるな?」


ロビン

「ええ…サイファーポール"イージス"ゼロ…世界貴族直属の諜報機関」


ゾロ

「あいつらと何が違う?」


スパンダム

「全てだ…ロロノア・ゾロ!」


ゾロ

「全て?」


スパンダム

「そうだ…連中は時に五老星の頭上すら飛び越えて事に及ぶ。政府最高権力の上をだ!」


サンジ

「てめえ等より偉い…ってだけじゃなさそうだな」


スパンダム

「……"イージス"ゼロは最強の盾だ。CP9をうごかすおれにすら秘匿された情報を握る…この世界の安全弁が連中なんだよ」


象へと姿を変えている剣…ファンクフリードに寄りかかるスパンダムは、そこまで話して身を起こした。


スパンダム

「そのCP0が今…この街に潜入している」

「おれがそれを知ったのは、ミョスガルドのお守りが決定し…CP9の召集がかかった直後だ」


ナミ

「そいつがこの儀式を?でも結局、あんたらの仲間ってことじゃないの?」


スパンダム

「だと良いがな」


足を引きずり手すりに身を預けたスパンダムが、暗く呟く。


スパンダム

「ゼロがどこのどいつで、何を目的としているのかはおれ達には知らされていねえ…」

「おれはそいつを麦わらの捕縛と捉えたが…それなら儀式の必要なんぞねえ」


ゾロ

「つまるところお前らも目くらましに使われたってオチか?」


スパンダム

「……それを確認するために来たんだよ」


ジャブラとカリファは先に行かせたが、どうだかな。

そう呟いたスパンダムは、折れた脚を引きずって重く息を吐く。

よく見れば、祭壇の燭台に照らされた象剣も既に満身創痍だった。


スパンダム

「ゼロは…世界を滅ぼしうるだけのものを知らされている」

「だから絶対に裏切らねえ、機を見て動ける人間だけが集められている…そのはずだ」

「強いだけのルッチじゃゼロにはなれねえ」


ロビン

「…なるほど」


スパンダム

「そいつがこんな、呪いをぶちまける儀式をやらかしてるとしたら……」

「順当に行きゃおれ達全員ごとこの街が、最悪の場合は世界がイカれる」

「逃げ場もねえ」


ナミ

「で、わざわざあんたがこんな所まで来たってワケね」


スパンダム

「半分はてめェ等のせいだぞ!!」

「通話を途中で切りやがって!!!」


自身で出した大声が傷に響いたのか、いてて、と呻いたスパンダム。

その言葉に、ナミ達は顔を見合わせた。


通話の続き、つまりCP9の方の目的だった、ルフィの話。


ナミ

「そういえば途中で切られてたわね」


サンジ

「ありゃてめえが悪い」


スパンダム

「てめェ等……!!」

「ほんとうによく考えろよ。今回の件はエニエス・ロビーの取引とは話が違う」


4対1、この状況でも剣を手に取ることもせず、スパンダムはその場にずるずると座り込んでそう零した。


ロビンの心は既に決まっている。

だけど、話を聞けば闇雲に動くよりは良いやり方が見つかるかもしれない。


「なら、話してちょうだい」


ロビンの言葉に、マスク越しにようやくスパンダムと目が合う。

権力に固執する男の顔に、今はどうしようもなく呪いの影が差していた。


「麦わらは…悪魔と呼ばれるもの、"産まれなき"悪夢の赤子だ」


…男の言葉が、静かに聖堂に響いた。



素敵な物語をありがとうございます…!


情報が…!情報が多い……!

新情報のバーゲンセールに溺れかけていますが、大変に楽しませて頂きました…!ありがとうございます…!


序盤のヤハグルエネミー大集合にナミのヤケクソ火炎放射器での進撃、ロビンの「炎は効くみたいね」の冷静な分析にクスリと笑ったかと思ったら、スパンダム登場からのシリアス&新情報祭りに脳内の寒暖差がとんでもないことに…!


CP0がヤーナムの街に潜入していた…だと?

しかも今回のこの儀式は政府側…というかCP0が関与している可能性が…?

CP0が関与しているとしたら、この一連の事件の黒幕は…まさかイム様…?

イム様だとしたら…凪の上位者を欲する理由は…?

……母親が、欲しい。のか…?


そして遂に物語の中で言及された"産まれなき"悪夢の赤子…そしてルフィ…いやニカの存在。

ルフィもまた"産まれなき"悪夢の赤子であるがゆえに『狩人の夢』に干渉出来る…

流石にローの様に『夢から開放』されたらルフィでも駄目でしょうけども…

…これローもまた"産まれなき"赤子であるってまだバレてない…?


…それにしても、スパンダムさんが予想以上にボロボロでちょっとその…心臓に悪いなって…

貴殿に対して思う所はあるがここまでボロボロになられると心配が勝ってしまうよ…ファンクも満身創痍で、スパンダムさん自身も脚が折れてるのがまた痛々しい…


ちょいちょい挟まる"落とし子"ことアメンドーズの描写や、スパンダムに「ルッチはCP0にはなれねえ」って言われてたりとか、通話を切られた事に関して「あれはお前が悪い」って麦わらクルーに言われてたり、未だ謎な光のドームの件とか…色々ツッコみたい所はありますがそれどころではない心情。


これから更に物語の核心に迫る情報も出てくるだろうし、私の脳はちゃんと処理しきれるだろうか…ちと心配だ…


…スパンダムの予想では、CP0の目的はルフィ(産まれなき悪夢の赤子)だと思って捕縛命令を掛けたけど、それなら儀式なんていらないよな?って結論になったんですよね。恐らくは。

じゃあ儀式が執り行われた今、目標は産まれなき悪夢の赤子ではない。

…儀式を行うのは何の為?…上位者に接触を図るため。

つまり目的は凪の上位者。コラさんの身柄。

それを欲してるものがいる。

しかもCP0の関与が疑われていると言うのなら…黒幕はやはりイム様なのか…?

まだ早計ではあるだろうが…

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