"目覚めた"
「おはようエース」
「おはようおかあさん…」
朝、トレーナーは目が覚めると我が子と共に妻のカツラギエースのいるリビングへ向かって朝の挨拶をしていた。
「おはようみんな。ちょうど朝ごはんが……ッ」
直後エースが固まり、そして唖然としながら目を見開いてこちらを見ていた。
「どうしたの?」
「あ…あの…みんな…髪型…寝癖…っ」
何やら笑いを堪えてそうな声。近くの鏡でトレーナーは自らの顔を、そして子供達の姿を見てエースがこうなっている合点がいった。
何故なら全員髪が逆立ち某スーパーな戦闘民族の様相だったのだから。
その逆立ち具合は拳を握りしめ前屈みになって「オレはおこったぞ—!!!」と叫べば様になる程であった。
「…ぷっ…くくっ」
笑いを堪えるエース。微妙な雰囲気、この状況を打破するためにとっさにトレーナーが閃いた事は…
「オッス、オラトレーナー!エースおでれぇたぞ、オラたち髪型がそっくりになっちまってんだからな」
「ふふっ…あはっ…」
———開き直ってモノマネをする事であった。
もう笑いを抑えられないが辛うじて体裁を保っているエースだったがトレーナーが話し終えたその瞬間。
【ダニィ!?】
気付けば子供たちはテレビを見ていた。そして放送していたアニメの登場人物から発せられた間髪入れずの台詞。
偶然ではあったのだが———
「あはっ…あはははははっ!」
エースの我慢は限界突破、一気に笑い声を解放した。
「何もそこまで…」
「だって…髪…ははっ…それにモノマネとくっ…ツッコミが…くくっ…あははっ!」
【クソッタレぇ!】
アニメの人物も抗議している様であったが…
「駄目…笑い過ぎてお腹痛い…ふふっ…ははっ!」
【もう駄目だ…おしまいだぁ…】
どうやらそれは彼女には届かなかったようだ。
「ほらみんな、寝癖直しに行くよ。お母さんこのままだとみんな見れないって」
「わかった!」
「はーい!」
「ごめんねぇみんな…くくっ…あははははっ!」
そうして皆で寝癖を直しに行く。
偶然が重なったとはいえ朝から賑やかになったのでそれはそれで良しとしたトレーナー。
ふとテレビの方を見ると雰囲気が賑やかになった立役者であるアニメの登場人物は巨大な岩に叩きつけられていた。合掌。