目先の欲:正気編
結局独房暮らしのソラちゃん==================
この√は、「目先の欲:砂糖編」の途中で分岐した√です
砂糖編の途中…おじさんの選択肢までをまだ見ていない方は、先に該当箇所まで見る事をお勧めします
(というか見なきゃ分からない)
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[選択肢]
【ソラに砂糖を与える】
(砂糖堕ち仲間入り√)
【ソラに砂糖を与えない】←
(後輩達と同様未摂取で大事に匿う√)
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ホシノ「いやぁ、無理やり誘拐したからさ…一応おじさん達はソラちゃんに砂糖を摂取させたくないんだよね」
ソラ「そ、そうですか…」
「騙して広告塔にさせて、裁判沙汰まで行かせちゃったから…何も悪くないのにこの上砂糖まで摂らせるなんて、そんな酷い事流石に出来ないよ〜」
「………」
安心した様子を見せるソラちゃん
でも…残酷だけど言わなきゃいけない
「ただ、ソラちゃんがここで砂糖を摂取せずに生きていくには…また牢屋で生活しなきゃいけないんだ」
「えっ…?」
「うちの子は9割以上砂糖漬けだから…下手に外を歩くと、誰かに砂糖盛られる可能性があるんだよね。実はおじさん、後輩の子達を牢屋に入れて砂糖から隔離してるんだけどさ、そこの仲間入りって事になるんだ。いいかな?」
「え…は…?それって、どういう…」
絶望した顔で呟いてるソラちゃん
「…ほんとにごめん。でもこうするしかないんだ…他に方法、無いんだ…」
「そ、そんな…!いや…です…!」
「大丈夫。ほぼ毎日ミヤコちゃんが料理を持って会いに来てくれるから…それに牢屋と言っても、ヴァルキューレのあの狭苦しいものじゃなくて、かなり広々としたとこだから…さ。なんせ4人も後輩を閉じ込めてるからね!それなりに快適ではあるよ!」
「──」
無理に明るく振る舞ってみたが、逆効果だったようだ
信じられないものを見る目で見てくる
…彼女の目に映る私は、イカれた狂人にしか見えないんだろうな
「…ともかく、これはソラちゃんを砂糖から守るためなんだ。来て」
「ひっ…!?いや…!誰か助け…!」
(ドスッ)
「ぅ゛っ…ぁ…」
鳩尾に1発当てた
気を失うソラちゃん
ああ、私って救いようの無いクズだ
騙した上に人々の憎悪を浴びさせ、挙句の果てに勝手に誘拐して再び牢屋送りにするとか
我ながら人間のする事じゃないと思う
でも砂糖から守るにはこうするしかないんだよ
大丈夫
ノノミちゃんも
セリカちゃんも
アヤネちゃんも
良い子だからきっと打ち解けれる
牢屋とはいえ1人じゃないよ
そう自分に言い聞かせながら、独房までソラちゃんを運んだ
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ノノミ「…ホシノ先輩…その子は?」
ホシノ「今日からここの仲間入りを果たしたソラちゃんだよ。よろしくね〜」
セリカ「…先輩、その子も、砂糖を摂らせないの?」
「…うん。この子は、私が騙して広告塔にしたせいで、キヴォトス中から憎悪を向けられちゃったんだ」
アヤネ「そう、ですか…だから、助けるために…?」
「うん。良い子だから仲良くしてあげて欲しいな」
「…はいっ、お任せください♪♣︎」
「しょうがないわね…ちゃんと面倒見てあげるわよ!」
「ホシノ先輩が望むのであれば、私達はお応えします!」
「うへ〜みんな良い子でおじさん泣けてきちゃうよ〜」
「…早く目ぇ覚ましてよ。バカ先輩…」
「………じゃ」
ソラちゃんを牢屋のベッドに寝かせて、頑丈な扉を閉めた
扉の向こうから聞こえる啜り泣きに対し聞こえないフリをしながら、私は本部へ戻る
(ピッピッ)
(プルルルルル…)
ミヤコ「ホシノさん…ソラさんはどうでしたか?」
「ミヤコちゃん。今から言う事をよ〜く聞いてね?
地下牢に新しい仲間が増えたよ」
「…は?」
「これから牢屋へ運ぶ料理、3つから4つに増やしてね」
「っ…!貴女って人は…!」
「…これしか、これしか無いんだよっ!私ならいくら恨んでくれてもいい!後で殴りたいなら殴っていい!だから頼む!ソラちゃんにも料理を作って!!!」
「………」
「お願い…だからさ…あの子は、砂糖に溺れちゃ、ダメなんだよ…」
「………RABBIT1、了解しました」
(ブツンッ)
「う……ひくっ…ごめんね…ごめんね…みんな、私のせい、なんだ…」
私は廊下の隅で膝から崩れ落ちながら
ひたすら泣き続けた
こんな事しか出来ないクズでごめん
ノノミちゃん達も
ソラちゃんも
ミヤコちゃんも
みんな…ごめんね…
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