百王子の誰かがカリに助けられる話

百王子の誰かがカリに助けられる話


グロ、流血注意

「あーくそ。ドジった……」

そう悪態をつきながら俺は怪我の確認をする。

腹には大きな傷があり一応無事な右腕で止血を試みてはいるが血が止まらない。

右足はあらぬ方向に折れ曲がっていて、左腕は肘のあたりから先が無くなっていた。


いつもの周回のことだった。

術クッキーとやらが足りないということなので兄さんたちやキャスターのアルトリアなどのいつもの面子で修練場で戦っていた。

もうすぐで術クッキーが目標値まで溜まるという時だった。

修練場でも特異点でも見た事がない、知らないエネミーが襲いかかってきた。

俺たちはマスターを守りながら戦った。

そこそこ強かったが倒せない敵ではなかった。

だから油断したのだろう。


「は?」


急に地面に大きな亀裂が入り、俺とマスターはそれに巻き込まれた。

俺は咄嗟にマスターを掴んで兄さんがいる方向にぶん投げた。

マスターの悲鳴と兄さんたちの叫び声を聞きながら落ちていき……。


そして目が覚めた時にはこの暗い崖の下にいた。


「それにしても生きているのが奇跡だろこれ……木がクッションにでもなったのか?」

そう言いながら俺はマスターたちがいるであろう上を見上げる。

崖の岩肌しか見えなかった。

「いやでももうすぐ死にそうだけど」

ガサガサという音が聞こえる。

草むらから俺とだいたい同じくらいの大きさのカリがひょこっと顔を出した。

「……カリって修練場で出るっけ」

ゆっくりとカリがこちらに近づく。

追い払おうと身体を起こそうとしたが力が入らずに失敗した。

「……俺を食べるつもりか?」

カリは何を考えているのか分からない顔で俺をじっと見る。

「……まあ、しゃべるわけねえよな。せめて痛くないよう殺せよ」

そう言って俺はまた意識を失った。


何かを飲まされたような感覚がした。

不味い泥を口の中に押し込められるような。

喉が焼けるように甘い花の蜜を口に含まされるような。

そんな感覚だった。


目が覚める。

ぼんやりと辺りを見渡すとカリが隣で寝ていた。

カリは俺の半分くらいの大きさになっていた。

「……お前そんなに小さかったっけ」

そう言いながら俺はカリに無くしたはずだった左手を伸ばす。


……そこにはまるでカリのような紫色の鱗がついた左手があった。


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素ヴィカルナ「という感じの本を次のサバフェスで出したいんですよね」

素ドゥフシャーサナ「へーいいんじゃないか?でもゲームも作るとか言ってなかったか?」

素ヴィカルナ「ゲームのシナリオにちょっと詰まってるので半分くらい息抜きですかね……」

素ドゥフシャーサナ「……まあ落とさなきゃいいんじゃないか?」

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