『白い死刀』
Part16 - 92アンジェラ「次は……この白い人ね。医者……いえ、違うわね」
ローラン「そいつについては俺もよく知らないな。いや……知っているが、触れちゃいけないってのが正しいか」
アンジェラ「?」
ローラン「『白い死刀』、本名ゲンパク。フィクサーと名乗ってはいるが実態はC社直属のエージェント……」
アンジェラ「まさか……爪?」
ローラン「ご名答。明言された訳じゃないがフィクサー協会に送り込まれた内部観察・摘発要員だ。頭が定めた規則への違反行為や不純物に相当する存在や物品の排除を行ってるらしい。当たり前だが俺も顔を合わせたことはない。コイツに目をつけられると殺される、が今のフィクサー界隈の中では周知されているからな」
アンジェラ「爪がフィクサーをやるだなんて冗談みたいな光景ね」
ローラン「実際効果はあるしな。汚職とかは特に摘発しないけど、隠れて違反行為をする輩は間違いなく減ったよ。誰だってどこで見てるかわからない死神の不興を買いたくはないだろ?」
アンジェラ「そうね……ということは、普通のフィクサーとしての仕事はしてないのかしら」
ローラン「流石にフィクサー名乗ってるんだからその辺はこなしてるらしいよ。暗殺、諜報、医療、戦闘……雑用以外は大体出来るらしい。流石はC社のエージェントだな」
アンジェラ「……気を付けた方がいいわね」