甘味処にて
紅衣のスレ主閲覧注意です。
霊術院での授業を終え更にその他の業務も終わらせた夕暮れ時に私はよく通う甘味処に来ていた。
すると道の向こうの方から元生徒である二人の話し声が聞こえてきた、平子さんと紅衣さんですね。片方が片方を拘束し連れていますね、生徒から逮捕者が出ていますがまぁ反省として少し流刃若火で炙られるくらいで済むでしょう。
『なんでオマエは真昼間から全裸で女の子に食事をおごっとるんや...しかも結構な高級店やんか。どっから金出したんや』
『現世でちょっと裏稼業に勤しんだ結果だべ~』
『シャレにならん罪状を白状すな。裏稼業言うんはなんや 薬の密売とかか?』
『アルバイトを66ほど掛け持ちしたんだべ。シンジが落ちぶれて困ってたらいいアルバイト先を教えてあげるよ。』
『アルバイトの何処が裏稼業やッ!......おっ?そこにおるんはセンセやん、ご無沙汰してます~』
おや、こちらに気づいて声を掛けてくれました。嬉しいですね、最光も喜んでくれています。逆撫さんも元気なようで...十二単さんは相変わらずこちらに対して敵意剥きだしですね。
平子さんがこちらを見ている間に十二単さんが独りでに始解し手錠をスッパリと斬り弾けさせて、紅衣さんが全裸から一瞬で死神装束を着ました。
『お久しぶりです。芦原先生相変わらずお元気なようで何よりです。』
(『ぬああぁ!また髪ゴム野郎を仕留め損なったニャ!浦原に似て面倒極まりないニャコイツ!!』)
副音声のように十二単さん...いえジュニーさんは紅衣の拘束を解く次いでに髪ゴムさんを排除したかったようですね。
「ええ、お二人ともお元気なようで何よりです。」
『紅衣...オマエいつの間に手錠外して装束着とんや。あとエセ北海道弁忘れとんで、どっか落としたんやったら取りに帰るか?』
『ちゃんと男の四次元ポケットに入れたんで大丈夫だべ』
平子さんは拘束していた紅衣さんが抜け出していても呆れはしても特には行動は起こしていませんね、紅衣さんがおとなしく罰は受ける気であるのが分かっているようです。
「立ち話も何ですし、こちらの甘味処で軽くつまんでいきませんか?霊術院を離れていても生徒は生徒です、なにか相談などあればついでに聞きますよ」
私は二人を誘い甘味処へ入った、各々好きなものを頼み席につき一息つく
平子さんは五番隊隊長になり立派になりました。紅衣さんは...少し股間が光るようになりました少し前よりも明るくなっていますね、もちろん性格的にも物理的にも。
『そういやセンセ、こいつの学生時代ってどんなんやったん?いくらセンセでもテー焼いたやろ』
そう言われふと思い返す...千年前の紅衣を要約すると...
「そうですね。何分霊術院で教鞭を取り始めた頃でしたから...紅衣さんは一言で言うならば『基礎のしっかりした天邪鬼』と言った所でしょうか。鬼道を教えれば『俺はケツから鬼道をだしてやるぜ』と、歩法を教えれば『俺は足を使わない歩法を作り出してやる』とそれぞれしっかりと基礎ができたうえで私に豪語していましたね」
『うわぁ...逆撫で反応するんもある意味頷けるわ...』
逆撫さんもここまで逆張りなのはツボなようで爆笑していますね。当時の私もそこから本当にやって見せてやろうと努力しているのをほほえましく見ていました。
『平子隊長 芦原先生...あんまりそう言われると恥ずかしいですよ』
紅衣さんは昔の事を言われて少し赤面しながら頭を掻く...裸になるよりもこっちの方が恥ずかしいんかとは平子さんの突っ込み
『そういえば紅衣さんとの中で一番手を焼いたのは...う...当時の十一番隊長に霊術院生であるのに挑みに来たことでしょうね。当時の私も相当肝を冷やしましたよ…生徒が死んでしまうとなりふり構わず急いで現場に向かいましたからね』
他の生徒からの報告を聞いて血相を変えて向かった時のことを思い出す。最光で治る程度に卯の花さんが抑えてくれていることを必死に願っていました...。二度は経験したくないですね。
『なんでそないなことを...隊長になりたかったとかか、どうなん紅衣?』
また少し居心地が悪そうに紅衣さんが答えた
『当時のその隊長さんは辻斬りをして無意味に人を殺めていたんだ。それを当時の俺は我慢ならなくてね...「貴様に一太刀でも入れられたのなら十日辻斬りをやめてもらう」と言って果たし状を書いて決闘したのさ』
「私が来た時には既に始まっていまして...止められませんでしたね。」
決闘の流れはこうだ
始まった途端に紅衣さんは両足を斬られたが、全身を使った例の歩法を使用し尚立ち向かった。紅衣さんは始解し向かったが次は両腕を斬られた。
『手足を両方既に失ったあなたに剣を振る法は無い』
と後ろを向いた卯の花さんに尻から出した縛道の鎖で十二単を拾いそのまま服を斬って弾けさせたのには私も驚嘆しました。
最光に怪我を治させている際に、全裸のままの卯の花さんが
『...いいでしょう、肌を切り裂くまでは行きませんでしたが今宵から十日は斬るのをやめましょう。十日後にまた来るのを待っていますよ。あなたも付き添いで来るようにお願いしますね』
と私共々再度決闘の約束をされてしましました。卯の花さんはとても楽しそうでしたけどね。
『ほーん、センセも大変やったな...アグレッシブな生徒を持つとアッチにコッチに連れまわされて。』
「大変でしたが生徒が自ら考えて編み出した技も見れて私自身勉強になりましたよ。時には生徒から学ぶこともあるのだと感じましたね。」
『いやぁ...照れます』『さっきの話に褒められるとこあんま無いわアホ!』
そういえば、結構話し込んでいますが平子さんは紅衣さんを早く連れて行かなくても良いのでしょうか...?場合によっては私も向かって私が誘ったのだと証言しに行きましょう。"生徒"のためですし頑張ましょう。