現パロ・ザビぐだ
――ガタンゴトン。
電車に揺られ、彼――藤丸立香はどうしてこうなったのか、改めて再確認する。
向かいに座るのは、いつも通りの無表情の先輩――岸波白野。
彼女は楽しいのか楽しくないのか、読み取れない表情で窓の外を眺めていた。
ことの発端は夏休みの予定を聞かれたこと。
友人と遊ぶ以外、これといった予定がなかったことを素直に述べたら……。
『じゃあ私に付き合って』
と簡素に言われて、詳細は伝えられないまま気づけば新聞部の取材という名の彼女の旅行に付き合わされることとなった。それは、いつものことである。
無表情で一見大人しそうだが、これでなかなかアグレッシブ。
今日行った栃木の那須だって、『割れた殺生石が見たかった』というシンプルな理由だけで訪れた場所である。
そんな先輩に振り回されるのも、いつものこと。
なので、文句の一つも言わずに連れてこられた。
――電車に揺られて三時間。バスに揺られて二時間。
電車を降りてさらに一時間歩いたところでようやくついた旅館は、予約していた旅館とは違っていた。
とはいえ、時間は既に遅く、予約なしでも泊まることが出来たので、本日はここで一泊することとなった。
こちらはこちらでまた趣がある造りである。
部屋も広いし、露天風呂もあるとのことだ。
子どものような小さな女将に案内されて部屋に着き、料理を振る舞われ、風呂で疲れを癒やし、卓球で汗を流し、あれよあれよと楽しい時間は過ぎていった。
そうして、疲れもあり寝ることに。
流石に二部屋を借りれる程こちらの懐事情は潤っていない為やむを得ず立香と白野は同室となった。
若い男女が二人、何か過ちが起きてしまうと普通なら危惧するところだが、既に何度か似たような状況を経験した過去があり、その時にはなんにもなかったから『そういう目では見られていない』のだろうと、安堵と共に男としては何処か悲しいような気持ちになったのを覚えている。
だから今回も何も起こるはずがないとたかを括っていた。
………………。
――深夜。
夢見心地のまま、布団をめくると、そこには自身の一物を咥えこんでご奉仕している岸波白野の姿があった。
「っ!?」
予想外の光景に驚愕し、後退ろうとするが、彼女がガッチリと腰に抱きつき、放さない。
「……起きた?」
咥えながら話すので、妙にくすぐったい。
「は、白野先輩!? なんでここに……っていうか何してるんですか!?」
まさかの事態に脳内で警報音が鳴り響く。
夢かとも思ったが、下腹部に走る感覚は紛れもない現実だ。
「何って……見ての通り」
少し考え込むような仕草を見せた後、彼女は平然と言ってのける。
「いやだから! なんでこうなってるのか聞いてるんですけど!」
焦る立香とは正反対に白野は冷静だ。
いや、いつも通り表情に変化が無いのでわかりにくいが、ほんの少しだけ興奮の色が窺えた。
「だって、あんなに頑張って誘ったのに何もしてこないから」
「何もって?」
「……鈍い」
溜息を一つつくと、彼女はフェラを再開する。
ちゅぱ、と艶かしい水音をたてて舌を絡め、激しく擦る。
突然の激しい攻めに思わず声が出そうになるが、歯を食いしばり声を押し殺す。
「んっ……ちゅっ……」
じゅるっ!くちゃっ、ぐちっ!ぬちゃっ! と淫靡な音を奏でる。
まるで別の生き物のように絡みつく舌は、裏筋やカリ首を容赦なく攻め立てる。
敏感な部分を的確に狙われるも、歯を食いしばりなんとか堪える。
そんな努力を知ってか知らずか、白野の手つきは激しさを増すばかり。
「くぅっ!」
あまりの快感に脳が麻痺するような感覚を味わう。
だが、ここで負けるわけにはいかないと必死に耐える。
「んっ……」
こちらの限界が近いことを感じ取ったのか、白野の動きが一段と激しくなる。
じゅぷじゅぷ!くちゅっ、ずちゅっ!ぐちゅぅっ! 容赦のない攻めに思わず腰が浮いてしまう。
「んっ……だひて」
そう言って彼女が軽く歯を食いしばると、それがトドメとなり我慢できずに立香は果ててしまう。
びゅくっ!びゅるるるっ!!
「んっ!?」
突然飛び出した白濁液に驚いた表情を浮かべた白野だったが、すぐにそれを口で受け止める。
ゴクゴクと喉を鳴らしながら飲み込む。
「……っ、けほっ……けほっ」
むせたのか軽く咳き込む白野。
「えっと……大丈夫ですか?」
心配になって声をかけるが、彼女は平気だと首を横に振る。
「思ったより沢山出たね」
「うっ……」
自分がどれだけ出したか知らないものの、少し恥ずかしくなってしまう。
しかし、そんな立香の心境を知ってか知らずか、彼女は尚も行為を続ける。
今度は玉袋や内股に舌を這わせてくる。
くすぐったいような気持ちいいような感覚に襲われ、再びムクムクと欲望が頭をもたげ始める。
「んっ……ちゅっ……」
白野はそれを確認すると、再びフェラを始める。
先程の激しい攻めとは対照的に今度はねっとりと優しい舌使いだ。
竿の裏側を下から上へ舐め上げるようにして丁寧に愛撫する。同時に陰嚢を指で転がすように弄び、快感を与え続ける。
ちゅぱっ、くちゅっ……ぐちっ……ねちょっ……。
淫靡な音が響き渡る。
「うっ……」
敏感になっている立香のソレは、再び大きく膨れ上がる。
それを感じ取った白野は口を放すと、今度は手で扱き始める。
しゅっしゅっとリズミカルに動かす手つきは、的確にポイントを狙ってくるので堪らない快感が襲ってくる。
亀頭を掌でこねくり回され、尿道口を指先で軽く突かれる。
裏筋を舌でなぞられ、カリ首を舐め上げられる。
じゅぽっ!ぬちゃっ!くちゅっ、じゅるるるっ!!
「うっ!」
あまりの快感に声が漏れてしまう。
白野は嬉しそうに微笑むと、さらに激しく動く。
「んっ……ちゅぷっ……れろっ……」
そのまま口の中に含み、舌で裏筋を舐め上げるようにして刺激する。同時に手でも陰嚢を揉みほぐすようにしてマッサージする。
ちゅぱっ!くちゅっ!ぬちゃっ!ぐちゅっ!ぬちゃぁっ!! 先程よりも激しい攻めに快感が押し寄せる。
限界が近いことを感じ取ったのか、白野はラストスパートをかけるように動きを加速させる。
「んっ……出して……」
どぴゅっ!びゅるるるっ!! 立香のモノから勢いよく精液が飛び出す。
それを口で受け止める白野。
ゴクゴクと喉を鳴らしながら飲み込むと、最後の一滴まで搾り取るかのように吸い付くす。そしてようやく口を離す。
「けほっ……けほっ」
咳き込む白野の口からは唾液と混ざりあった白濁液がこぼれ落ちる。その様子が妙に淫靡で、立香のものは萎えかけていたというのに再び熱を持ち始める。
「んっ……まだまだ元気だね」
白野は嬉しそうに微笑むと、今度はそのまま騎乗位の体勢になり、ゆっくりと腰を落としてゆく。ずぶずぶと音を立てながら呑み込まれてゆく肉棒。やがて根元まで入ったところで動きを止める。
「っ……」
白野は小さく息を飲むと、ゆっくりと動き始める。最初は緩やかだったストロークが徐々に速くなり、パンッ!パァンッ!!と肉を打つ音が響き渡る。
「くっ……あぁっ!」
激しい快楽に思わず声が出てしまう。
そんな立香の反応を楽しむかのように、白野は動きを止めることなく攻め続ける。
「んっ……んあっ!」
段々と余裕が無くなってきたのだろうか、白野の動きは次第に激しくなる。それに合わせて水音も大きくなり、結合部から溢れ出た愛液が布団の上に飛び散り染みを作る。それは二人の汗が混ざりあい独特の匂いを放っている。その匂いもまた二人の興奮を高めるスパイスとなっていた。
「んっ……はぁ……そろそろ……」
白野はラストスパートをかけるべく、一気にペースを上げる。
パンッ!パァンッ!ばちゅっ!ぐちゃっ!ぬちっ!! 肉と肉のぶつかり合う音と水音が響き渡る。
その度に結合部から愛液が飛び散り、布団を濡らす。
「うっ……ぐっ!」
もう限界が近いのか、白野の息が荒くなる。「あっ……あぁっ!」
彼女の身体が弓なりに反る。それと同時に膣内がきゅぅっと収縮する。その締め付けによって、立香もまた達してしまう。
びゅくっ!びゅるるるっ!! 大量の精液が膣内に注ぎ込まれる。その感覚にビクビクッと身体を震わせる白野。
やがて射精が終わると、ゆっくりと腰を上げる。すると、ぽっかりと開いた穴からは愛液と混ざりあった白濁液が溢れ出てくる。
「はぁ……はぁ……」
肩を上下させて呼吸を整える白野だったが、その表情には満足げな笑みが浮かんでいた。
それからしばらく経つと、落ち着いたのか白野は再び立香のモノを口に含む。
じゅぷっ……ちゅぱっ……れろっ……くちゅっ……ぬちゃっ……ねちょっ……。
そんな淫靡な音が響き渡る。
「うっ……くっ……」
強烈な快楽に思わず声が漏れてしまう。
しかし、白野は気にせず行為を続ける。
じゅるるるっ!!ずずっ!じゅぼぉっ!れろぉ……くちゅっ……ぬちゃぁ……。
いやらしい音を立てながら夢中でしゃぶる白野の表情は、とても淫らだ。その美しい容姿も相まって、まるで別人のような印象を受ける。
普段の彼女からは想像も出来ない姿だ。しかし、そんな姿すら愛おしいと思ってしまう自分がいるのは事実だった。
(くっ……また出るっ!)
限界を悟った瞬間、白野は更に強く吸い上げる。そして――。
どぴゅっ!!びゅるるっ!!ぶびゅうっ!! 大量の精液が飛び出す。それを全て受け止めると、ゴクゴクと喉を鳴らして飲み干す白野。最後は尿道に残ったものまでしっかり吸い出し、ようやく口を離した頃には彼女の口元はベトベトになっていた。
「けほっ……ごちそうさま」
そう言って微笑む彼女の表情はとても妖艶で、見ているだけで情欲を掻き立てられるようだった。
「白野先輩……」
「ん?」
「あの……もう一回いいですか?」
恥ずかしそうに尋ねる立香に対し、白野は嬉しそうに微笑むと、そっと唇を重ねてくる。そしてそのまま舌を絡めてきた。互いの唾液を交換し合うような濃厚な口付けを交わす二人。やがて唇が離れると銀色の糸を引く。
「いいよ……いっぱい出して……」
その言葉を聞いた瞬間、理性のタガが外れたのか荒々しい動きで再び彼女を組伏せる立香。
そうして、二人の長い夜は続いていくのであった……。
「あれ……?」
朝。目覚めると目に入ったのは知らない天井だった。
いや、一泊限りの旅館の一室の天井なんてそう覚えるものではないのだが、そうではなく――
「なにかおかしい……?」
そう思い、身体を起こし周囲を見渡すと、昨日と部屋の造りが違うような気がした。
物の位置や木目の模様、果ては昨夜あれほど愛し合ったはずなのにその痕跡が欠片もない。
その相手も自分の布団に籠もり夢の中らしく、彼女が片付けた訳でもなさそうだ。
「え、夢……?」
一体何処からが……?
まるで狐に化かされたかのような感覚に見舞われた立香は、白野が目を覚ますまで一人悶々と頭を悩ませるのだった。
白野が起きた後、帰り支度をしつつ互いに昨日の旅館内での行動を振り返る。
二人の認識にズレはなく、そして抱いた感想もまた同じだった。
「別物だね」
旅館そのものを指しての台詞に困惑の色を強める立香。
そんな後輩を後目に「あー……化かされたかな」と淡々とした口調で、しかし何処か納得したように一人呟くのだった。
旅館を出て、バス停に向かって歩く二人。
結局、建物どころか女将も別人だったことも判明し、いっそ頭痛すら覚える立香。
冷静に考えれば、あんな小さな女の子が女将をしているのはおかしな話なのだ。何故それに疑問を抱かなかったのか、昨日の自分達は本当に化かされていたとでもいうのだろうか?
そんなクエスチョンマークで頭が埋め尽くされそうになっている時、そういえばまだ訊ねていない疑問があったのを思い出す。
「……そういえば、先輩は何か夢……とか見ましたか?」
その質問に一瞬キョトンとした表情を浮かべる白野。
その様子に『あの夢』を見たのは自分だけだったことを悟り、「なんでもないです……」と続けざまに言葉を濁した。
それから数十秒。
やけに静かなことに首を傾げる。
てっきり、何の夢を見たのか揶揄われるとばかり思っていたのに、返ってきたのは沈黙。
「……先輩?」
どうしたんだろうと思い、横に並び、覗き込むように顔を伺おうとし――ヒョイッとそっぽを向かれてしまう。
「……………………秘密」
そうして、辛うじて聞き取れる小さな一言の返事。
それで全てを察した立香もまた顔を真っ赤にするのだった。