現パロ・ぐだザビ
薄暗い部屋の中、人一人余裕で写せる姿見が一つある。
その前には一組の男女がいる。
どちらも最低限の衣類――下着を着けているのみで、そんな状態で姿見の前に立っていた。
男――藤丸立香は、彼の前に立っている女――岸波白野の乳房を優しく一度揉むと、
「先輩……」
何かを訴えるかのような、質問するような声色で彼女に投げかけた。
「…………うん」
人形を思わせる無表情で白い顔はほんのりと朱に染まり、了承するかの如くコクリと彼女は頷いた。
すると、立香はゆっくりと彼女の背中に手を回し、下着のホックを外す。
するり……と、下着が床に落ちる音が響く。
露わになった乳房は大き過ぎず小さ過ぎず、バランスの取れた美しい曲線を描いていた。
「……っ!」
思わずゴクリと喉がなる。
何度見ても飽きない、見蕩れてしまう彼女の裸体だ。
「先輩……」
背後から囁かれる甘い声音。
それを合図にするかのように、彼女の唇を奪った。
「んぅ……」
啄ばむような軽い口づけから、貪るような深いものへと徐々に変わっていく。
お互いに舌を絡ませ合うと、淫らな水音が部屋に響いた。
ゆっくりと、白野の乳房を揉みしだきながら、彼女の舌を味わい尽くす。
「んふ……っ」
息をする間も惜しみながら、二人揃って激しく舌を絡め合わせる。
酸素が足りなくなりそうなギリギリで唇を離すと、まるで名残惜しそうに糸を引いた。
「はっ……はぁ……」
肩を上下させて呼吸する白野の半開きになった口を塞ぐように再度口づけし、左手で彼女の胸の愛撫を続ける。
手のひらに収まりきれない、たわわに実った果実を揉みしだく度に彼女の身体がピクンと震えた。
「ん……はぁ……ぁ」
苦悶の混ざった吐息が漏れる。
人差し指と親指で乳輪をなぞり、もう片方の先端を口に含むと、彼女の身体が小さく跳ねた。
「……っ!」
ふと姿見に視線を移すと、彼女の艶めかしい姿がより一層いやらしく見えた。
白い柔肌は上気してピンク色に染まり、鏡越しに見える表情は淫靡なものだ。
同時に鏡の自分とも目が合う。
メガネをかけた自分。その姿は紛れもない今の姿だ。
付き合い始めてから事ある毎に「メガネをかけて欲しい」と要望を受けるようになった。
最初はそれで彼女が喜ぶならとも思ったが、思った以上に頻度が多く、果てには「それをかけてエッチしたい」とまで言う始末。
流石に一方的だったからお返しとばかりに、こちらもある要望をし、それを彼女も了承することとなった。
そしてその要望こそが『これ』……鏡を使ったエッチである。
「……先輩……気持ちいい、ですか……?」
立香が問いかける。
「ん……」
答えを促すように彼女の乳房を弄る。
「気持ち……いい……」
吐息交じりの声で言う彼女に、情欲をそそられる。
既に蕩けきった表情の彼女を見つめながら、胸の先を口に含んで舌で転がした。
「んん……っ」
白野が身を仰け反らせながら、ビクビクと反応する。同時に右手は彼女のショーツの中へと滑り込ませた。
「あっ……」
指先が触れた瞬間、白野の口から切なげな声が漏れる。
そのまま割れ目に沿って指を這わせていくと、ぴちゃりと水音が響いた。
「濡れてる……」
そう呟くと、彼女は恥ずかしそうに俯いてしまった。
彼女の身体の隅々まで知っている自分だが、未だにこういう反応を見せられるとドキッとしてしまう。それがまた可愛らしくもあるのだが。
そんなことを考えていたら、彼女の手がそっと立香のモノに触れた。
「立……香……」
甘えるような、懇願にも似た声で名前を呼ばれる。
「っ!」
不意に名前で呼ばれたことと、その破壊力に思わず息を呑む。
既にズボン越しにも分かるぐらい屹立したソレは、窮屈そうに悲鳴を上げている。
肉体的な感覚だけでなく、実際に鏡越しに確認したことでより強く感じる。
その姿に今度は白野の方が微笑んだ。
(ああ……いい……)
間近で見れる彼――立香の顔が、鏡越しでも分かる自分に興奮している姿がたまらない。
メガネフェチだからというのももちろんあるが、それを除いたとしてもこんなに自分を求めてくる姿が……ひたすらに愛おしい。
背は自分よりも高いのに、手は自分よりも大きいのに、力も自分よりあるのに。
こうした、ふとした折に見せる年下の可愛さがどうしようもなく愛おしいのだ。
「立香……」
再度、強請るように名前を呼ぶ。
「白野先輩」
名前を呼ばれる。ただそれだけで、震えてしまう。
互いに名前を呼び合うと、どちらからともなく唇を重ねた。
お互いの舌が絡み合い、口内を蹂躙する。
口の端から唾液が垂れるのも気にせず、ただひたすらに求め合った。
「……は……ぁ」
口を離すと、銀色の橋がかかる。
白野の頬は紅潮し、瞳にはハートマークが浮かんでいるように見えた。
その表情を見て、立香の理性が崩れそうになる。
(そんな顔をされたら……)
貪るように口づけをし、彼女の身体を抱きしめる。そして再び舌を絡め合わせた。
「んっ……ふぁ……」
同時に彼女の敏感な部分を刺激し始める。
「あぁっ……!」
身体を仰け反らせる白野。ショーツを脱がし、ぷっくりと膨れ上がった肉芽が露わになる。そこに中指をあてがい、優しく円を描くように撫で回すと、彼女の口から喘ぎ声が漏れた。
「はぁ……っ!」
口を押さえて声を殺そうとする白野。その姿が堪らなく可愛くて、もっと啼かせたくなる。
「白野先輩……可愛い」
そう耳元で囁き、耳たぶを軽く食みながら指の動きを変える。
今度は軽くつまむ様にして優しく揉みほぐした。
その刺激にたまらず白野の身体が跳ねる。「や……ぁ……」
言葉とは裏腹に、身体の方は正直に反応していた。
「先輩……気持ちいい……?」
わざとらしく問いかけると、白野は消え入りそうな声で答えた。
「……いぃ……」
「もっとして欲しい?」
白野は恥ずかしそうに黙って俯く。それだけで充分だった。
「了解」
立香は優しく微笑むと、再び白野の唇を奪った。
「んっ……ふぁ……」
舌が絡み合い、唾液が混ざり合う音が響く。その間も手は白野の身体を愛撫し続けた。
「ふっ……んぁっ……」
快楽に耐え兼ねた彼女は腰をくねらせる。それを押さえつけるように抱きしめながら、胸への愛撫を続けた。
(そろそろかな……?)
頃合いを見計らって彼女の秘部に手を伸ばすと、くちゃりという水音と共に指先が濡れた。
「んっ……!」
それだけで白野はビクリと反応する。
割れ目に沿って指を動かすと、愛液が絡みついてきて卑猥な音を発てた。
「くちゅくちゅ言ってるの聞こえる?」
意地悪っぽく問いかけると、彼女は真っ赤になってしまう。その姿が可愛くて、つい苛めたくなってしまうのだ。
「さっきよりも濡れてるみたいだけど……」
羞恥を煽るように囁くと、白野はますます顔を赤くする。だがそれも一瞬のことで、すぐにまた蕩けた表情に戻った。
「ん……だって……」
何かを言いかけようとする白野を遮り、彼女の手を取ると、そのまま自分のモノへと導いた。
「あ……」
自分の手の中で脈打つ感触に、白野がうっとりとした声を漏らす。
(立……香の……)
熱く硬くなったそれは、もう限界近くまで張り詰めているようだった。
「……先輩のせい」
甘えるような声で彼女に言う。
「私のせい……?」
オウム返しのように聞き返され、こくりと頷く。
「もう……我慢できない……」
そう言いながら、彼女の手の上に自分の手を重ね、そのまま上下に動かす。
「あっ……んぅっ……」
ビクビクと身体を震わせながら、白野が艶めかしい声を上げる。
(あ……先輩の声、可愛い)
普段はあまり聞くことのできない白野の声が聞けて嬉しいと思ってしまうあたり、自分はつくづく彼女に惚れ込んでいるんだと思い知らされる。
「もう……我慢できない」
後ろから白野を抱きしめながら宣言すると、鏡越しに彼女を見つめる。
「……うん」
少し間を置いて頷く。鏡越しでも分かるくらい顔が真っ赤だ。
「私も……我慢できない」
恥ずかしそうに視線を逸らす白野。
「っ……!」
その姿に、ついに理性の限界に達した立香は、白野の両脚を掴んで持ち上げる。
彼女の性器に自分のモノを押し当てると、そのまま一気に貫いた。
「んああっ!?」
突然の衝撃に白野が大きな声を上げる。だがそれも束の間のことで、すぐに甘い声へと変わっていった。
「あっ……んぁ……っ!」
腰を打ち付ける度に白野は嬌声を上げる。既に十分過ぎる程濡れていたのか、抵抗なく立香を受け入れていた。
「りつか……りつか……」
うわ言のように繰り返し呟く白野。それに応えるように、さらに激しく攻め立てる。
「あぅ……だめ……ぇ……」
ビクビクと痙攣する白野の身体を支えながら、ラストスパートをかけるように突き上げた。
パンッという肉同士がぶつかり合う音が響き渡ると同時に一際深く刺さると、白野は身体を大きく仰け反らせながら絶頂を迎えた。
「あぁん……っ!!」
同時に膣壁が激しく収縮し、立香のモノを強く締め付ける。
「くっ……ぅ」
強烈な快感に呻きながらも、なんとか耐え抜いた。
(危なかった)
危うく持っていかれそうになったが、ギリギリで踏みとどまることができたようだ。絶頂の余韻に浸りながら息を整えている白野に向かって声をかける。
「先輩……まだ終わってないよ」
「え……」
白野の瞳に一瞬不安の色が浮かんだが、それはすぐに期待へと変わった。
「もっと……して」
甘えた声で懇願する白野。その姿が愛おしくて堪らない。
「わかった」
立香は頷き、腰を動かし始める。白野を抱き上げると、そのまま上下運動を開始した。
「あ……んっ!」
重力に従い、より深くまで突き刺さる感覚に白野は身悶える。
「あ……これ……深……っ」
いつもと違う体位のせいで当たるところが違うのか、彼女の反応もいつもとは異なっていた。それが面白くて、何度も突き上げる。その度に彼女は甘い声で鳴いた。
「気持ちいい?」
そう問いかけると、彼女はコクコクと首を振る。
「じゃあ……もっと気持ちよくなって」
そう言うと、立香は更に強く突き上げる。その度に白野の口から甘い声が漏れた。
(ああ……先輩は本当に可愛いな)
鏡越しに快楽に蕩けきった表情を見つめながら、その身体を蹂躙する。この光景が堪らないのだ。普段は無愛想な表情の彼女がこうして乱れる姿など、そうそう見られるものではないのだから。
「んっ……りつか……」
甘えた声で名前を呼ぶ白野に応えるようにキスをする。舌を絡ませ合いながらも、腰の動きは止めない。むしろより速く動かし、彼女の最奥を刺激する。
「んちゅ……ふぁっ……ぁ」
「ん……あぁ……先輩」
愛おしさがこみ上げてくる。普段は凜として大人しい雰囲気の彼女が、今はこんなに乱れているなんて誰が想像するだろうか?
(オレだけしか知らない先輩の一面、オレにだけ見せてくれる姿)
そう思うと、嬉しくて仕方がない。
「あっ……また大きく……」
立香の変化を感じ取ったのか、白野が切なげに呟く。
「だって先輩が可愛いから」
そう言って強く抱きしめると、下から突き上げた。
「ふぁぁんっ!?」
突然の刺激に白野は大きく仰け反る。だがそれでも構わず抽挿を続けた。
「あぁっ!だめぇっ!」
ダメと言われても止めるつもりはない。
鏡越しに確認できる淫靡な表情、淫らに喘ぐ姿、そして淫らな水音と肉がぶつかり合う音。それら全てが立香の興奮を高めていく。
「先輩、出すよ!」
耳元で囁きながら、ラストスパートをかけるべく突き上げる速度を上げる。するとそれに呼応するように白野の声のトーンが上がった。
「あぁっ!やっ!激しっ……!」
「先輩も……一緒に……!」
そう言いつつ白野の陰核を指で押し潰す。
「ああぁぁっ!!」
その瞬間、白野の身体が痙攣し、秘所から大量の愛液を吹き出した。同時に膣壁が強く収縮する。
「くっ!」
びゅくっ!びゅるるるっ!!同時に立香も射精した。大量の精液が膣内に注ぎ込まれる。その感覚にビクビクッと身体を震わせる白野。
やがて射精が終わると、ゆっくりと引き抜いた。
「ん……ふぁ……」
完全に脱力してしまった白野。
鏡像には力なく自分に寄りかかる白野の姿が映っていた。
「ほら、もっと見せて」
鏡の前へと移動させる。そして後ろから抱きしめつつ、足を開かせた。
「りつか……だめ、もうむり……」
疲労困憊といった様子の白野。
普段は見せない弱々しい姿に、思わずキュンとする。
(ああ……やっぱり先輩は可愛いなあ)
心の中で呟きながら、後ろから白野の胸を揉みしだく。
「あっ……ん……」
突然の愛撫に白野は小さく声を上げる。鏡越しに自分を見る目がとろんとしていた。「先輩、すごくいやらしい顔してる」
耳元で囁きながら乳首を摘み上げる。すると彼女はビクビクと身体を仰け反らせた。
「あっ!やっ……やめ……っ!」
白野の反応に気をよくした立香は、そのまま彼女を抱き上げて鏡の前に立たせた。
「ほら見て、先輩のここ……すごいことになってるよ」
そう言って自分のモノを挿入し直す。先程出したばかりの白濁液と愛液が入り混じったものが溢れ出し、太腿を伝っていく。その光景はとても淫靡なものだった。
「や……はずかし……」
そう言って白野は顔を背けようとするが、それを許さないとばかりに顎を掴み前を向かせる。
「ダメだよ、ちゃんと見てないと」
そう言うと同時に、再びピストン運動を開始した。
「あっ!ふぁっ!だめっ……激し……!」
パンッという音と共に肌同士がぶつかり合う音が響く。その度に白野の身体が跳ね上がり、胸が揺れる。
(先輩……可愛い! 好きだ!)
快楽に溺れ、蕩けきった表情の白野を見てそう思う。こんなにも乱れている自分だけしか知らないその姿が愛おしい。
「あっ!ああぁぁっ!」
一際大きな声を上げて達する白野。しかしそれでも構わず責め続ける。
「やっ!今イッてるからぁ!」
絶頂直後の敏感な身体に追い討ちをかけるように抽挿を繰り返す。その度に彼女は背中を反らせながら悶えた。
「やっ!待ってぇ!」
悲鳴にも似た声で叫ぶ白野を無視して、ひたすらに突き上げる。その度に結合部からは泡立った体液が溢れ出し、床に滴り落ちた。
「りつかのばかぁっ!だめって言っ……ああぁぁっ!!」
一際大きな声を上げて果てる白野。それと同時に立香も欲望を解き放った。ドクンドクンと脈打ちながら大量の精液を流し込んでいく。子宮へと注がれる感覚に、白野は身体を大きく仰け反らせた。
「っはぁ……はぁ……」
荒い息を吐きながら呼吸を整える二人。やがて落ち着いた頃を見計らい、立香は自身を引き抜いた。秘所から大量の精液が溢れ出し、床を汚していく。その光景に興奮を覚えながらも、手早く後始末を始めた。
(……流石にそろそろシャワー浴びないと……)
このまま放っておくわけにもいかないので、まずは汗を流すことにする。白野を抱え上げると浴室へと向かった。
「……………………」
「……えっと、その……ごめんなさい……」
シャワーを浴び、体液やら汗やらを流した後、二人揃って入浴する。
その間、立香の前に座った白野は、顔を真っ赤にしながら俯いている。無言の抗議の如く、ぶくぶくと泡を作っている。
「……流石にちょっとやり過ぎましたよね……?」
珍しくしおらしい様子の白野に対し、苦笑しつつ頭を掻く立香。
鏡の前でのセックスが予想以上に盛り上がった結果、今に至るわけだが……正直やりすぎたかなと反省しているところだ。
「………………ケダモノ」
「ぐふっ!?」
こちらを見ずにぼそっと呟く程度のそれは、しかし罪悪感を抱えている最中の立香には見事なクリティカルヒットだった。
「ごめんなさい……つい調子に乗りすぎました」
素直に謝ると、白野は何も言わずに立香の腕に抱きつく。その仕草にホッとすると同時に、本当に反省するべきだと自分を戒めた。
「なら、もう止めましょうか、アレ」
アレとはもちろん鏡を使ったプレイのことだ。
鏡の魔力とでもいうのか、常に彼女の全身を眺め、反応も楽しめるのは一種の麻薬にも近い。
いつも以上に理性のタガが外れたのも、それが理由だ。
流石に悲しませたくも傷つけたくもない。
「え?」
「……え?」
そう思っての提案に、しかし意外そうな反応が返ってくる。
振り向いてこちらの顔を伺うのは困惑の色。
見せられたこちらにも伝播したのか、オウム返しのようになってしまった。
それに気付くと恥ずかしそうに前に向き直り、拗ねたように再び泡を作り出した。
(えーと……もしかして、嫌じゃなかった……?)
自分をケダモノ呼ばわりするわりには当人も思いの外乗り気だったらしい。
確かになんだかんだ言いつつも、いつもより絞まりが良かったような……。
「あー……じゃあ、偶になら付き合ってくれますか?」
しかし、それを知られるのは恥ずかしい上に自分から言い出し難い状況にしてしまった白野。
それを察し、あくまで『自分からの要望』という形でこれからも偶にお願いすることにしようと提案する。
「…………うん」
そうして返ってきた返事には喜色が混じり、鏡を使わずとも照れながらも喜んでいる姿が目に浮かんだのだった。