現パロ 兄弟 贈り物

現パロ 兄弟 贈り物


中学生ともなると兄ベッタリとはいかず、友達だけでクリスマスパーティーやるから。って言われて凹みまくる 兄者達

でもそれは建前で本当は兄たちにサプライズプレゼントとパーティーを企画している弟達

直義「とは言え兄上に相応しいプレゼントとは何だろう?私たちの小遣いの範囲で買える物など高が知れているし…」

師泰「折角用意したモンにケチ付けられると腹立つしなぁ~」

義助「師泰の兄ちゃん照れ隠しにそう言うこと言いそう」

正季「逆にチープな物で感激されるのもそれはそれで嫌なもんだぞ…。 俺幼稚園で作った王冠未だに兄者の 部屋に飾られてるからな…」

他三人「あ゛あ゛~!あるある」

直義「あれうちだけじゃ無かったのか…」

義助「直義ん家何?俺ん家小学校の 工作で作った紙粘土の変な塔」

師泰「ぎゃはははは!なっつ!!あれ中に豆電球入ってるよな!」

義助「おう、未だに兄者がたまに光らせてるぜ…」

師泰

「お、おう。そうか…それは居たたまれんな…。うちは何とオルゴールだぜ!上の装飾を木で作る奴! ………夜中に兄貴の部屋で鳴ってるの結構なホラーなんすよ、勘弁してくれねぇかなぁ!!」

直義「……つ、辛いな師泰。 うちは学校のやつじゃなくて家族旅行で行った京都の西陣でやっていた染め物の体験教室で作ったハンカチだ」

他三人

「めっちゃマシじゃねーか!!」

直義「……私は当時四つでな、その時好きだった色を原色で塗りたくり講師のお姉さんが全力で苦笑いした代物だぞ?それを未だに兄上が愛用しているんだ、満足か?」

他三人「…すいませんっした!」

直義「はぁ…いい加減捨てて欲しい。とにかく、我々も成長したんだ。 ちょっとは良いものを兄上達にプレゼントしたい。 皆何かアイデアないか?」

正季「兄者達も受験で大事なシーズンだし食べ物は万一腹壊したらヤベェから無しだな。」

義助「となると、何か物になるわけだけど今から作って間に合う物ってあるか?」

師泰「後は兄者達に気取られるのも 嫌だな。あからさまにそわそわしだすしな」

全員「うう~ん…」

正季「そうだ、この前図工でさ、皮製のコースター作ったろ!ああいう奴でキーケース作れねぇかな!」

師泰 「お!良いなそれ!大人っぽい!」

義助「うぇぇ…?お前らは手先器用だから良いけどよ、俺と直義でも出来んのそれ?」

直義「聞き捨てならん台詞が聞こえた気がしたが聞き流そう。 …ホントにそれにするのか? ……私が作ったら兄上に渡せる出来になるだろうか…?」

正季                    「大丈夫に決まってんだろ!師泰は   上手いけど俺と義助と直義は腕そんな変わんねぇよ!分かんなかったら師泰に聞きゃ良いんだよ!」

師泰                     「俺への期待が天元突破。急に不安になって来たじゃねぇか!あーでも      やっぱ講師がいた方が良いか……。          ! そうだ道誉殿がこういうの好きで      色んな作品SNSでアップしてんだよ!センスも良いし、教えて貰って作ろうぜ!」

直義「道誉殿か…。大丈夫か?兄上に即バレそうなんだが。」

正季「うへぇ、俺あの人苦手だー」

義助「ううん…俺も前世で良い思い出がないな」

師泰                   「意外と不評!?い、いや大丈夫だって!今生は謀略キャラじゃなくて人生エンジョイ勢だから!平気だって!」

正季「100%不安なんだけど」

義助「悪い予感しかしない」

直義「…………右に同じく」

師泰「直義様まで!?」

※結局すったもんだの末に道誉殿に     講師になって貰い、センスの良い      キーケースが出来上がりました。

道誉殿「…これで後は留め金を留めれば出来上がりですな!」

正季                   「すげぇ、俺らが作ったのに店で売ってるやつみたいだ…!」

義助                    「うん、マジで凄いな、やっぱセンス良い人って違うな」

直義 「ああ、本当に。色の選択も兄上達に似合う色だし、打刻の模様を道誉殿に助言頂いて良かった。 私が一人でやったらこんなに綺麗に 纏まらなかったな」

道誉殿 「イヤイヤ、選ばれた模様は皆とても良いチョイスでしたぞ。 後は模様の配置の仕方だけ気を配れば良いのでな、拙僧はこれらの知識の 蓄積があっただけの事。」

師泰「いやー、知識の中からその選択が出来るのもセンスじゃねぇかな。 俺の最初の図案と模様は一緒なのに全然違うしなぁ。」

義助 「本当それ。…有り難う道誉殿、 俺だけで作ってたら子供っぽくなってたよ」

道誉殿「!…ふふふ、皆背伸びしたい年頃なのですな。兄上達はどんな物でも喜ばれるが、それでは嫌なのは分かりますぞ」

直義 「ああ、そうなんだ。折角兄上に プレゼントを渡すのなら良い物を渡したいんだ。 …今まで貰ってばかりだったから」

正季「うん、そうだなぁ。兄者は俺達に渡すばかりで、こっちからのもんは中々渡せないんだよな、あっちはもう持ってるからさ。」

道誉殿「どうしよう拙僧今でもジーンとして泣きそうなんだが娘にそんな事言われたら号泣しちゃう。」

弟達「あははははは!」

師泰 「魅摩殿今生まだ5才でしたっけ。 成長が楽しみっすね!」

道誉殿 「うむ!楽しみなのだが拙僧、魅摩が風邪引く度に動揺しまくり嫁殿に鬱陶しがられておってな、今生の方が心配性になったようで。前世のように一人で町歩きなんかさせられんわ…」

正季 「あの頃より遥かに安全なのになぁ」

義助「…うちの兄者もそうなんかね、今日もやたらと行先聞いてきたし。」

師泰「聞くだけマシじゃね?うちは親巻き込んで情報収集してくるから厄介だったぜ…」

直義 「…………カバンに見慣れぬ        キーホルダーが着いてて画像検索したらGPSだった…。」

弟達「ヒェッッッ……!」

道誉殿                   「おおう……相変わらずですなぁ、         尊氏殿…」


クリスマス当日今年は弟達と過ごせない、と凹みまくる兄たちのLINEに弟達から連絡が来て、呼び出された場所に向かうとそこは道誉殿が経営する店の一つであるカフェだった。

飾り付けられた店内に入るとクラッカーが鳴らされて弟達が笑いながら メリークリスマス!と声を掛ける。

驚く兄達に弟達が照れくさそうにしながらこれプレゼント、と箱に入った キーケースを渡した。 高級品に見えるそれに驚く兄達が訝しげに弟達を見た。

楠木殿 「いやいや、サプライズプレゼントは勿論嬉しいし、驚いたがこれは高かったのではないか?お主らの小遣いと貯金を合わせても足りる物に見えんのだが。いかんぞ、いくら拙者達に贈り物をしたかったといっても限度があるだろう!」

新田殿 「何!義助、小遣いが無くなったのか?良し!後で兄が小遣いをやろう! 安心して良いぞ!」

師直「根本的な解決法になっておらぬわ戯け者。師泰、お前の金銭感覚は        確りしていると思っていたんだがな」

尊氏                     「直義…!我に似合う物を、という      お前の気持ちは嬉しい!心底嬉しいぞ!ただ我は気持ちだけで充分なんだ 無理はしないで小遣いはお前の為に 使ってくれ」

また何時もの流れかとムッとする弟達を目線で宥めて道誉殿がニヤリと笑い 兄達にネタばらしをした

楠木殿「………!!これ、を正季が 作ったのか?誠に?」

道誉殿 「正季殿は革の固さに苦心しながらもご自分が選んだ色の糸で一生懸命 縫っておられたぞ、楠木殿。兄者にはこの色が似合うからと」

新田殿「いや、こんな細やかな細工を義助がやったのか…?」

道誉殿 「義助殿は打刻に拘っておられましたなぁ、兄者には勇壮な細工が似合うと真剣に打っておられた」

師直「……細部まで細かく丁寧に処理されて持ち心地がいい」

道誉殿 「革は処理の仕方一つで仕上がりが 全然違うゆえ、師泰殿はそれは丁寧に仕上げておられたよ。お主が使う物だからな、師直殿」

尊氏「……この紋様は、鷹。それと 裏側に蔦と花…?」

道誉殿「直義殿はお主に相応しい紋様は何か?とかなり悩んでおられてな、表には自由を象徴する鷹を小さめに配置し、裏にハマヒルガオを苦心して 細工されていた」

尊氏「ハマヒルガオ…?見たことが あるような…」

直義「…昔、童であった我ら兄弟が 鎌倉の浜に遊びに行った時によく摘んで母上への土産にした花です」

尊氏「……っ!!!!………直義」

直義「……はい」

尊氏 「………お前の気持ちを知らずに無理解な事を言ってすまなかった。有り難う、凄く嬉しい、…ありがとう…!」

直義                     「…あにうえ、…なかないでください、……あにうえ」

正季 「ぐす、あー口の中しょっぺぇな… 兄者!?」

楠木殿(ダバダバに涙を溢れさせている)

正季「ええぇ…しょうがねーな、ほらハンカチ」

楠木殿「…ずまん゛正季、拙者真っ先に無駄遣いを疑ってしもうた」

正季「…へへ、別に良いって。これで漸く一個返せたかな?今まで貰って ばっかだったからな!」

楠木殿 「……!!ま゛さ゛ず え゛~~!!!」

正季「ぎゃああああ!止めろ鼻水 くっつけんな!!」

新田殿「……これをお前が作ったのか、義助」

義助「ええ、何その静かな反応。 …模様、変か?」

新田殿「すまん、何か言わねば、と 思うんだが、ことば、が、…でてこないんだ」

義助「……良いよ、その様子で充分 伝わったから」

新田殿「うん………」

師泰「あの~兄者?ずーっとキーケース握ってっけど大丈夫か?」

師直「…………」

道誉殿「…今口を開いたら号泣するんでしょうな、ひえっ!?あっぶな!      拙僧に八つ当たりは止めよ!」

師直「…………」

師泰「出てっちゃったよ」

道誉殿「ふふ、追いかけるなよ、師泰殿。男は一人で噛み締めねばならぬ時があるのでな。」

師泰「分かってるよ、道誉殿。…うちの兄者は素直じゃねーからな!」


兄達は弟達の心が籠ったキーケースをとても大事にしていますが、道誉殿が弟達と仲良くなったのは気に入らないようです。


楠木殿 「正季がまた道誉殿の工房に出掛けておる~!楽器も弾きこなせるからって拙者の弟独占し過ぎでは!?」

尊氏「前世では滅茶苦茶対立していたのに!直義が道誉殿になついてしまった!直義ももうちょっと警戒心を持ってくれ!直義を返せ!」

新田殿「あれ以来義助が革細工に嵌まってしまった…!俺も挑戦したが工具を三本壊して出禁になってしまった。義助…兄より胡散臭い坊主が良いのか…!」

師直「師泰の師匠面されるのがこんなに腹が立つとは……!」

兄達「おのれ佐々木道誉…!!」


道誉殿

今生は全力で人生エンジョイ勢。前世で敵対していた弟達とも仲良くなれるコミュ強者。

だけどスリルを楽しむ悪い癖が抜けてないので兄達を完全に怒らせるギリギリのラインでおちょくるのがやめられないし、めっちゃ楽しい


Report Page