玉座

玉座



今夜も我が家は宴会。皆めいめいにお酒を飲み、どんちゃんさわぎをして楽しんでいる。

本日の夜の番はゾロで、彼のために軽めの夜食を持って行った帰りのルフィがサンジくんから飲み物を受け取り、一人座ったところを見計らって隣に座る。


おつかれさま、ルフィ。


「ありがとな、ウタ。」


ゾロ、宴会に参加できなくて拗ねてなかった?


「酒とツマミがあれば文句はねェとさ。」


ゾロらしいね。


ルフィに寄りかかってその腕を抱きしめ、もう片方の手を彼の引き締まった太ももに置く。そのまま這わせていき、衣服の上から彼の大事なところを撫でさすった。


「…ウタ。」


ルフィの抗議を無視して何度も愛情をこめて撫でさする。


「……。」


ルフィは怒っているのかそっぽを向いている。でも止めないんだね、ルフィ?

そっぽを向いているのをいいことに私は少しだけ腰を浮かして——


もぞ…


はいルフィ。これあげる。


「?」


ルフィはなんだ?と手渡されたものを広げて——そして固まった。

それは私が脱いだ下着だったから。あったかい?ルフィ。

固まったままのルフィの片手を取って太ももの間に挟み、切なくすり合わせる。逃がさないよう私の指も絡ませたまま。

そしてそのまま私の大事な場所に導いた。


「旦那?固まってどうしたんだい——


あ、サンジくんが鼻血を吹いた。さすがサンジくん。見聞色の覇気で何が起きているか察したんだ。

ウソップやチョッパーが驚いてサンジくんに群がる。ナミもロビンも感づいたみたい。ナミは呆れた顔を、ロビンは微笑みを向けてきた。

私もにっこり笑って返し、気にせずルフィへの誘惑を続ける。ルフィの耳元に口を寄せ囁く。


ね、ルフィ。ベッドに行こ?私のここ、ルフィが欲しいって泣いてるのわかるよね?それに、この子も私の女の子の中に入りたい!入りたい!ってさっきから駄々こねてるよ?


そう言ってくちゅり、と私の中にルフィの指を導いたあと、もう一度ルフィのそこを撫でた。

衣服の中で窮屈そうにしている子に心が苦しくなる。だってこの子はルフィと違って素直だから…。ごめんね、あとでいっぱい気持ち良くしてあげるからね。


ふぅ、とルフィの耳に甘い吐息を吹きかける。


ルフィはいいんだ?こんな私を放置して。ルフィのことで頭がいっぱいで、隙だらけでふらふら街を歩いてこの前みたく路地裏に連れ込まれて、今度は助けることができなくてぼろぼろになってるふぃ…るふぃ…って泣いてる私を見ることになってもいいんだ?


はむ。ルフィの耳を甘噛みする。


ほしい…ほしいよ…ルフィがほしい…るふぃ…るふぃ‥…


「……。」


ルフィはわたしの腕を乱暴につかんで立ち上がった。


……♡


そうして、皆の喧騒をよそに私たちは船長室という名の二人の愛の巣に退散していった。




船長室へ至る階段をあがる時、足早に先にのぼる。


あ、ごめんねルフィ。ハンカチ落としちゃった。


そう言って柔軟な体を生かしてかがむことなく足首付近へと体を折り曲げる。

ウソだ。ルフィの視線をそこに誘導するため。ルフィにもっと興奮してもらうため。

今の体勢では、私が着ているミニワンピースでは隠すことができずに、下にいるルフィにすべて見えてしまっていることだろう。

下着はさっきルフィに渡したままだから、言葉通り私の大事なところは今ルフィに丸見えだ。

現に、ルフィの熱い視線を感じる。その事実に私もまた興奮する。


もっと。もっとだよルフィ。ルフィはもっと私にくぎ付けにならないといけないの。


そしてルフィに胸を押しつけて腕を組み、甘く恋人つなぎをしてわざとゆっくり歩いて船長室へ向かった。ルフィを焦らすために。




船長室に戻り、クイーンベッドに向かう。ルフィ?まて、だよ?

ルフィをもっと誘惑するため、ベッドに手をついてルフィに向かってお尻を突き出し、魅せつけるようにふりふりと小さく左右に振る。


「……。」


ルフィの視線を十分楽しんだ後、お尻を向けたまま四つん這いでベッドに上がる。

ルフィ、よく「まて」ができたね。えらいえらい。そんなルフィにはたっぷりご褒美をあげなきゃだね?

ルフィが襲いかかることのできるちょうどいい場所までゆっくり移動し、艶めかしく足を組み替えながら向きなおる。

ルフィに見せつけるようにはしたなく足を広げ、両人差し指と中指でハートを作って私の大事なところにあてがった。


ルフィ?今日もよくがんばってくれました。よって、船長からあなたにご褒美を与えます。さ、遠慮せず…今日もたっぷり召し上がれ♡


淫靡な笑みをルフィに向け、れろ…と淫らに下唇を舐めあげながら最後の誘惑をした。


「……。」


無言でゆっくり近づいてくるルフィ。今までの誘惑もまったく効いていないかのように冷静に見える。

でも、私にはわかる。ルフィの目が欲望に染まっていることを。かつてわたしを襲ったあいつらのように。

でも、嫌悪感などまったく感じない。それどころか笑顔で両手を広げて、全身で喜んで迎え入れる。

近くまで来たルフィは見てて痛いほどそそり立った自分のものを取り出し、私の誘惑のまま私のそこにあてがった。


くすっ、いきなりだねルフィ?そんなにガマンできないんだ?


そして…




あんっ!♡ルフィッ♡だいじょうぶだよ♡私は逃げないよ♡だから今日も♡たっくさんキモチよくなろうね♡




私の腕を組み敷いて荒々しく覆いかぶさり、私の耳元に獣みたいな息遣いを浴びせながら、獣みたく腰を打ち付けてくるルフィを逃がさぬよう両足をしっかりと絡ませ受け止めて、私もまたお返しだとばかりにルフィの耳元で喜びの嬌声をあげ続けた。












♡♡♡♡♡

    ♡♡♡♡♡

        ♡♡♡♡♡












えらいぞルフィ。今日も理性を吹き飛ばしてたっくさんがっつくことができたね…


心ゆくまで私の中に欲望を吐き出したことで疲れ果て、私の胸に顔をうずめて気持ちよさそうに眠っているルフィを愛しく抱きしめ、髪をなでながらそう思う。

大好きなあなたをどんどん侵食して私に染める。それは今おもしろいくらいに次々と成功をおさめ、こみあげる笑みを止めることができない。

もうすぐあなたはその腕の中に私がいないと落ち着かなくなり、焦りながら私を探すようになる。そして私の姿を目にとめるとすぐさま引き寄せて腕の中に抱きしめ、それで安心を覚えるようになる。

必ずそうなる。その未来が見える。

やっぱり、私の得意の覇気はサンジくんみたく見聞色なのかな?


「つかまえたよ、ルフィ…」


甘く言いながらルフィの頭にキスする。

あなたはもう逃げることはできない。

これは甘い復讐なのだ。小さい時から私の気持ちを無視し続けてきたルフィへの。心も体も成熟し大きくなるにつれて、私のあなたに対する想いはどうしようもないほど膨れ上がった。なのに…あなたは私の想いを知っていて無視し続けた。

はじめて愛しあってから次のそのときまで、私を悲しみの底に突き落としたのだって……。

行き場のない想いに、どれほどあなたの名前を切なく呼びながら自分を慰めてきたことだろう。何度あなたの寝床のシーツにくるまって泣きながら自分を慰め、そのまま眠り込んでしまってあなたに起こされただろう。旅立っても変わることのないこの習慣のおかげで、私になにかあればルフィの寝床を探しに行けと仲間内の暗黙の了解もできているほどだ。

わかっている。あなたが私をものすごく大事にしてくれていたからだということは。でも……それとこれとは別なのだ。だから私は全力であなたに甘える。あなたは必ず私を受け止めてくれるという事を知りながら。

あなたに抱かれ、あなたのものという印を私という存在に刻み込まれた今、もう止めることはできない。

見下ろす胸元。ルフィの頭をうずめている私の胸にルフィにつけられたキスマークが見える。

最近ルフィはよくキスマークをつけてくるようになった。

やめてほしくないから指摘しないしからかいもしないけど。鏡に映るキスマークがついた自分の体をみると、自然と笑みがこぼれる。

お気に入りのワンピースをよく着る理由の一つはキスマークを隠せるから。でもそろそろ長いのも着ようかな。腕にも足にもルフィのものだという印がほしい。

私の腕にうやうやしく口をつけて、愛情込めてキスマークを付けるルフィが見たい。私の足を荒々しく押し開いて持ち上げて、これは自分のものだと私の太ももに激しくキスマークを何回も付けるルフィが見たい。


ルフィ…もっともっと私に溺れようね……全部受け止めてあげるから。


どれほど狂おしく身を焦がしながら求めても手にすることの叶わなかった唯一の宝物が、今私の腕の中にある。もう離さない。

私の宝物にもう一度精一杯の愛をこめてキスを落とし、その心地よい重みを全身で余すことなく享受しながら私も眠りについた。


























翌日。見渡す大空は私の心を表すかのように快晴。

気持ちよく朝食をとりながらナミに言う。


ねえナミ。新時代のためにはさ、今の大海賊時代ってジャマだよね。でさ、その大海賊時代は海賊王ロジャーから始まった。なら終わらすのにも海賊王が一番適任じゃない?だからね、ダーリンになって貰おうと思うの。海賊王に。


「は?ウタ、あんた急になに言いだすの。」


なにって言葉のとおりだよ。それに、ダーリンは海賊王ってラブソングも作ってみたいし。


「アホ言ってんじゃないわよ…」


「海賊王ってのはてっぺんのことだろう。なら船長のほうがいいんじゃねェのか?」


響きがかわいくないからイヤ!😡ぷぅ!


私はカワイイものが好きなの。あともうひとつあるけど。


「…そォかい。」


呆れたように呟いたきり、興味がなくなったのかお酒を飲み続けるゾロ。


「あんた、自分が何言ってるかわかってるのよね?」


わかってるよ?


「本気なのね?」


あたりまえでしょ。


「そ。なら改めてどうぞ、船長。」


かしこまって促すナミ。

ダーリン!ちょっとこっち来て!他の皆と朝食をとっているルフィを呼ぶ。

麦わら帽子を彼にかぶせ、私は居並ぶ愛しい仲間たちの前でルフィの腕を組み、ビシッ!と人差し指を天に向けて歌姫の名に恥じない高らかな発声で宣言する。


みんな!いよいよ新時代を実現するよ!そのために、ダーリンに海賊王になってもらいます!


奪るよ、ワンピース(ひとつなぎの大秘宝)!

ド ン ! !



オオオオオオオオオオ!!!!!


一斉にフィーバーする愛しい仲間たち。



ようやくスケールがデカくなってきたじゃねェか… ニヤリ


こりゃ今日は宴会だな…おれたちの新しい門出を祝して、盛大に振る舞うとするか! 


ぅ…いよぉーーーし!ムシャぶるいがしてきたぜ!!…ホントだからな!?


おおー!すげーぞ!ウタ!ルフィ!


アウッ!そいつはなんともスゥーパァ~!な提案じゃねェかッ!悪かねェッ!!


その道のりには必ず最後のポーネグリフがある……フフ、楽しみね。


ヨホホホ!我らが船長が望むならば、この身命を賭してお供いたしましょう。私、もう死んでるんですけど!ヨホホホ!


…ついに、じゃのう!




仲間たちの喧騒やまぬ中、


海兵だったんだけどなァ…


ぽつりとつぶやくルフィの声が聞こえた。私はルフィを見上げて言う。


ルフィ。漁師のルフィはカッコよかったよ。海兵のルフィもカッコよかったんだね。今、海賊のルフィも変わらずカッコイイ。だから海賊王のルフィもきっとカッコイイよ。だって、ルフィがカッコイイんだから。


ずっと見てきた私が言うんだからまちがいないよ、笑顔でそう伝える。私は見る目はあるんだよ?


「…そォか。ありがとな、ウタ!」


ニカッ!

私でも数えるほどしか見たことがない、私の大好きな太陽のような笑顔で答えてくれた。


…やっぱり、あなたにはその笑顔が一番よく似合う。



そうだ。今こそ、アイスバーグさんの助言を採用しよう。

我が家が誇る世界最高の船の名を、今こそ。



千の海を陽気に踏破する!「サウザンド・サニー号」へ改名しよう——。



大空に燦々と輝く太陽のように…



これからのち、大海賊時代に名をはせる、海賊王を従える歌姫の話題が世間に上る。それは歴史の中で見ればごく短い間だったという————。












































???


深夜。

二人の愛の巣に新しくあつらえられた玉座に、新たに王と成ったあの人が座している。


……思ったとおり、あなたにぴったり。


私が今いる場所と両者をつなぐ道が船窓から差し込む月明りに照らされ神秘的に浮かび上がり。

恍惚としながら私は一歩ずつ貞淑に歩を進め、玉座に静かに佇む私だけの王の前で立ち止まる。

ぶかぶかのスタジャンを床に脱ぎ捨て、お気に入りのワンピース姿を晒す。

愛する人のために育った豊満な肉体を魅せつけるために、胸元のリボンをプレゼントのリボンに見立てて両手で艶やかにほどいたあと胸を反らしながら両腕を頭の後ろで組み、目をつむって顔を逸らす。

そのまま体のラインに沿って艶めかしく両手を下ろしていき、腰からお尻のラインに到達したところで返す手でワンピースの裾をつまんで。

ゆっくりと魅せつけながら持ち上げてゆく…

はじめに太ももが…次にあなたのための煽情的な下着が露わになり…おへそのあたりでいったん止める。

その姿を十分あなたに楽しんでもらったあと、ワンピースも脱いで豊満な肢体を余すことなく晒けだし、甘くしなだれかかりながら二人の足元に落とした。

どちらからともなく、そうなることが自然であるように唇を寄せあって深いキスを交わす。恋人繋ぎをしながら飽きることなくお互いの舌を絡ませ合い、お互いの唾液の味を堪能した。唇を離せば、ツーッ…と二人の間に橋が架かり、月明かりに一瞬美しく輝いて消えていった。

荒い息をつきながら、至近距離で見つめあう。月明りに照らされた顔は一層端正に見え、私の胸が苦しいくらいときめく。


同時に甘い疼きが下腹部に広がった。


今ならわかる。これは命が宿る場所から出ているサインだと。

私の体はとっくの昔に準備ができていたんだ。

甘くしがみつきながら耳元に唇を寄せ懇願する。


ね、ルフィ?赤ちゃんつくろ?ルフィの赤ちゃんがほしい、ほしいって、私の赤ちゃんの部屋が切なく泣いて苦しいんだ…


ね、るふぃ…おねがいだよ…せつないよ…たすけてよ…


ルフィの手を取って私の下腹部に導き、何度も耳を甘かみする。時折ねだるように吐息を吹きかけながら。


ルフィが私の頬に手を添える。私も手を添え、味わうように頬ずりした。


ルフィと見つめ合う。


わたしのだんなさま……


「……。」


そうして、お互いゆっくりと近づいてキスを交わし、月明りに見守られながら二人だけの玉座の上で愛してやまない人と深く深く繋がり合った。人には見せられないはしたない姿で、何度も、何度も————




























船長室に厳かに佇む一つだけの玉座。人が見れば、そこに座すのは船長である私だと思うだろう。愛する仲間でさえも。






それは大きな間違い。


でも、真実を知っているのは、あなたと私の二人だけでいい…


私の左手にある唯一の“新時代”のマークのように————。




NEVERENDING STORY...





























































ウタ!ルフィ!生まれたぞ!今回も元気な女の子だ!!


よくがんばったな!ウタ!


うん…ルフィ……


まだ小さい長女を抱きかかえ、笑顔で私に話しかけてくれるルフィ。

外も騒がしい。皆も喜んでくれているみたい。

よかったね…


ね、ルフィ。


なんだ?


ルフィから長女も預かり受けながら願いを伝える。


次はね、ルフィによく似た男の子がいいな…


……。


狙えるモンなのか?そう小さく呟き唸りはじめたルフィを横目に、胸に抱く二つの新たな命を見やる。

私の髪の色をきれいに分けてきた子たち。



ね、幸せになろうね…



芽吹いた新時代の中で、元気に走りまわるこの子たちの姿が見えた————








晴れ渡る大空。燦々と輝く太陽。

活気ある港町に停泊させてあるサウザンド・サニー号。

その船長室。

開け放った船窓から爽やかな風が流れ込み、カーテンを心地よく揺らす。

そして、近くにある写真立てを優しく撫でた。


『—ある荒廃した島の結婚式にて—』




























ONE PIECE FILM 麦わらのUTA fin.



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